Netflixの海外ドラマ「このサイテーな世界の終わり」アニスのネタバレ感想です。
他に何も見るものがないので、なんとなく見始めたんですけど、意外と面白かったです。
予告編を見ると、キャラの立った高校生2人がかなり強烈で興味を引いたんですけど、
「若者向けのキテレツコメディかな・・?」と・・、「もし不条理ものだったら面倒なんで見るのやめよう」、と思って見始めたら、そのままサラッと最後まで見れちゃいました。
イギリスのドラマで1話20分の全8話。ポンポン早いテンポで物語が進むので、ダレなかったのが良かったですね。
それにちゃんと一貫したテーマ性もあるし、思いの外しっかり作られてました。
後半なんて毎回涙がにじんじゃってジーン、ジーンしまくり。
今も昔も変わらない、若者が感じる普遍的な閉塞感。苦しくてたまらないこのサイテーな世界・・!
それを打ち破って冒険に出かけた2人を待っていたものとは・・。
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「このサイテーな世界の終わり」登場人物
ジェームズ
自称サイコパス。人をコロすことばかり考えて、性欲はあまりない。
そんな彼がある日、アリッサから声をかけられ、なんとなく行動を共にすることに。
感情表現はほとんどなく、表情も乏しい、動きもギコチナイので、正直気色悪い男の子。
アリッサ
怒り心頭で爆発しまくりの少女。
何から何まで気に入らない!
でもジェームズのことはなぜか気になる。もしかしたら好きなのかも・・
レズビアンの女刑事。
アホな大人が多い中で、唯一まともな大人。
登場シーンではやけにオドオド不審な動きだったので、この人もコメディ担当か・・、とがっかりしたら、実はめっちゃキレる刑事だった。
彼女が差し出す救いの手は、果たして彼らに届くのか・・?
前半の物語はとにかくドタバタで、このジェームズもアリッサもやけに気味が悪い。
高校生とは思えないほど疲れた顔で、目の下のクマやほうれい線も気になるし・・。
「サイコパス」と「怒れる家出少女」は、ただただ無謀な旅でオイタをやらかし続けるのですが、こちらがウンザリする一歩手前で大きなネタ明かしがありました。
少しずつ分かって来る彼らの過去を知ってしまうと、段々愛着が湧いてきて、急に可愛く思えて来るんです。
そうなってくると、彼らの一つ一つの行動や言動に胸が締め付けられ、もう切なくって切なくって・・。
17歳とは思えないほど幼くて純粋な彼らを見ていると、すっかり気持ちはお母さんでした。
物語のトーン自体はかなり漫画チックで、悲壮感はないんですけど、2人の心の内を想うとなんともシビアなドラマですね。
ただ、究極なまでに孤独だった2人が出会い、お互いを知り、理解を深め、絆を強くするという過程が丁寧に描かれるので、見ていてほのぼの、感動的な場面もありました。
興味のある方はぜひ見てみてください。
*これから先はネタバレ感想です。
「このサイテーな世界の終わり」シーズン1のネタバレ感想
役者がすごい!
この2人すごくないですか?若いのに、この難しい役にハマりまくってましたね。
ジェームズのあの気持ち悪い体とか、いい味わいに曲がった脚とか、丈の短いジーンズに、あのすっとボケた顔とか、全部完全に狙ってたでしょ。
アリッサもちょっと曲がった前歯とか、豪快な顔立ちとかがまさにアリッサそのもの。
繊細な心の動きも絶妙に表現していたし、ジェームズは凍っていた心がだんだん溶け出して、自然な感情を取り戻す過程がなんとも感動的でした。
最後の方は全部ひっくるめて、2人とも本当に可愛く見えました。
あれ以外の終わり方はなかったの??
はぁ・・・切なすぎるわぁ・・。
大人ならね、ボニーとクライド的な最後でもいいですけど、まだ子供じゃないですか。
あーぁ、やっぱりジェームズは撃たれちゃったってことですよね。
でも、またなんで猟銃なんて持って走るわけ?走ってもいいけど、銃は捨てて走らなくちゃ!
