海外ドラマ「ダメージ」のアニスのネタバレ無感想です。
日本では海外ドラマランキングに入ってくるような派手な人気がないグレン・クローズ主演の「ダメージ」ですが、見てない方いたら絶対におすすめできる質の高いドラマです!
実際、グレン・クローズはこの作品でエミー賞主演女優でのノミネート常連でした。
受賞も2度してますし、ゴールデングローブでも1度受賞。
また作品賞もノミネートされてますし、脇を固めてきた俳優陣も軒並みノミネート。(シーズン3までですが)
それだけ全体的な評価が非常に高いということですが、なぜか日本ではそれほど騒がれたドラマではないですよね。
まぁ想像するに、「主演グレン・クローズ・・」という時点であまり引きがないのかなぁと・・。
有名な映画女優とはいえ、おばちゃんですからね。顔怖いし。
それにイケメンの若い男があんまりいないかも・・。揃いも揃っておじさんばかり。
題材的にも派手さがなくて、一見難しそうで弁護士という職業も地味です。
ところが実際に見てみると、熟練の俳優陣の演技バトルにぐわ~っと引き込まれ、あちこちに仕掛けのある脚本にしてやられ、先を見ずにはいられない中毒性の高い作品なのです!
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「ダメージ」の売りは最高の脚本と俳優陣!
キャストが最高なのは後で触れますが、なにより絶賛したいのが脚本ですね。
始めにとんでもない衝撃のシーンを垣間見せておいて、そこへたどり着くまでの過程を、現在と過去を行ったり来たりしながら明らかにしていくという凝ったプロットを使ってますが決して複雑ではありません。
なぜそんな事になったのか気になって仕方ない!→「先が見たい!」
の繰り返し。
またその過程でも、役者の表情やセリフなどから誰が何をしたのか・・というのを推測しながら見るのですが、いい意味でこっちの予想を裏切りながら、驚きのどんでん返しや意外な展開で楽しませてくれるわけです。
これは名優でないと演じきれないドラマですね。
登場人物達が敵をどんどん欺いていく心理戦が見どころですが、同時に見てるこちらも彼らの演技に騙されてしまい、「ところが実はこうだった!」というさらなる衝撃展開に驚かされてしまうのです。
「ダメージ」グレン・クローズとタイマンを張るローズ・バーンがいい
またグレン・クローズ演じるパティ・ヒューズに目をつけられ、その後の人生を大きく狂わされることになる新人若手弁護士のエレン・パーソンズですが、彼女を演じるローズ・バーンが最高!
こうしたベテラン俳優の向こうを張る若手俳優のキャスティングって本当に難しいと思います。視聴者の目を引くフレッシュさも必要だし、かといって演技もできなければいけないし・・。
同じように対ベテランで起用されたブラックリストのエリザベス役のメーガン・ブーンはジェームズ・スペイダーに対して弱すぎるし普通すぎると思うし、
リベンジのエミリー・ヴァンキャンプはマデリン・ストウの腹黒美魔女と張り合うには迫力不足でイマイチだったな~というのが個人的な印象です。
でもこのローズ・バーン、顔こそ地味ですが(美しいのに華がない!でもこの役にはぴったり。)内側から少しずつ滲んでくる強さがとてもいいんです。
実際、劇中でも少しずつ逞しくなっていき、最終的にはパティ・ヒューズに一目置かれるような存在にまで成長するのですが、この女優さんにもその強さを感じました。
腹が座っているというか、グレン・クローズ相手に一歩も引かない、というような覚悟と度胸を感じます。
実際彼女もノミネートされていますし、評価も高いです。
なんとなく見ていても、途中からエレンが何を考えてるのかわからなくなってくるんですよね。
始めはいかにも新人さんという無垢な感じでしたが、どんどんパティの汚いやり方を目の当たりにして、「そっちがそうなら、こちらもやるまで」と、自ら同じ土俵に立っていくわけです。表情変えずに冷静に・・。
「ダメージ」で脇を固める名優たち
それから各シリーズごとに、有名俳優をゲストに迎えて大事な役どころを演じきってもらう訳ですが、彼らの演技と破滅ぶりがまた最高です。
ウィリアム・ハートなんてなんだか久しぶりで嬉しくなりました。
テッド・ダンソンやジェリコ・イヴァネク、リリー・トムソン、マーシャ・ゲイ・ハーデン・・などなど。
書き出すときりがないですが、私が一番好きなのはテイト・ドノヴァン!
おじさんの域にまもなく入ろうか・・という微妙な年代ですが(え、もう入ってる?)、顔が好きなんですよねー。ちょっと熊系の可愛い感じが。
過去にサンドラ・ブロックやジェニファー・アニストンとも交際歴があるらしいです。
彼の身に起こることも衝撃的なので、見どころの一つになっています。
「ダメージ」の残酷さとは
それと、タイトルの「ダメージ」の意味ですが、色々含みを持たせているようです。
一人の人間の人生を簡単に壊し、恐ろしいほどの残酷さでダメージを負わせていくのですが、これを平気でやるパティが怖い!
自分以外の人間なんて息子も含め、鼻くそほども気にかけていませんから。
昨今、海外ドラマでも残酷な描写というのが流行っていますが、「ウォーキングデッド」や「ゲーム・オブ・スローンズ」などは肉体的な部分での残酷さですよね。
でも、このドラマは精神的な意味での残酷さがすごいです。
心や人生にダメージ負わせます。
私が一番ビビったのが息子の嫁に対しての非情な仕打ちですね。そこまでやるか!と背筋ぞくぞく・・。
パティを怒らせたら一巻の終わりですよ。本当、怖いです、このおばさん。
だからこそ、この鉄の女に対して一歩もひかないエレンがあっぱれなんですよね~。
「ダメージ」のもう一つの怖さ
それからもう一つの恐怖は、成功した人間であっても、いかに簡単に堕ちていくか・・・を疑似体験できちゃうところです。
ふとしたきっかけで、誰でも持ち合わせる心の弱い部分から小さなほころびが生じ、ずどーーーーんと底まで転げ落ちていきます。
その時、自分ならどう向かい合うのか、逃げるのか、隠すのか、戦うのか、踏ん張るのか・・。
そんなこともテーマになっていて、人間のあらゆる側面を描いているのも面白いですね。
と言う訳で、色々見応えのあるドラマなので、この恐怖を体感したい方はぜひ見てみてください!