Netflixの海外ドラマ「はかなき世界」を見たアニスの感想です。前半はネタバレなしで、後半はネタバレありで色々解説しながら突っ込んでます。
はぁ・・。凄いのを見てしまいました。
凄いと言っても、いい意味の凄いじゃなくて、ドン引きするほどヘンテコってことです。
Netflixで昨日から配信開始の「はかなき世界」はデンマーク製のミステリースリラーってことになってますけど、これスリラーかいな??
ドイツの傑作ドラマ「ダーク」に似てるのでは?と事前に騒がれてたのに完全に騙されてしまいました。
確かに暗くてどうにも救いがない・・という意味ではダークですが、ドラマの「ダーク」のとは違ったなぁ。(でも上の宣伝画像とか完全に意識してるでしょ?)
もうね、古臭~いオープニングクレジットの段階で「うーん、これは・・」とチラッと不安がよぎったのですが、結果的に見事に的中してしまいました。
それでも見ちゃったんですよ。
全6話を一晩で完走!
見進めるほどに嫌な予感しかしないのに、主演女優は演技派だし、各話40分ほどで短いし、毎回ラストには「ゲゲっ」とさせられるので、ついつい続きが気になり見てしまった。
そして、ラストもまぁやっちゃってくれましたよ。
「ほら~!だから不安的中やん!!!」
と自分で突っ込みながら夕べは寝ました。
一夜明けIMDbもさっそく6点台に落ち、現在6.4。(そりゃそうよね)
でも実はエピソードごとのレートは悪くないんですよ。8点弱あるので。
ただ最終回で一気に落ちてるので、やっぱり問題はラストかな。
今知りましたが、製作総指揮はピヴ・ベルントゥ (「THE KILLING/キリング」「THE BRIDGE/ブリッジ」だとか。
ほら、やっぱり~!造りはすごくしっかりしてるんですもん、引き込まれて見ちゃうってば。
問題はストーリーなんですけど、これがデンマークで人気だったポットキャスト「Equinox 1985」 が原作となっているそうです。
そっか~、ポットキャストだとまた違う媒体なのでこれでも人気が出るのかな・・。
それから、テーマなどを書くだけである程度ネタバレになるかと思いますので、「そんなヘンテコなドラマなら、一切の情報なしに見たい」という方はこのままページを閉じてNetflixへGOしてください。
いや、テーマくらい分かってもいいよ、という方はネタバレ無の感想も読んでいってください。
こちらはかなりおススメです↓
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「はかなき世界」予告編とあらすじ
21年前に21人の生徒が突然の失踪を遂げた。
自分の姉イダもそのうちの一人だったアストリッドはラジオに寄せられた謎めいた情報を頼りに独自の調査に乗り出すが・・。
「はかなき世界」ネタバレなしの感想
さっそく言っちゃいますと、完全なるオカルトでした。
1話まではまだ謎の説明段階なので希望が持てたんですが、2話以降からはエンジン全開でオカルト方面に突っ走ってしまいました。
もちろんオカルト自体を否定するわけではないですよ。
例えば同じNetflixの「The OA」なんて人間の強さや世界の真理を探るようなテーマ性が素晴らしかったし、私も大好きでした。
でも、こっちはアカンほうのオカルトじゃないですか?!
中盤の問題シーンに至ってはもうオゾマシイ!!の一言だし、ラストに関しても「ウッソ~!」と顎が外れるような締めくくり。
突っ込みどころが満載!というか、ここまで堂々と振り切ってると「もうボコボコにしちゃってくれ~!」という製作陣の潔さまで感じます。(そんな訳ないだろうけど。)
とはいえ、ヨーロッパならではの暗~いトーンで映像はしっかりしてるし、俳優陣はみんな演技派なんですよね。
見てると一瞬一瞬の世界観に引き込まれてしまうのも事実なのです。(トータルで見るとあれ?だけど)
ここで、軽くキャストを2人ご紹介。
主演のアストリッドを演じるのはDanica Curcicというデンマークの女優さん。
このドラマはほぼ、この方の演技に支えられたと言っても良いでしょう。
同じくヘンテコドラマの「ミスト」にミア役で出てましたけど、覚えてますか?