にしても、最後はこれまで散々彼らを傷つけて来た大人にどうにかして欲しかったのになぁ。
唯一理解があって、頼りになりそうな女刑事はアリッサに簡単にノックアウトされちゃったし、あの辺からはちょっと予想外の展開でしたね。
うーん、残念・・。彼女に任せれば悪いようにはならなかったかもしれないのに。
でも、あの終わり方でないと「このサイテーな世界の終わり」のタイトルにはならないってことなのかな。
母の自殺シーンを目撃した小さなジェームズは、あそこから完全に時が止まっていたんですよね。
それがようやく動き出した途端にこれでは、救いになりませんて。
もう少し彼らの時間を刻ませてあげたかったなぁ・・と、ちょっと残念な終わり方でした。
それでもジェームズはよかったのかな?
アリッサはいつも「私たちは人をコロした」って話してましたよね。あれがジェームズにとってはすごく嬉しかったんでしょうね。
それに母親のことを話した時も、アリッサは直感的に自分が背負ってきた罪悪感を理解してくれました。
(アリッサも同じように父に去られたことで罪悪感を背負って来たから)
最後、ジェームズはそんなアリッサを守れたことでもう充分だったんでしょうかね。
海に向かって走ってる時の、迷いのない顔がなんとも印象的でした。
次はシーズン2の感想です。
「このサイテーな世界の終わり」シーズン2のネタバレ感想
は~、良かったよ~。
最後まで見て泣いちゃった・・。
中盤少し飽きてくる部分があったんですけど、最後はしっかり泣かせてくれました!
なんだかんだ癒し系なんですよね。
シーズン2の意義はあった?
各話20分程の8話構成という珍しい造りですけど、シーズン1は大成功を収めたこのヘンテコ青春ドラマ。
未来にこれといった希望も持てず、毎日を持て余し気味の若者の心情を、心に大きな傷を負ったジェームズとアリッサが代弁して大きな支持を得ました。
「でもさ、あの最後をどう繋げるの?」
「あれはもう完結で良かったんじゃないの?!」
というファンの疑問をシーズン2でどう跳ね返すのか?!
・・が楽しみだったわけですが、そこは意外に小さくまとめた印象でした。
S1の流れに忠実に、トラウマに苦しみ互いを求め合う2人の姿を丁寧に繊細に描き切った形。
正直なところ、もう少し彼らを積極的に動かし、感情を爆発させるようなシーンがあってもよかったのでは?なんて思ったりもします。
何かを必死に求めて、叫んで、ぶつかり合う!みたいな・・。
でも彼らは常に受け身で、ある意味傍観者なんですよね・・。
今どきの若者ってそんな感じなのかしら・・。
ジェームズなんて自分が言うセリフも俯瞰で見てるし、アリッサもまずはジェームズ次第で自分から発信することがないし。
自分から動くことで失敗したり、傷ついたりするのが怖くて仕方ない。
そんな二人が3人目の傷を負った女性に出会うことになるのですが・・。
(2人が動かないから、別のキャラに動いてもらうしかない!)
強烈!ボニーの存在感!
表面的にはふてぶてしい狂気を含んだ女ですが、実は酷い虐待を受けて育ち、父親にも出て行かれたという悲しい過去があるボニー。
愛されずに育ったことで心に深い傷を負い、愛欲しさに人を傷つけてしまう。
母に目の前で自殺され、唯一愛してくれた父を亡くしたばかりのジェームズ。
父不在で育ち、母からはネグレクト状態だったアリッサ。
そして、このボニー・・ということで、三人はある意味似た者同士。
何か互いに感じる物があったのか、ボニーもなかなか手を下さないんですよね。
そして、最後のレストランでの修羅場では、事情をよく知った後で絶望し、ボニーは自分に手をかけようとするのですが・・。
ここでジェームズとアリッサが迷いなく止めに飛んだのが素晴らしい!!
