途中までネタバレなしのアニス感想で、後半はネタバレありの感想・あらすじ・考察です。
Netflixの海外ドラマ「ベター・コール・ソウル」のシーズン1を全話見ました。
ご存知「ブレイキング・バッド」のスピン・オフドラマということでずっと見たかったんですけど、実は少し前に見て1話で挫折しちゃってたんですよね。
でも、先日エミー賞を見て、なんだかんだシーズン1~3まで毎年エミー賞の作品賞にノミネートされてるし、主演男優や助演男優でもノミネートされてるし・・、と気になってやっぱり見直すことに。
結果、見て大正解!!!
「ブレイキング・バッド」のスピリットをちゃんと受け継いでましたよ!
久しぶりにこう、「らしく生きること」に焦点をあてた奥深いドラマを見れて嬉しいです!
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「ベター・コール・ソウル」S1第1話はつまらない
視聴者を振るいにかけるかのような、そっけない1話でした。
この”間”が分かる者だけ付いてこい!的な・・。
説明もあんまり親切でないので、パッと初めて見るとジミー(ソウルの本名)の状況がよく掴めない感じなんですよね。
なので、これから見ようかなと言う方はこれだけ知っていれば見やすいかと思います。
①冒頭数分の白黒シーンでのジミーは現在のもの。(どの時点を現在というかが微妙ですが、少なくとも「ソウル」と名前を変えて弁護士業をしていた時代を懐かしんでいるので、「ブレイキング・バッド」の時代よりも後かと思います。)
髭を生やし(変装してる?)、シナモンロール店で働いているが住んでいる家は結構きれいでそれほど堕落した様子もない。
【追記】
「ブレイキングバッド」の終盤、指名手配犯ソウルの新しい身分などを用意してくれた人消し屋エドとの会話で「運が良くてもシナモンロール店の店長だ」というセリフがありました。
そのまんま、現実化したようです。
②カラーに変わってから、このドラマが本格的にスタート。
時間軸は「ブレイキング・バッド」から6年前。
ジミーはしがない3流弁護士で、国選弁護人をしてなんとか食いつないでいる。
兄のチャックは有能なやり手弁護士で、巨大弁護士事務所HHMを創設した一人だが、現在は電磁波アレルギーで家に引きこもっていて外に出れない。
ジミーはこの兄の世話を1年も続けているが、家計も苦しく、自分の仕事も埒が明かないので、チャックに事務所を辞めて彼の持ち分を清算させるよう勧めている。
でも、チャックはいつか病気が治り、また復帰できる日が来ると信じているため、事務所を解体させる気はない。
そんなある日、横領の疑いを懸けられている夫婦がジミーに相談に訪れ・・。
と言う感じで、物語が始まっていきます。
この設定がパッと理解できて1話を乗り切れれば、後は見やすいです。
あ、でも「ブレイキング・バッド」の、ある日突然肺がんが見つかって・・というような「すごい設定の引き」はないですね。
日常の些細な出来事が次から次へと面白い方向へ転がっていく・・という展開の仕方なので、始めがつまらないのを我慢すれば、その後は10話までノンストップで見れると思います!
段々ジミーが好きになる
正直ソウル(ジミー)は、「ブレイキング・バッド」の時はあんまり好きじゃなかったんですよね。
キンキン声で喚くのがうるさいだけで、それほど魅力的にも描かれていなかったしね。
ただ、このドラマを見てるとジミーの落ちこぼれ人生と、そこから健気に努力していく姿勢に感動しちゃいます。
何気に兄想いで、友達想い、顧客にもなんだかんだ誠意を尽くしてるし、一瞬垣間見せる他人へのシンパシーにグッときますね。
でもそれを感じさせないような弾丸トークで笑わせて、煙に巻いていくわけです。
憎い!でも、ジミー最高!
他の登場人物(キャスト)も好きになる!
まずこの人ですね。マイク。最高!
見る前はチラッと出てるだけなのかな・・って思ってましたけど、がっちり出てます。
彼が主人公の話も結構あったくらいで(泣けます。)、じっくり魅せてくれるのが嬉しい。
「ベター・コール・ソウル」のシーズン1はマイクのストーリーでもありました。
(シーズン2以降も出てると思うけど)
つらい重荷を背負った渋いマイクと、バタバタと軽いタッチで生きてるジミーが交わる人生の不思議・・。
傍から見ているだけでワクワクします。
昔の同僚のキム
キム好きだわぁ~。
この年齢の女性にして、この自然体は何なんですかね。
飾らず無理せず嫌味なく、ただそのままの彼女が最高です。
普段着がちょっとダサいのも親近感。
顔はキツいんですけど優しくて、ジミーをさりげなく見守るような懐の深い友人ですね。
声と発声の仕方が独特で、誰かに似ている・・?、誰!?と思いつつ、5話くらいで気が付いたんですけど、中尾ミエでした!似てますよね?
