*前半はネタバレなし、後半注意書き以降はネタバレありのアニス感想です。
BBCの海外ドラマ「ブロードチャーチ~殺意の町~」のシーズン1ですけど、実は以前に見たことがありました。
今回感想を書こうとサラーっと見直してみたんですけど、全体を通しても本当に良く出来てますね。
子供が被害者となる痛ましい事件なので、その家族の気持ちを想うとなんともやり切れず、涙なくしては見れないドラマになってます。
そもそもですね、子供を被害者にするってのはぶっちゃけ刑事物としては反則じゃないですかね?
だってドラマの設定として、これ以上の衝撃とむごさは他にないじゃないですか。
冒頭から母親が息子の遺体発見現場で泣き叫ぶ・・という、子を持つ親なら誰にとっても恐ろしく、胸をえぐる場面から始まります。
これを見て思い出したのが北欧のドラマ「ザ・キリング」で少女の遺体発見現場で父親が泣き崩れるシーン。
あの場面も衝撃的でしたが、それでも少女は高校生だったはず・・。
今回はなんと11歳の少年ですからね・・。一応、浜辺に横たわる少年の顔は映さない・・などの配慮はありますが、やはりこれは反則技と言っていいでしょう。
イギリスの美しい海辺の観光地を舞台に、皆が皆を知っているほど小さな町の村社会の中で、息苦しく生きる人々の葛藤と、悲しい殺人事件をめぐる騒動が描かれます。
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「ブロードチャーチ」登場人物とキャスト
この事件を追うエリーとアレックの刑事コンビ
私がどうしてもこのドラマを取り上げたかった理由がズバリこの人!!このオバちゃん!
凄くないですか?どうしてヨーロッパのドラマってこういうオバちゃんが主役を張れるんでしょうかね?
イギリス版、研ナオコ?
声も変だし、田舎の普通のオバちゃん感満載なのがま~素敵!
全然キレのない捜査官ぶりも見た目通りで、親近感だけは誰にも負けませんよ!
もう一方のアレックは逆に全く好感の持てないムッツリ上司。
おいおい、もう少し愛嬌ってものがないのかね~・・。と、途中から呆れてくるほど可愛げがない。
捜査が行き詰まると部下や周りに当たり散らし、そのくせ、自分が犯人を追う肝心な場面では息切れを起こして倒れてしまう・・。(心臓に問題を抱えている)
こんな上司は嫌だわぁ・・。
被害者家族のラティマー一家
右から被害者の少年ダニー、その祖母、父のマーク、母のベス、姉のクロエ。
このドラマが34.2%という驚異的な視聴率を出した人気の秘密は、イギリス中の注目と同情をこぞって集めたに違いない、魅力的なこの家族でしょう。
夫婦は15歳の時に出会って結婚したらしいので、さすがに若いし、ベスは綺麗!
想像を絶する悲劇をどう受け止め、どう乗り越えていくのか・・。
全編を通して、ラティマー家から目が離せない!
ちなみに、クロエの彼氏役を「ゲーム・オブ・スローンズ」のグレイワーム役で人気のジェイコブ・アンダーソンが演じてました。
それと一人寂しく生きる新聞配達店の男、ジャック役に同じく「ゲーム・オブ・スローンズ」のウォルダー・フレイ爺が・・。
「ゲーム・オブ・スローンズ」ってイギリス中のいい俳優をかき集めてるので、イギリスのドラマを見てるとチョコチョコ見かけますね。
「ブロードチャーチ」面白ポイントは?
小さな町の住民達は皆大きくショックを受け、警察だけでなく、誰もが犯人捜しに躍起になる訳ですが、一度そういう目で見始めると、この人もあの人も怪しく見えてしまうのです。
悲しみに沈む父親が実は暴力を振るっていた・・?
ボランティアに励むあの人が実は小児愛好者?
友達の振りして、実は裏の顔があった?
被害家族を励ます牧師でさえ怪しい・・?
一体犯人は誰なのか!?という興味と、それぞれの人生の裏にある悲しい過去にも心を打たれます。
小さな町で慎ましく生活する人々の壮絶過去がまた凄いんです・・。
必死に悲しみに耐えるラティマー家族にも心を寄せて見ずにはいられないし、もう涙、涙・・。
イギリス人のハートをグッと掴んだ大ヒットドラマは一見の価値ありです!
*これから先はネタバレありの感想です。
「ブロードチャーチ」のネタバレ感想・考察
犯人がかなり意外だった
そっか~、そこに来るか~・・と私は素直に驚きまくってしまいましたが、見ていて気が付く人はいるのでしょうかね?
