*前半はネタバレなしのアニス感想で、後半はネタバレ全開でたっぷり突っ込んでます!
さてさてようやくhuluで配信されました「トップオブザレイク」のシーズン2に当たる~チャイナガール~!
待ってました~!
前作のNZ編~消えた少女~から4年、今度はお隣オーストラリアのシドニーに舞台を移し、再び性欲と私欲にまみれた男と女の物語を生生しく描きます!!
いや~、今回もフェミニスト代表のジェーン・カンピオン節は相変わらずで、ウンザリするほどダメ男、クソ男、キモ男のオンパレードでしたね。
そしてもう一つ前作と共通していたのが、妊娠、胎児に対するこだわり。
まぁ、フェミニストとして女を掘り下げて描こうとした時、男との一番の違いは妊娠し、出産するという体の作りの違いでしょうからね。
ところが、カンピオンはこの「出産の喜び」の方にはあまり目を向けず、
いかに子供を望む女性にとって妊娠することが難しく、いかに望んでいない女性が(性被害などで)偶発的に妊娠してしまうのか、という憎々しい現実の方に焦点を当ててみせています。
シーズン1はこちら↓
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「トップ・オブ・ザ・レイク~チャイナ・ガール~」 登場人物とキャスト
主役はこの方エリザベス・モス演じるロビン・グリフィン刑事。
あれ?前作でようやく幸せを掴んだはずなのに、なぜまた例の固い顔?
以前のように心も閉ざしてしまったのか・・。
という謎もしっかり説明されます。
ニコール・キッドマンはロビンがかつて養子に出した娘の母親役でした。
ボサボサのグレイへアから、前作ホリー・ハンターが演じた「妖怪枠」か??と一瞬思いましたけど、意外に普通の人でした。(ただホクロつけ過ぎだって!何のこだわり?)
ロビンの同僚ミランダを演じるのは、「ゲーム・オブ・スローンズ」のブライエニーでお馴染みグェンドリン・クリスティー。
さすがに大きい!でも可愛らしさ全開で、愛くるしいキャラになってました。
適度なボケ感もあって好感度◎。
理解不能な年の差カップル。
ロビンの娘メアリー17歳と、チンピラ親父のプス(アレグザンダー)41歳。
気持ち悪い・・。娘を持つ親にとっての悪夢。
一体どういう仕組みでこんなことが起きるのか・・。まさに世にも奇妙な物語。
「トップ・オブ・ザ・レイク~チャイナ・ガール~」率直な感想は・・
ジェーン・カンピオンの世界観は独特で、妙な静寂とこの世界に対する(特に男に?)そこはかとない嫌悪感を感じるんですよね。
ただ、それを上回る女性達の力強さと、くじけずに前を向き続ける高潔さみたいなものがこれを帳消しにしようとするんですけど、これに関しては前作の方が成功していたと思います。
今回は少~しそれが弱かったかな。
でも、今回の方がテンポよく色々事件が起きるので、1話目から最終話までどんどん見進めることができて普通に面白かったです!!
全6話で見やすいし、これだけ色々と切り込んでくれたら充分でしょう!
もうお腹いっぱいだわ・・。
(ただなぁ・・、偶然が多すぎるよね。それについてはこの後のネタバレ感想で・・)
*これ以降はネタバレ感想です。
「トップ・オブ・ザ・レイク~チャイナ・ガール~」のネタバレ感想
うっそ~ん!な〇〇の復讐劇!(ネタバレ)
いや~、アルですけど、びっくりしたわ~!
まず驚いたのが5年前に撃たれて半身不随になったにも関わらず、謎の女性と結婚していて息子が2人もいたこと!
あれま、独身貴族じゃなかったの?しかも長男が結構大きそうだったから、それこそ事件の後すぐに結婚・出産となったようですね。
そのくせ、家族を顧みないような無謀な行動でロビンをコロそうとしてたし!!
それにしても、アルのロビンに対する気持ちって一体どんなものなのよ??