このアストリッドはラジオのパーソナリティをしてますが、ある日、姉の失踪事件についての情報が寄せられたのをきっかけに、何かに取り憑かれたかのように事件にのめりこんでいきます。
その様子が精神を病んだ者のようにも見えるし、罪悪感や喪失感に苛まれる妹の健気な姿にも見えるし、何かの超常現象に操られているようにも見えるという・・。
その辺の演技が絶妙でしたね。
失踪した姉イダの担任だったヘンリケ役にAlexandre Willaume。
「BELOW THE SURFACE 深層の8日間」とか、「THE HEAD」に出てる大御所(?)。
どちらもいい役者さんで見応えありました。
なのに、こんなラストなんだな~!
演技派達がしのぎを削っている画面と隙のない映像美、それとヘンテコ内容とがあまりに乖離していて、途中何度も変な気持ちになっちゃった・・。
それもあって、それでも最後には何かやってくれるんじゃないか?!という淡い期待があったんですよねぇ。
実はオカルトに見せかけて、逆に生々しいリアルなオチが待っているのでは?なーんて・・。
もちろんなかったけど。
というわけで、さっそくネタバレ感想行ってみましょう!
なにしろ、これを書いてるのはこのドラマをお勧めする為ではなく、全部見ちゃった人達と色々突っ込みどころを共有したくてですから!
それと、あれのどこをどう解説するんだ?って気もしますが、一応気が付いた事実なども入れていきます。
*ここから先はネタバレ感想と解説です。
「はかなき世界」ネタバレ感想とラスト解説・考察
もうなんなんですか?
21と22と23て・・。この微妙~な数字は。
だから何なん?感が強すぎて「うわ!」と来ない。
春分(Equinox)とか秋分とか・・、「私の誕生日が9月23日だわ!」って、だから何なの?
21年前に21人の生徒が失踪・・、
うーん、この偶然に驚けない私はオカルト向きじゃないのかな?
ちなみに、この20人の生徒たちは全員巻き添えってことですよね。
全然関係ないのにイダがウサギ人間の怒りを買ったせいで21年の時を奪われ、どこかの世界へ~。
そして最後に戻ってきてましたけど、年は取ってないのかな?(顔よく見えなかった。)
この20人の誰一人としてフォーカスして語られることがなかったので、たいした感動もなく・・、もはやその辺はどうでもいいでしょうかね。
全員しっかりお帽子かぶってました。
最大のオチを整理する
イダとアストリッドは血の通った姉妹ではなかったものの、どちらもウサギ人間(君主と呼ばれてた)との契約で授かった子供のようでしたね。
そういう意味では2人ともあちらの世界からやって来た人間なので不思議な絆で繋がれていたと考えていいのかな?
アストリッドが「本当の親は誰なの?」と両親に詰め寄った時に彼らが答えに詰まっていたのも、悪魔との契約で貰ったので答えられなかったってことですよね。
でも、なんでそんなことするかな~。
というか、よくわからないのは父親の方ですよ。
そもそもあのオカルト宗教にハマっていたのは母親だけですよね?
実はイダがウサギ人間とxxになる場面で、母親がその場にいたのに気が付きましたか?
一瞬だし横顔で分かりにくいんですけど、これそうですよね?
あと、少女アストリッドに催眠術をかけ、トンネルの中でイダを探させようとしてたオバちゃんもいました。
つまり、この二人は始めからウサギ人間の崇拝者だったわけで、レナは18年契約でイダを預かったことになりますよね。
子供に恵まれなかったとのことですが、彼女はともかく、父親がどういう経緯で突然やってきた赤ちゃんを受け入れたのかが謎ですね。
ところが18年経ってみたら、やっぱり娘は返せない!
だから、その子供を返納するから見逃して~!ってことでした。
ともかくですね、
初めからそういう約束の元、今回のイダ妊娠までの流れになったとしたら、そもそもヤコブがヘンリケから本を盗んだ(?貰った?)段階から計画にあったと考えるべきで、ヤコブを使ってイダをあの島におびき寄せたのかなぁ・・と想像します。
ところがイダが勝手に堕胎してしまったので約束を果たせず余計にウサギ人間の怒りを買った結果、イダだけでなく21人ごとエイ!!となったわけです。(どういうわけ??)
