Netflixの海外ドラマ「THE SINNER」saeson3を全話見た感想です。途中まではネタバレなしの感想、ドラマ紹介。注意書き以降はネタバレありです。
さて、金曜からNetflixで始まった「THE SINNER(ザシナー)」シーズン3ですが、なんとも暗かったですね~。
孤独な人間の暗部に焦点を当てた形で、今回もきっちりアンブローズ刑事が犯人に寄り添います。
自身も相当な闇を抱えるM刑事ですが、一体どこまで心身を削り、自身を追い込んだら気が済むのか・・。
でも、
はぁ、全くよくやるよ・・。
と、引いた目で見てはいけません!
彼にしかできない芸当で事件を解決し、同僚に「名刑事」と称されるM刑事の手腕に私達も酔いしれましょう~!
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「THE SINNER」シーズン3予告編とあらすじ
字幕なしですが・・
このドラマはシーズンごとに「犯人キャラ」をメインに据えて違う物語が展開されますので、過去シーズンを見ていなくても楽しめます。
今回の主役兼犯人はジェイミーという平凡な高校教師(色男)。
美しい妻と生まれてくる赤ちゃん。郊外の大きな家。
なのに何かが満たされない・・。
そんな彼が足を踏み外すきっかけとなった事件とは・・。
凄惨な交通事故の裏側には一体何が?
優しい垂れ目のアンブローズ刑事がジェイミーの秘密に迫っていきます!
「THE SINNER」シーズン3の登場人物とキャスト
まずは定番のこの方。ハリー・アンブローズ刑事
ビル・プルマンをただのオッサンと思わないでください。90年代、様々な映画で有名女優達の相手役を務めたお方です。
「インデペンデンス・デイ」では大統領も演じました。
ジェイミーを演じるマット・ボマーは皆さんご存じ、海ドラ界のプリンスです。
美しい顔立ちに知性と品の良さが滲み出てるマットは実生活でゲイを公表しているのも好印象。
男の子が3人いて楽しそう!(サイモン・ホールズが代理母出産で得た子供達なのでマットとは血が繋がっていないそう。)
彼を破滅の道に誘うニック役にはクリス・メッシーナ。
見た目通りの性格俳優。
最近だと「シャープ・オブジェクツ」に出てました。
「THE SINNER」シーズン3 ネタバレ無しの感想
私は普通に面白くて一気見だったんですが、IMDbのレートがかなり悪くて驚きました。
これは恐らくミステリー要素に欠けていたのが大きな要因だと思います。
シーズン1と2で何が良かったかって、それですからね。
どちらも第1話で驚きの謎かけを用意しておいて、さぁ、どんな結末が待っている!?という興味で釘付けにし、一転二転するストーリー展開でぐいぐい引き込んでいくミステリーでした。
ところが、今回はそれがほぼない。
序盤は少しありますけど、すぐネタは上がってしまう形で、もっぱらジェイミーの闇を掘り下げ、アンブローズ刑事との不思議な闇交流が延々続く・・。
この部分に共感できるか、はたまた、しつこいわ!いつまでやってんねん!となるかが分かれ目でしょうか。
さすがの私も多少しつこいなぁ・・とは思いました。
でも、確実に暗部を抱えてるほうの人間なので、彼らの対しての興味は最後まで続いたし、最終回には大きく揺さぶられましたよ。
そこでしょうかね。
誰かと知り合った時に、「あ、この人暗部あるな。」とか、「全然ないタイプだわ。」とかを無意識に感じ取ってるような人にはおススメです。
それにマット・ボマーは美しいうえに演技完璧!
あれ以上説得力のあるパフォーマンスは考えられない!というほど素晴らしかった。
ビル・プルマンもいいですね~。
控えめな存在感ですが、実は計算しまくってると思います。
あのキャラで変な自己主張して刑事コロンボみたいになっちゃうと、この犯人ゲストお迎え形式のドラマが急に安っぽくなりますからね。
それにしてもこの脚本書く人も「孤独な闇」に相当なこだわりがあるんでしょうね~。
徐々に伝えたいことに執着してきた感じが見受けられます。
そんな感じなんですが、トマトメーターの方では批評家がなんと100%!!
一般が56%なので極端に違います。
こうなってくると感想も人それぞれだと思いますので、ぜひ一度試しに見て頂きたいとしか言えませ~ん。
*これ以降はネタバレ有の感想です。
「THE SINNER」シーズン3のネタバレ感想
はい!