それこそ「愛憎」の濃い~ヤツが5年分渦舞ているんでしょうかね。
自分は刑務所行きになるのを承知で、それでもロビンをコロさずにはいられなかったってことですよね。
せっかくコネで不起訴になったのに、その件に関しても自分が有罪であったのを証明するような行動をとるってクレイジーでしょ・・。
ロビンへの憎悪で何も見えなくなってる状態なんでしょうね。それにしては冷静なのが恐ろしかったけど・・。完全にサイコ入ってましたね。
エンディングが弱かった?!(ネタバレ)
1作目はなにしろ誘拐事件がテーマでしたからね。
最後の最後まで「トゥーイは無事なのか?」という緊張感と興味が尽きず、しかもトゥーイを守ろうとした少年が無念にも亡くなるという泣きの場面もありつつ、さらに終わり間際には目を疑うような衝撃事件が!!という怒涛のクライマックスでしたよね。
あの衝撃を期待して今回を見てしまうとさすがに今回の「チャイナ・ガール」は最終回が物足りなかったですね。
大体、よく分からないのがあのベビーフェイスの彼が突然無差別殺人鬼に変身してしまうところ!
架空の恋人をコロされたプスへの恨み!にしたって、プス以外の人間をコロし過ぎでしょ!しかも肝心のプスはコロさないし!
それにこの彼のソープ研究会みたいなグループのオタクどもですけど、あそこまで酷いと、もう男そのものに対する悪意と憎悪を感じます・・。
堂々真昼間から喫茶店の真ん中で卑猥な画像を吟味し、女の子たちの品評会ですよ。
キモ~~~!!の連続でしたけど、あの中ではまだマシな方だったベビーフェイスの彼対しても最終的にはあんな描き方ですからね。
「アホでしょう~、男なんて性欲の固まりで頭の中はそれだけだから!関係を持った彼女が消えただけで銃をぶっ放すほどなのよ。」
という・・。
そんなバカな・・。
だって、この彼にしたってプスが彼女をコロしたという確証はなかったはずだし、これもただの妄想でしょ?
優しそうなお母さんだったけど、彼を追い詰めるような状況が他のどこにあったの?
なぜボンダイビーチに隠れるの??(ネタバレ)
ただでさえキャラ設定が不可解なこの彼ですけど、最後どうしてまたあんな人がごった返すビーチに隠れようとしたんだろ?
あんな段ボール、風が吹いたり、誰かが「邪魔」ってどけようとしたら終わりじゃないのね。
それを飲み食いなしに前夜からあんな風にスタンバってたって、もう意味不明な上に目的が分からない!海水浴客たちに囲まれてどんだけ一人スリリングなのよ!
〇〇の生死は?(ネタバレ)
で、ついにはミランダが撃たれてしまうし!!
どうしてなの~!
一人目の被疑者に対しては大勢でガシっと身動き取れないようにしてたのに、なんで奴に対しては焦ってしまったの?!
悔しい!せっかく赤ちゃんに会えるかも・・という希望を持てた所だったのに!
お腹を撃たれ病院に運ばれたミランダですけど、キモ上司で恋人のエイドリアンが「今夜が峠だ」って言ってましたね。
そして、結局最後まで彼女が助かったかどうかは教えてくれず・・。
気になるわ~。
濃くてねちっこいキャラが多いこのドラマの中で、彼女だけは爽やかで愛らしいタイプでしたもんね。
次のシーズンで教えてもらえるのかな・・。
無理な設定と偶然が多すぎる(ネタバレ)
とはいえ、ミランダにしても不倫相手のエイドリアンと子供を作ろうとした末に、代理母に依頼するという凄い決断をしてますからね。
そもそも不倫相手と不妊治療に通う所からして想像できない!
日本だと、クリニックで体外受精の前に、両親の同意書みたいなのに署名したりしますけどね。
しかも、「代理母しか無理だ」という結論に至るには相当長い期間治療を続けたのにも関わらず成功しなかった・・、あるいは、不育症などの特別な理由がないと至らない決断だと思うんですけど、その辺の説明は一切なしなんですよね。
そもそも、事件の被害者がセックスワーカーで、彼女が働いていた場所にはプスがいて、プスの彼女がたまたま自分の娘で、って偶然多すぎますよね?
その上、その〇〇宿では代理母商売も秘密裡に行われていて、たまたまそこにはミランダやエイドリアン達が頼んだ代理母もいる。って、どんだけ世間が狭いのよ?