常に受け身で一歩引いて生きて来た2人が、珍しく迷いなく取った行動ですよ。
自分達と同じくボロボロになった彼女に寄せる気持ちが半端ない!
あのシーンを見て、あぁジェームズとアリッサはこれからも2人で上手くやっていけそうだ。
と思った訳ですが、そんな未来の希望まで感じさせる瞬間でした。
ジェームズに泣けた
今回はジェームズのパパが最高に良かったですね。
あれだけジェームズを心配しながら、突然の心筋梗塞はなんとも残念・・。
(ミュージカルが好きって可愛い~。)
そんなパパの遺灰を大事に抱えてるジェームズを見るだけでジーンと来るし、パパの愛情の深さをいつまでも感じさせる演出でした。
シーズン1のジェームズってなんか結構怒ってた印象もあるんですけど、今回はただただ可愛かったですね。(それも成長の証かな?)
遺灰持って不安気に歩いているシーンだけでも母性本能をくすぐられちゃう。
しかも、最後に遺灰を巻くシーンがまたブラックに味気なくて最高。
両親が出会ったというかつての公園は今は高速が出きて跡形もないという・・。
遺灰もドロドロになってたし、どこまでも笑いに変えますね。
ところで、ジェームズ役の俳優さんて、ちょっと口元がヒュー・グラントに似てませんか?
もちろん美形度は全然違いますけど、なんか雰囲気がちょっとカブる部分があって、イギリス人から愛されそうなタイプなんですよね。
泣ける・・。最後に一歩を踏み出した2人
なんだかんだ、あの二人が互いの傷を理解しあい、支え合い、愛し合う様子を見てると涙が出てきちゃう。
なに?あの最後の可愛らしい終わり方!普通にロマンチックじゃないですか?
憎い~!
ファンの期待にお応えますよ~!という製作陣の正攻法に見事にやられました。
アリッサから「私も同じ気持ちよ」と、告白された時のジェームズのあの顔!!!
!!!!
も~~!こんな表情ができる役者がミスター・ビーンの他にいますかね?!
最高過ぎて泣き笑い・・。
ジェームズに生活能力があるのかどうかが不安ですけど、アリッサに葉っぱを懸けられたらさすがに動くでしょう。
っていうか、この2人が普通に結婚生活を送ってる姿が全然想像できないんですけど・・。
それにしても、アリッサの婚約者の彼がまた気の毒過ぎて見てられませんでした。
シーズン3があるとするなら、いっそのこと彼の話でいいんじゃないですか?
笑顔が可愛くてファンになりましたよ。
あと突っ込みたいのが、食事シーンが出てきてもいつも食べずにどっか行っちゃうんですよね。
相当お腹空いてるはずなんですけど・・。
普段の食事とか、ジェームズってどうしてるんでしょ。
「このサイテーな世界の終わり」シーズン2の評価は?
Rotten Tomatoesの評価ですが・・、
批評家 | 一般 | |
シーズン1 | 93% | 87% |
シーズン2 | 91% | 83% |
とシーズン1とほぼ変わらない。
大体続編はポイントを下げますけど、これくらいの下げ幅なら上出来ではないでしょうか。
私の率直な感想は、
- S2の方がこちらも2人のキャラを理解し、すっかり感情移入しちゃってるので見やすかった。
- だけど、動きが小さくて少し中盤飽きた。
- でも最後は全てをまとめる形の癒し系で、結局感動した・・。
- 全体的に良く出来てたなぁ。
という感じでした。
「このサイテーな世界の終わり」シーズン3は出来るのか?
シーズン3が出来るかどうかはまだ未定で、ショーランナーも分からないと言ってるそうです。
ただ、今回で彼らは19才でしたっけ?
ティーンを描くドラマですけど、シーズン3があるとすれば確実に20代に突入しちゃうますからね。
私的にはもうこれで完結でいい気もします。
「このサイテーな世界の終わり」シーズン2の爆笑NG集
めっちゃ可愛い。
皆、本編より表情が生き生きで楽しそう!
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