アマゾンプライムの海外ドラマ「ザテラー」を全話見た感想です。冒頭はネタバレなしでお勧め、キャラ紹介など。その後はネタバレ感想になってます。
久しぶりにワクワクするような大作ドラマがやってきました!
「ウォーキング・デッド」のAMCが贈る海洋冒険ホラー「ザ・テラー」です。
(現在アマゾンプライムで配信中)
プロデゥーサーにあのリドリー・スコットが名前を連ねています。
ザ・テラー全感想
シーズン1 シーズン2
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「ザ・テラー」予告編
字幕はありませんが・・
「ザ・テラー」怖いだけじゃない、あの感じ!
少し前の記事で、こんなことを書きました。
『2018年のNetflixはホラーやオカルト作品を増やそうとしているらしい。
でも、「エクソシスト」のようなオカルト系はあんまり好きじゃないので、個人的には大人向けの「エイリアン」のような本格SFホラーも作ってもらえたら嬉しい。でも一歩間違えると「HELIX」とか「エクスタント」みたいになっちゃうので難しいかも。』
この「エイリアン」みたいなホラーがまさにリドリー・スコットの手で作られたのがこの「ザ・テラー」!
・・いや、たまたまリドリー・スコット(エイリアンの監督)だから言うんだろうって感じですけど、本当にあの感覚に近いんです!
SFじゃないけど、1845年当時、未開の地、北極に新航路を求めて二隻の最新艦で冒険に出た英国人たちの物語ですからね。(ここに関しては史実のようです)ロマンがあります。
海洋アドベンチャー要素もたっぷりで、ホラーなのにワクワクしながら見てしまうし、細部にもリアリティがあって引き込まれるのです。
極寒の世界に閉じ込められ、世界から孤立した船員たちが、寒さと飢えに耐え、忍び寄る未知の恐怖に戦慄する・・という絶望的な設定がなんとなく近い。
映像も透明感があって、しっとり美しいです。
ナショジオの記事によると、2016年にこの内の一隻「テラー号」がイヌイットによって発見されたそうです。意外にもほぼ無傷で残っていたそうですが、その船を調査しても謎が謎を呼ぶばかりで、130名の乗組員たちに実際に何が起き、彼らがどうなったのかは分からないそう。
その歴史的事実に基づいて、「きっとこんなことが起きたのかもよ・・?」と怖~く肉付けして描かれたのがこのドラマなのです。(原作はダン・シモンズの同名小説)
「ザ・テラー」登場人物とキャスト
設定が設定なので、ホラーでもセクシー美女は出てきません。
風呂に何年も入ってない男臭いオジサンたちの世界です。(若い兵士もいるけど、メインはいないかな)
でも、渋いイギリスの名優たちががっちりと固めて火花を散らしているので、見応えたっぷり!
ジョン・フランクリン艦長(エレバス号)
乗組員たちの憧れの的ジョン隊長は、この冒険の成功を心から信じ、危険が迫っていても回避を認めようとしない。
演じるのは、キーラン・ハインズ。
いいですね~。この味わい深いお顔でいいダシが取れそうですよ。
もう、その顔ズルでしょ。というほど、セリフがなくてもじわ~と滲んで来るものがあります。
もう一人の艦長フランシス・クロージャー(テラー号)
彼だけは早い段階からリスクを見据え、ジョンに提言を繰り返していた。
しかし聞き入られることなく、事態はどんどん悪化していく・・。
ジャレッド・ハリスは最近だと「チェルノブイリ」で有名です。
渋くて知性があって、頼りになりそう。ちょっと悲壮感漂うのがまたホラー向きでいいですね~。
ジョンを慕うジェームズ・フィッツジェームズ副館長。(お、上から読んでも下から読んでも?)
お気楽なイケイケ男で、悲観的なフランクリンを煙たがっている。
トビアス・メンジーズはこのブログでは「アウトランダー」のランダルや「ゲーム・オブ・スローンズ」のエドミュアでお馴染み。
ほっぺに縦に走るシワがチャームポイント?「ザ・クラウン」にも出演が決まって、引っ張りだこらしい。
メインはこの人たちかな?
あ、あと、軍医のグッドサーが優しそうで好き。
キャストも全員演技派ですし、脚本もスリルが徐々に高まるように衝撃的な展開が次々起きて一瞬も飽きさせませんね。本当、これくらいしっかり描いてくれると見応えあります。
ホラーって、ちょっとでもB級の匂いがするとテンションが一気に下がるんですよね。
ただ奇抜な設定の上に、ご都合主義的なストーリーでグロテスクで血みどろのショッキングシーンだけ見せられても面白くないし、基本的にグロいの苦手な私は見てるのが嫌になっちゃうです。
でも、このドラマのように事実に基づくストーリーで迫力も凄い。
世界の果てで流氷を掻き分けながら進む艦船と、寒さに凍える世界で必死に生きようとする兵士たちの姿を見せられると、それだけでグッとくるものがあります。
まだ3話までなので調子良く見てこれましたけど、この先が見るのがちょっと怖くて不安かも・・。フランシス達の末路まで見届けることができるのかどうか・・。
でも評価も相当良さそうだし、頑張って見る価値のある上質のドラマだと思います!
