Netflixの海外ドラマ「ナルコス」シーズン2のアニスのネタバレ感想です。
面白かった~~~!!!!
シーズン2も1に次いで全10話があっという間!
しかも今シーズンはドラマ性も人間描写もさらに分厚く膨らませてあって素晴らしかった!!
シーズン1では遠い国コロンビアのとある時代に起きた壮絶な麻薬戦争の黒歴史をボンボン説明される感じで、「うわ~・・・」っと、ちょっと引き気味に傍観してしまう部分もあったのですが、そこを今回は修正してきましたね~。
もう登場人物たちの戦いに感情移入しまくりで、ぐぐーっと物語の中にのめり込んでしまいました。
熱くなったり恐ろしくなったり、はたまた同情したり悲しくなったり・・。
ここまで見てくると、
「シーズン1はこの2への序章として上手く機能しているわ~。ここに語りたいことが全て集約されてくるのね!」と、その組み立ての上手さにも舌を巻きました。
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
マーフィーを「ナルコス」の主役にした写真
マーフィーが主役だった理由は最後のシーンを見て分かりましたね。
彼が最後にエスコバルを仕留める訳ですけど、まぁどちらかと言えばたまたまその場所に居合わせた感が強く、それほどドラマチックな運命や必然性を感じる結末でもありませんでしたけどね。
でも現実って、そんなものなのでしょうね。
ちなみに、あの屋根の上での銃撃戦ですけど、本当にエスコバルを仕留めた場所で撮影したそうです。
うわ~、本物のマーフィー、普通のオッサンやん!!
しかも本当に赤いポロシャツ来てる~!劇中でもよく着てましたよね。
トルジーロは大事な瞬間に下向いちゃってるわ。
こんな場面を記念撮影するなんて、当時のコロンビアだから許されるんでしょうね。今じゃ考えられないわ。
このドラマはどこまでが真実でどこまでがフィクションか分からないような作りになってた訳ですが、この時にペーニャがいなかった背景にはやはりロス・ペペスとの関わりが本当だったのかしら・・。
でも悔しかったでしょうね~。長年の敵を追い詰める直前にアメリカに帰されてしまうなんて・・。
この時の写真に写っていればペーニャの方が主役になっていたのかな。
ちなみに最後、ペーニャがいたアメリカのバーでチラッと映った男性2人が乾杯するシーンがありましたけど、この方たちが実際のマーフィとペーニャの現在のお姿だそうです!
たぶん、こちらがマーフィー。
こちらがペーニャ。
ふーん、ペーニャって南米顔じゃなくて、普通に白人の方に見えますね。
二人とも口髭が当時の名残を感じさせるな~。
「ナルコス」シーズン3はペーニャが主役!!
きっと私のように「ペドロ・パスカルが演じたペーニャの方が主役級でしょう~!あの貫禄と哀愁がたまらないわ!!」という視聴者が多かったのでしょうね。
次のシーズンのカリ編ではマーフィーは完全に姿を消し、ペーニャが語り手となって主役に昇格します!!
でもですね、実際のペーニャはこのカリ編の時点にはアメリカに帰国していてコロンビアにはいなかったそうなのです。
という訳で、シーズン3に関しては大方がフィクション。
カリカルテルの運命に関しては史実に即しているかもしれませんが、ペーニャに関するエピソードは全部ドラマ用の創作になるようです。
なるほどね~。
できるだけ史実に基づこう、最後にはあの強烈な写真を使おう!と(恐らく)考えた結果、エスコバル編では「普通のおっさん」マーフィーを主役に据えてしまうという小さなミスを犯しましたからね・・。
さらに、役者のボイド・ホルブルックがベビーフェイスなうえに貫禄もイマイチで、普通の兄ちゃんに見えちゃったしね。
もう少しペーニャのように、その苦悩と執念の伝わる役者さんだったらなぁ・・。
ただ、このお陰で結果として怪物パブロ・エスコバルがより強烈にその存在感を表せたとも言えますかね。
もちろん、演じたヴァグネル・モウラが素晴らしかった!!というのを特筆すべきでしょう。
シーズン2の後半はエスコバル本人とその家族に徹底的に詰め寄り、ドラマチックに盛り上がりました!
「ナルコス」シーズン2のネタバレ感想
エスコバルの素顔へ迫る!!
なんだか泣いちゃいましたよ・・。
ずっとエスコバルの狂気に追随する「おバカ家族」を描いてきましたけど、彼らも子供を守ろうとする親であり、夫の無事を願う妻である訳ですよね。
ドイツに亡命しようとして送り返された時の切なかったこと!
「政府もアメリカチームもそこは逃がしたれよ~!」って思いましたけど、結果的にはこの決断が吉と出ましたからね。
妻の機転で無線を取り合ったことが仇となった形でしたが、この無線のやり取りにも泣けたなぁ・・。エスコバルも家族想いなのよね。
それと妻役の女優さんと母親役の女優さんが共に素晴らしかった。
女2人に漂う微妙な緊張感もよかったわ~。
秀逸!!父の登場!!