というわけで、今回M刑事を常時痛めつけてくれたのは
坐骨神経痛でした~!
薬が嫌なのは分かったけど、いい加減医者行ってくれ~!
というほど、痛々しい歩き方でしたね。
あの歩き方でとりあえずヨシとするハリーの基準がよく分かりません。
携帯の電波が届かない家がいいらしいけど、もう少し細かい部分も大事にして丁寧に生活しようよ。
そして、あの究極の窒息プレイ!!
絶対やりたくないわ~!
朦朧とした意識の中にお母さん出て来てましたね。
躁鬱双極性障害を抱えていたそうです。
なるほど・・。子供の頃から相当の苦労をし、孤独に生き延びてきた少年時代が現在の彼を形成していたんですね。
彼はジェイミーにも何か少年期にトラウマとなる出来事があったのでは・・と探してましたが、12歳で母を亡くし、その後父親にもろくに世話をしてもらえなかったというのは大きな心の傷になっているはず。
結局、子供の頃に負った深い傷や、満たされることのなかった愛情欲求をなんとか埋めようとして過激な思想に手を出し、刺激を求めることで自分を労わろうとするのでしょうか。
ところが、その過程を共有したニックという男のタチが悪すぎたのが運の尽き!
死を弄び、強烈な恐怖体験を繰り返したことで、アドレナリンが噴出してる時だけ「生」が実感できるという負のアドレナリン中毒に陥ってしまったとも言えますよね。
退役軍人がPTSDに苦しむ理由や、再び戦場に戻りたがる心理状態に近いのかもしれません。(想像ですが)
結局ここまでハマってしまうと、普通の暮らしが現実的のものとして実感できず、世界そのものが偽善的で退屈な演劇のように見えてしまうのもなんとなく理解できます。
美人妻に生まれたばかりの赤ちゃん。
幸せの絶頂で感じる究極の疎外感。
ジェイミーの絶望はそこにあったんでしょうね。
赤ちゃんを抱いた時に感じるのが愛おしさや感動ではなく、落としたら簡単に死んでしまう、息が止まったらどうしようというマイナス感情ありき、というのは相当辛いでしょう。
ジェイミーの最期が哀しすぎた
最終話の評価が異常に低いんですが、(IMDb5.7!ってそんなにダメでした?)私はかなりエグられましたよ。
撃つ必要のない場面で、ジェイミーを撃ってしまうアンブローズの心の闇!
「死にたくない」と子供のように怯えるジェイミーの無防備なまでの幼気さ!
あの時の表情がもう子供にしか見えなくて辛かった・・。
死に怯え、「手を握って」と頼むジェイミーが気の毒で気の毒で・・。
アンブローズがあそこで撃ったのは明らかに過失だし、その点に納得いかないという意味で評価が悪いのも理解できます。
とはいえニックはともかく無実の人を2人もあやめ、子供まで誘拐してしまった後では、彼の破滅の終着点はあそこしかなかった気もします。
ニックのような男に出会いさえしなければ普通の人生を送れていたはずなのに、無念・・。
それに、そもそも今回心の緩みからニックに電話してしまったのは、マレッジブルーならぬ、ベイビーブルーの影響もあったのでは・・?という気も。
それにしても、初めから最後までマット・ボマーが素晴らしかったですね。
何の特徴もない平凡な男ジェイミーの身に起きた痛恨の悲劇に説得力を持たせてくれました。
ただ、最後の方で髪を切り身も心もニックと化した後の顔が、急に華丸大吉の華丸さんに見えちゃってねぇ・・。
やっぱ、無精髭があった方がいいわね。
そして、なぜあの時アンブローズは撃ってしまったのか・・ですが、ジェイミーに挑発されて抑えが効かなかったのだろうとしか推測できません。
それだけ彼の闇は深く、外部からの侵入を許さないのでしょう。
でも最後、泣いてましたね。
バーゼルには相当心を許してるのか・・。
ハリーはまた新たな重荷を背負ってフラフラ歩き続けるんでしょうね。(坐骨神経痛と共に)
その際、バーゼルが心の支えになってくれるといいですよね。
彼女はハリーをかなり理解してるようなので、いい関係が続くかも。
Sっ気あるしね。(そこ大事)
ミステリー要素はやっぱり欲しかった
とはいえやっぱり、ミステリー部分で物足りなかったのは事実ですよね。
私はてっきりバーゼルも過去にジェイミーと何かあったのかと思ってました。
やけに始めから「気になる、気になる」って言ってましたから。
なんのこっちゃない、彼の美貌と体でしょ?!という突っ込みは置いておいて、闇に引きずられ我を失っていく男にアーティストとして感じ入る部分があったのでしょう。
あと、大学のエピソードも要りました?