ユーモアも最高
笑っちゃうわ~・・。
基本ニヤニヤですけど、時々「ヒャヒャヒャー!」と声出して笑いました。
ジミーの自虐ユーモア、マイクとのズレた掛け合い、哀愁漂うドラマの間合いがたまりません。
そして笑いの中にも切なさがあって、一生懸命なジミー達にホロっとさせられます。
そんな愛すべき人たちを描いたおススメのドラマなんですけど、派手さがないので万人受けはしないのかな・・。
じんわり、じんわり来る感じです。
でも、ジミーがすごい弁護士能力を垣間見せたり、大金が登場したり、マイクの見せ場もあるし、ドラマを盛り上げる要素は色々あって、ワクワクする見どころもしっかりあります。
強烈なカリスマを持つジミーとマイクの波乱万丈人生に興味のある方は、ぜひ一見の価値ありです!
ネットフリックスで見られます。
*ここから先はネタバレ感想になります。
「ベター・コール・ソウル」S1を最終回まで見たネタバレ感想・考察
ジミーの決断
ジミーちゃん、最後はなぜか吹っ切れてしまったようで「滑りのジミー」復活を高々と宣言してましたね。
真っ当に生きようとあれだけ健気に頑張ってきて、今まさに成功を掴もうとするその時になって、チャックのあの仕打ちはひど過ぎましたよね。
ジミー可哀そうに・・、チャックに認められたくて頑張ってきたのにね・・。
彼が失った自尊心はもう取り戻せないようで、虚無感に苛まれる中、ふと故郷に返って詐欺時代の友人マルコに会いに行きました。
また生き生きと楽しかった詐欺時代の自分を取り戻す一週間。
そして、突然死んだマルコの「最高の1週間だった」という言葉。
この出来事のせいで、キムがお膳立てしてくれた成功への切符を捨ててしまう決意をするわけなんですけど、そうしてまでジミーが欲しかったものは何なんでしょうかね。
世間の常識や価値観、道徳に囚われない自由な生き方?
私利私欲に忠実に、貪欲に生きる道?
その辺の答えがシーズン2以降でわかるのかな・・。
ジミーの魅力
このしょうもないおじさんに一つ希望を感じるのは、何にでも一生懸命なところですよね。
目的を達成するためなら努力は惜しまないし、1分1秒がとにかく必死です。
サモア領の通信教育で一人必死に勉強して弁護士資格を取ったって、そんなエピソード聞かされたら好きにならずにいられないでしょ。
それから、チャックの面倒を何から何までみてきた1年間。
1日も欠かさずあんなことができるんですから、忍耐力に継続力もありますよ。
それに詐欺に必要な発想力に、独創性、トーク力。
今後何をするにしても、絶対成功しそうですけどね。
そして、一つ決めたらそこへ向かって邁進する行動力と、愛嬌と、笑いで周りの人々を煙に巻いて欲しいものを掴み取っていくんでしょうね。
キムとの関係
この二人を見てると、男女の友情がしっかり成立してる気がするんですけど、今後変わっていくのかな・・。
今のところはどちらからもまるっきり男女の色気が出ていないので、このままの関係でいて欲しい気もしますけどね・・。
ソウルは一度結婚して、妻を寝取られた・・みたいな話をしてましたけど、キムの私生活ってどんなのかな。その辺も今後分かって来るんでしょうか。
マイクは
マイクの過去エピソードはなんとも胸を締め付けられました・・。
切なすぎ・・。
息子を失った悲しみと、死の直前に無理やり彼の信念を曲げさせた後悔と罪悪感。
両方に苦しめられるのでは、マイクが酒に溺れるのもわかります。
そして、残された義理の娘と孫娘のために悪の道に足を突っ込み稼ぎ始めましたね。
彼には彼女たちしかいないんですから、その決断は不思議じゃないですよね。
既に息子の敵を討つために警官二人をころしてるし、その辺の倫理観にはキッチリ整理が付いているようです。
それにしても、バーやパトカーの中での酔っ払い演技はすごかった!
酔っ払い爺が突然ヒットマンに変貌するスリル!マイク役者だわ~。
本当に、この役はジョナサン・バンクス以外演じられないですよ。
この重い存在感・・!痺れる~。
でも、今年なんと御年70歳なんですよ。
今後もシーズン続けてもらうためにも、元気でいて欲しいです。
「ブレイキング・バッド」の時からつるんヘッドなので、今後も髪の心配がないのがいいですね。
さてさて、これからまたシーズン2を見たいと思います!
楽しみだわ~。
次はシーズン2の感想です。↓