今回このドラマは2度目だったので、犯人を知りながら見て行くと、なるほど~なシーンもありました。
例えばダニーの友達だったトムが事件のことを聞かされてショックを受ける中、彼の変態禿げ親父のジョーが息子の手を包んでさするシーンがアップで映されます。
奴のしでかしたことを知りながら見ると、キモいですね・・。
ジョーが逮捕されてエリーに会った時に、バカ面して
「ダニーを愛してた。こんなことになるなんて・・。トムに会える?」って聞いてましたけど、会えるかバカヤロー!!とばかりに妻エリーが蹴りを入れてたのがスカッとしましたよ。
さすが庶民派女優!ニコール・キッドマンじゃやってくれないでしょ、あの蹴りは!
この女優さん、オリビア・コールマンは実はゴールデングローブやエミーの助演女優にノミネートされたことのある実力派らしいのですが、ここまで見てくると彼女以外この役は考えられなかったなぁ・・と思わせるほどハマってますね。
エリーの悔しさ・・
でもね、彼女にとっては何とも皮肉で痛い現実が待っていたものです・・。
まさかの、まさか・・。
幸せで完璧な家庭と思い込んでいた、まさにその場所に犯人がいて、日々自分の息子達を世話していた訳ですからね。
しかも夫は小児愛好者だったって??!
それって妻的にどう受け止めていい事実なのやら・・。自己否定された気分にもなりましょう。
「夫が娘を暴行している事実に気が付かなかった」と言うスーザンに向かって「夫なのに気が付かなかったの?」とエリーは嫌味を言ってましたけど、まさにブーメランのようにその言葉が自分に返ってきてしまいました。
刑事としての能力はどうだった?
エリーとしては、さらにもう一つ「私は刑事なのに・・」というのが乗っかってるので、さらに辛い・・。
でも改めて振り返ってみても、このエリーとアレックのコンビはいいとこなしでしたね。
犯人逮捕に至ったのも、ジョーが保身に疲れて自ら名乗り出るような行動を取ったからであって(ダニーの携帯で小屋から電話した)、もしも奴がずっと身を隠す覚悟だったなら今だに見つからなかったでしょうね。
エリーはシャキシャキ愛想はいいけど刑事の勘は鋭くないし、アレックはカリカリしてるだけですぐ倒れちゃうし・・。
住民達の壮絶過去
新聞店の店主、ジャックの過去が悲し過ぎでしょ・・。
幼くして亡くした息子が恋しくて、少年団の男の子たちをハグしていた・・って胸が詰まる話でした。
その上町中の住民達から変態呼ばわりされ、リンチ状態。
長年自分の胸の底にそっとしまってきた悲しい過去を世間に暴かれ、新聞の一面に大事な家族の思い出が掲載されているのを見た瞬間、堪えていたものが崩壊し、心が折れてしまいました。
スーザンも壮絶過ぎ・・。
夫に長女をころされ、夫はその後刑務所で自殺。
自分も共謀していた嫌疑で次女の親権も無くし、妊娠中だった赤ちゃんは出産後すぐに取り上げられてしまうなんて・・。
これ以上の女の不幸がありますかね。(「ドキュメント女ののど自慢」に出たら優勝)
そんなスーザンは実の息子を探し出してコンタクトをとるものの、完全に拒絶され、またもや悲しい目に・・。
海辺のトレーラーハウスを後にしてどこかへ旅立ってしまいました。(犬が生きていたのが救い。)
それにしても、このトレーラーハウスのオーシャンビューがすごくないですか?世界一贅沢なトレーラーハウスかも?
わからなかったのが・・
それから謎のままだったのが(私がネタ明かしを見落としただけかも)、ダニーが郵便局員と言い争っていたとジャックが証言してましたけど、あれは何だったの?
それと、なぜナイジェはマーク達に内緒でダニーを連れ出して遊んでいたの?
マークが抑圧的なパパだったから息抜きが必要だったってこと?
そもそもマークはどれくらいダニーを殴ったの?本人は「一度だけ」と言ってたけど、それは事実?
「ブロードチャーチ」シーズン2は・・
もうそろそろネットフリックスでシーズン2も配信されるかな?
イギリスではシーズン1があまりに完璧な素晴らしさだったので、「シーズン2は要らなかったドラマランキング」に入るほどだったみたいです。
ちなみにアメリカでもリメイクがされたみたいですね。
「グレースポイント」というタイトルで、エリー役に「ブレイキング・バッド」のスカイラー役で人気を博したアンナ・ガン。
そして、アレック役にはイギリス版と同じくデヴィット・テナントが・・。
え!リメイク版に同じ俳優が同じ役を演じるって意味あるの?!
またリメイク版でも、あの苦虫を嚙み潰した顔を見たいとは思わないなぁ~。
こちらはシーズン1で打ち切り。
シーズン2の評判がイマイチだったのにも関わらず、イギリスのオリジナル版はシーズン3まで粘ったみたいです。
庶民派エリーが好きなので、なんだかんだ見たい気もしますね。