その考えで行くと、アストリッドの方は9歳から21年経過して今30歳なので、30年契約だったってことですよね?
違うのかな?
なんだか母親は全然心配してる様子がなかったですけど・・。
相変わらずイダにご執心で。
そういう意味では同じ立場の姉妹のはずなのに、なぜ「イダ、イダ」だったんでしょう。
少女アストリッドが気の毒でなりませんでした。
大人アストリッドにドン引き!
何が酷いって、娘を置き去りはないでしょう!
仕事を2か月休んでるって話があったので、それくらいずっと元夫のところに置き去り?
「もうそろそろ戻るわ。」となり、空港に迎えに来た元夫と嬉しそうな娘ちゃんが待ちぼうけになるシーンでは胸が痛みました。
もう、こっちが「ゴメンナサイね~。酷いママで~。」ってなったわ。
もうあの時点で、アストリッド自身も親がどうこうって責められませんよ。
母親はともかく、父親は一生懸命守ろうとしてたし、そんな悪いことしてないでしょ。
毎回、彼女が父親に文句言う度に「自分はどうなんだ!娘のこと忘れてるだろ~!」と突っ込んでしまいました。
元夫もいい人そうだったのにね。
でも彼女は運命的な事情もあり、始めからこの世界にコミットすることができなかったのかな?
ウサギ人間の元に戻った2人
なんだか急展開で最後は締めくくられましたね。
え~っと、この姉妹の再会シーンて泣くところだったのかな?
私、全然泣けなかったんですけど、なんだか現実味がなかったからかなぁ・・。
そして、幸せそうな2人は手を取り合い、ウサギ人間の元へ・・。
2人とも白い衣装で、まるで花嫁のよう。
ゾゾゾゾゾ・・。
これを見て「あぁ、良かったわ~。お幸せに~!」となった視聴者はまずいないでしょう。
でも、一つ伏線になってるシーンがありましたね。
ヘンリケの家を訪れたアストリッドがヘンリケとの行為を妄想するシーン。
そもそも、このヘンリケとのシーンが丸ごと幻影だったようですが、こんな力を持つ男に狙われちゃったらもうお終いってとこですかね。
それとも始めから花嫁になるべく生まれてきた彼女たち(?)は必然的にウサギ人間に惹かれてしまうということ??
それと、あの島に行った4人の高校生たちも全員不幸な目にあってますよね。
関わったら一環の終わり!という恐ろしいウサギ人間。
21とか22とか23とか関係なく、ただただあの悪魔に睨まれしまったがために人生を棒に振った気の毒な高校生たち・・。
君たち、悪魔に関わっちゃ駄目だよ~。
という、教養に富んだ奥の深~いお話でした。
(でも実際のところ、彼らは始めから担任として潜入していたヘンリケに操られていたので、いずれにしても抵抗する術はなかったと思いますが・・。)
最後に細かいところを少し。
アストリッドがマウスピースを入れていたのは、寝てる時の噛みしめ対策だと思います。
ストレス過多だと噛みしめてしまい、顎や歯茎に負担がかかるんですよね。
それから、トラックに乗って町中を走って卒業をお祝いするのって北欧の習慣なんでしょうかね?
スウェーデンに旅行に行った時に、ストックホルム中で高校生たちがあの状態でした。
あと、子供向けの精神病棟に入れられたアストリッドと仲が良かった男の子のエピソードは酷すぎません?!
ノック2回って自分から言っておきながら、1回しか返ってこない時点でもう恐怖!
翌朝になると、窓から飛び降り自さつした形跡が・・って。
そんな状況を身近で体験することの方がよほどトラウマじゃないですか。
少女アストリッド、本当に可哀そうだったわ。
その後の人生も色々辛そうだったし・・。
でも、もういいのかな?
今頃はウサギ人間と姉と一緒に幸せに暮らしてるんでしょうか・・?
その辺がよく分かりませんが、まぁ、そういうことにしておきましょう。