まぁ、2人ともよく似てたのでギリセーフでしたけど、別に驚きのエピソードもなかったので(説明にあった通りで)省いてもよかったくらいでしたよね。
逆に入れるなら、もっと意外性のあるものにして欲しかったかな。
それにしても、痛かったよ~~。
あの交通事故のニックですけど、もう見ていられなかった・・!
その部分でかなりの視聴難関をクリアしたというのに、その後、急にミステリー要素がしぼんじゃったので残念でした。
でも、別の面では面白かったので私はアリだと思います!
美しいマット・ボマーが完璧に演じたからこそ見れたわけなので、他の俳優さんだったら微妙だったかもしれませんが・・。
シーズン4に続くか分かりませんが、また本格ミステリー路線に戻して続けて欲しいところです!
ではまた~!
コメント
コメント一覧 (6件)
不気味でしたね〜、あのニックという男。ジェイミーはなんで言いなりになるのさ!?って思ってしまいました。あれは洗脳されてたってことですか?
前シーズンまでと毛色が違いましたね。ミステリー路線を期待してた人は、ガッカリしちゃうかも。個人的には見続けるのが苦しかったです。
(予想通りだけど)孫ちゃん怖い思いして可哀想でした。どうか健やかに育っておくれ。
ミステリー路線じゃなくてガッカリというのほ同感ですが、結構ジェイミーの変化についていけちゃったので、私もかなり病んでますね。笑
「洗脳」という言い方もできるかもしれませんが、ジェイミー自身がハマっちゃった感じかなぁ・・と思いました。
ニーチェ思想などをより所にした危険で反社会的な世界で自由を得て、アドレナリン噴出しまくった結果、その感覚が忘れられなくなったのかと。
子供の時から愛を得られず孤独に育ってきた為に、健常な世界で得られる幸福感をそのまま享受できない体質になってることも一因かもしれません。
最後の方で人を2人コロしてしまったのは、彼の中に埋もれていた狂気がニックとの一連の絡みでついに追い詰められ、顔を出してしまったのかなぁ・・と。
まぁ、想像ですが。
あの孫君も気の毒でしたが、ちょっと心配な部分もあるかもです。ジェイミーを殴るお爺ちゃんを見て興奮しちゃったそうなので・・。笑
今回のことがトラウマにならないといいですね。
初めまして!
シーズン1、2の宗教を背景にしたミステリーや心理学といった要素が好きだったので、3では急にそれらを除いた哲学思想に重きを置いた闇部分フォーカスが私としては期待外れでしたが、哲学やアート好きの人は高く評価しそうだなぁと推測しました。
細かい分かりづらかった部分をこちらの考察でわかりやすく表現されていて、それそれ!という共感となるほど!という発見で楽しく拝見させてもらえました。
私の考察では
最後のアンブローズ刑事が不必要にジェイミーを死に至らしめたのは、
ニックを放置したジェイミーと似た立場に立ってみたかったからなのかも..とも思えました
強く興味を持っていたジェイミーを理解するためなのか、自分も同じ状況に立った時の心境の変化に期待したのか….
いずれにせよ変態的で闇深かとは思いますが、登場人物全員が被害者のような作品でしたね
余談ですが、坊主後のジェイミーの既視感の謎が解けなかったんですけど
華丸さん説に思わずそれだー!!!!!と
爆笑しつつ、とてもスッキリしました!笑
また遊びに来ます!
mimiさん、はじめまして!
なるほどなるほど、mimiさんの考察もダークで奥が深いですね。^^
確かに変態的ですよね。一言で言えば過去のトラウマによるものなのですが、それが現在までにどうねじれ、アンブローズを変えて来たのか・・は恐らく本人しか知りえないところでしょうし。
S4も闇が深い感じでしたが、S3よりは前向きなエネルギーがありましたかね。^^;
華丸なんて私書いてましたか・・。汗
1年以上前に書いた内容はどんどん忘れてしまうので、お恥ずかしいです。笑
華丸さん…激しく同感です笑
きやぽさん、はじめまして!
ありがとうございます。
誰かを見ると、誰かに似てるなぁ・・と考えるくせがあり、同意いただけると妙に嬉しいです。^^;