孤独に慎ましく山奥で生きる「父」が多くを語りましたね。
エスコバルの出世欲、権力欲がこうした生き方に固執する父への反発から来るものであったこと。
同時に、父とは違う道を選び大物となった自分を誇らしく思って欲しいという切なる願いもあったこと。
エスコバルの暴力的な側面の反対側にある家族への愛や誠実な子分らに対する優しさは恐らくこの父から受け継がれていること。
この局面に来て、真っ当な人間がエスコバルの父として登場し、その苦しい心情を本人に吐露したことで、初めてこのドラマのズレ切っていた枢軸がガチっとまともな位置に引き戻された感がありました。
(息子をどこまでも妄信的に信じ続けた母とのコントラストも鮮やか!!)
それから、美しい田舎の風景と緩やかな時の流れが終焉に向かうエスコバルをドラマチックに捉えていましたよね。
皮肉にも暴力とは縁のなかったリモンが最後の子分となっての逃亡劇も哀愁たっぷりだったなぁ。
リモンが完全にエスコバルの洗脳下に・・。
それにしても、あれほど守ろうとしていた幼馴染のマリッツァをころしてしまうなんて残念過ぎる!!
しかも幼い娘の前で・・。
あの子は一体どうなるのかしら・・。酷過ぎでしょう!
リモンのような男を完全に洗脳して狂わせてしまうエスコバルのカリスマと狂気が改めて恐ろしいですね・・。
「ナルコス」はやっぱり役者が素晴らしい
南米の俳優さんたち、凄すぎません?
演技自体がまっすぐで、変なエゴを感じないのですよ。
対して、最後に出てくる次のシーズンのボスらしきアメリカ人。
ペーニャにカッコよく「カリの何を知っている?」と聞く人ですけど、「あぁアメリカ人の俳優だ~。気負い過ぎ~」とその違いを感じました。
彼らの熱演あってこそ成り立ったドラマですけど、本当に全員が良かった!
エスコバル側の家族に、従兄のグスタボ、身勝手な子分達や誠実なリモン!
コロンビア大統領や特殊部隊でマーフィーたちと戦う兵士たちに至るまで皆さん最高でした!
カリージョも忘れちゃいけない!!
あのやられ方は悔しすぎる~~!!!
くっそ~、エスコバルめ~~!!と怒りも爆発!
スペインにあるコロンビア大使館で電話を受けてシーズン2に再登場した時はカッコよすぎて痺れましたけどね。
ただなぁ・・。エスコバルを挑発し過ぎちゃったのかなぁ・・。
自分が帰ってきたことを知らしめるため、とマーフィーの語りでも何度も繰り返してましたけど、そもそもその必要があったんだろうか。
少年をころし、子供に銃弾を渡してメッセージを届けさせるなんてね。
むしろ、自分のことを隠して突然強硬策に打って出て驚かせ、ボロを出させるほうが得策だった気もしますけど・・。
エスコバルは怒らせると反発してさらに犠牲者を出すことになるというのは長年の経験から知ってたはずなのに・・。
ドラマ全体を通してですけど、常に熱い男の意地と冷静な駆け引きとのバランスが勝利への鍵になってましたね。
とはいえ、エスコバルのシマを横取りし実力部隊を壊滅に追い込み、最終的に無一文にまで追い込んだのは実際にはコロンビア政府でもアメリカチームでもなく、カリカルテルだったというのが少~~~~~し残念ですけどね。
という訳で、次のシーズンに描かれるカリカルテルはエスコバルよりずっとスタイリッシュで冷静な頭脳を持つ悪党ども!
ペーニャとしてもあの怪しい男に言われていたように「幼稚な戦略」では相手に先を越されてしまうでしょうね。
エスコバル編とはまた違った戦いになりそうで今から楽しみです。
ヒルベルトやパチョといった強烈な悪役がまだたくさん残ってますからね~。
カリカルテルも全滅だ~~~!!!
【おまけ】
私エスコバルが着てるダサいトレーナーが妙に気になってたんですけど、皆さんどうでした?
ぽっこりお腹に子供のようにモサっと来てるトレーナーにはいつも真ん中に変な絵柄が描いてあるんです。
その一つに、こんなのがありました。(自営刑務所からの逃亡時)
そして9話で、牧場で父親の手伝いをして働くエスコバルがロープを結んでいて父親に褒められるシーンがあるんですよね。「カウボーイ式か?よく結んである。」と言われて嬉しそうな顔をしてましたが、それってこの結び方だったのかな。
よく漁師の結び方とかありますけどね。それかマフィア式の結び方とか・・?
私にはそのメッセージが読み切れませんでしたけど、この辺にこだわってまた見ると面白かったりして・・。