皆が皆、あの〇〇宿に繋がるというのは無理があるなぁ・・。
しかも、最後たまたまロビンとパイクがお茶してた場所がプスの家だったなんて、そんな偶然ある??
プスの妻リディアはこの方(ネタバレ)
皆さん、気が付きました?
結構早い段階で、脚の不自由なこの女性がプスを平手打ちするシーンがありましたよね。
あれは後になって分かるんですが、若い彼女を平気で連れてきた夫に対して怒ってたからですよね。
ということは、あの可愛い男の子はプスの息子??
家族三人、あの場所で暮らしてるようでしたね。
ますます人間のクズですわ、あの男。
〇〇が理解不能過ぎて最後が「ん??」(ネタバレ)
プスですけど、なぜ妊娠した代理母たちをタイに移動させようとしてたんですかね?
場所が突き止められ捜査の手が入りそうなのを察知して、事前に逃げたってこと?
金は後からタイで回収しようとしてたってことかな?
それとも、ただ奴の悪意で子供を欲しがり金で彼女達を利用としていた夫婦達を失望させ罰しようとしていたってこと?
それにしても、メアリーはあんなくだらない男の何に惹かれて離れられなくなってしまったのか・・。
せめて顔がイケメンだったら分かるけど、全体的に汚らしい上に顔もブス・・。
もうこれは催眠術か何かにかけられたか、オウムのようなカルト集団の教祖的手法を用いられたのか・・そんなところでしょうか。
でも、メアリーは最後の最後に目を覚まして自分で正しい道を選びとることができましたよね。
・・ただ、遅いわ。
そこで気が付くなら、〇〇婦にさせられそうになったところで気付いて欲しかった。
しかも、最後にジュリアを「ママ」と呼ぶなら、そのシーンも感動的に仕上げてちゃんと見せて欲しかったな。
なんとなく食傷気味だったのは、そんな部分のサービス精神のなさですよね。
ロビンとパイクの恋の行方もわからないし、レズに走ったジュリアが何を欲してるのかもピンと来ないし・・。(あのレズ相手のオバサン、鼻に付いたわ~)
最後はロビンの孤独が協調された感じで終わってしまいました。
あ!そうそう!肝心の事件に関しても、そもそも殺人事件なんてなかった!自殺だった!そうで、「そんなのアリ?」という反対方向に衝撃的なオチでしたよ!!
うわ~、これはイカン!
他に色々要素が多く詰め込まれてたので、うっかり一番大事な事件のことを忘れてましたけど、これは絶対イカンでしょう!
まともな男はいないのかい??(ネタバレ)
このドラマを見てると、ずーっと痛感させられるのが、これですよ。
前作で唯一「イイ男」として描かれたジョナのあの落ちぶれ方!!!酷いでしょ!!
私結構好きだったのに~!
「結局ね、その時にはよく見えても所詮は男だからね・・。5年後にはこうなるのよ。フン!」
というカンピオン女史の鼻息が聞こえてきそうです。(知らんけど。)
そんな中でも、比較的に扱いがいいのはゲイの男たちでしょうか。
前回トゥーイを守ろうと犠牲になった男の子もゲイだったし、今回いいタイミングでロビンを慰め、常に理解を示してくれた解剖医のあのオジサンもゲイでしたよね。
それ以外で良かったのはパイクですけど、彼は優しいを超えて、もはや「マゾ」の域に達してるのでは?と疑ってしまうほど耐える男でしたね。
娘の反抗に耐え、フェミニズム妻の勝手に耐え、それでもいつか二人とも自分の元に戻ってくると願い続ける健気な男・・。
職場で恋に落ちた女性とはキス1時間でお別れする・・という演歌のような忍ぶ恋。
この彼も次のシーズンでは変な落ちぶれ方をしてしまうんでしょうか・・。
それとも、ロビンと幸せな家庭を築いているのか・・。
シーズン3があるのかどうかも分かりませんが、あるとしてもまた何年か後になりそうですね。
また情報が入り次第、こちらに追記しておきますね。
『CINEMADDICT』洋画・海外ドラマを好きなだけ♥さんも面白い感想書かれてらっしゃいます。
【海ド】「トップ・オブ・ザ・レイク チャイナガール」(全6話)【エリザベス・モス主演】