*これ以降は3話までの内容に触れています。
「ザ・テラー」第3話まで見たネタバレ感想・考察
食料3年分て、一体何食べてるの?
実は、ここまで見てきて一番気になったのがこれです。
時折映る食事のシーンを見るに、やっぱり肉がメインみたいですけど、パンも作ってましたね。
壊血病(ビタミンC欠乏症)をやたらと心配してましたけど、実際のところ3年間だとビタミンを補充できるような野菜、果物を保存しておくのはまず不可能ですよね。
(レモン汁が用意されていたそうですが、実際のところ長期の保存でビタミンは破壊されてしまい、あまり意味がないそう。)
トマト缶もあるみたいでしたね。
実際のところ、イヌイットはこの不毛の土地でアザラシの内臓やクジラの肉を生で食べることでビタミンを補っているらしいですね。(加熱したらダメらしい)
いよいよ肉も腐って来たようだし、もう怖いわ~。きっと、冷凍庫はないですよね。
腐臭を放つ肉を食べるなら、アザラシを捕まえた方がよさそうだけど、でも捕獲の技術もないのだろうな・・。
毎日同じような食事になるでしょうね。考えるだけで恐ろしい・・!ジョン艦長が味付けが悪いって文句言ってましたけど、味付けったってニンニクやハーブはないだろうし、塩・コショウ以外に何があるんだろ?
今後、この食料も底をついていくのでしょうが、フランシスがどう策を講じて行くのか・・。怖いよ~。
冒頭のシーンで彼らの結末はわかってしまう
どうも史実の方でも、二隻の船が氷に閉じ込められた後ジョン・フランクリンが始めに死んで(心臓発作らしい)、その後船員たちからも死者が相次ぎ、ある段階でフランシス・クロージャーが船を放棄しカナダ本土の交易所に向かったそうなんですけど、この後の彼らの消息が不明のままみたいです。
冒頭のシーンで証言していたイヌイットは、この時に出会った彼らの姿を語っていましたね。
フランシスの写真を指差し、アグルカ(キャプテン)は飢えて歩くのもやっとでほとんど死んでいた。後ろから魔物が付いてきていた・・と。
はぁ、飢えて行く彼らを見るのも辛いなぁ。
極寒の中で飢えに苦しみ、死の行進を続けるエンディングになるのでしょうか・・。
もう一ひねりしてもらって、ちょっと救いのある最後になるといいんですけど。
襲って来たのは熊か、魔物なのか?
ジョンを襲って、あの穴の中に突き落とした感じからすると、やっぱりあの舌のないイヌイットをころし、死体も無碍に扱ったことへの呪いで魔物が襲ってきているような感じですね。
でも、そのイヌイットの娘もイグヌーの中で熊に怯えてましたよね。ん?あれも魔物?
でも、血を吐いて死んだ気の毒なディビッドはその前のことだし(結局死因はまだ不明らしい。それにしても血吐きすぎ!)、あの極限の状況で襲い掛かる自然の猛威と危険、それと呪い的な物との両方で恐怖を盛り上げてるのがいいですよね。
これが実はでかい熊だった・・ということでも充分怖いし。
それにしても、イヌイットの生活って想像できませんね!あの極寒の地で生活するなんて凄すぎるし、絶対真似できない!
もうこうなったら、あの女性や他のイヌイットを探して弟子入りし、彼らの知恵や技術を拝借して生き残りをかけるしかなさそうですけどね。
と言う訳で、そんなところでしょうか。
4話以降を見るのがめっちゃ楽しみですけど、同時に怖い~。
次は第7話まで見たネタバレ感想です。
「ザ・テラー」第4~7話まで見たネタバレ感想・考察
壮絶ですね・・。壮絶・・。
ありとあらゆる恐怖に対面していく乗組員たちが気の毒で仕方ないです。
それに怖いわ~。もう怖すぎて夜見れないから、週末の昼間しか見進められないし・・。
極寒の地で救助も期待できずに小さな船に閉じ込められる恐怖・・。
謎の巨大生物に襲われ食いちぎられる恐怖・・。
確実に迫る来る食糧難への恐怖・・。
缶詰の毒に少しずつ冒され、狂気をきたして行く恐怖・・。
周りの仲間たちが事故や謎の病でどんどん死に、正気を失っていく恐怖・・。
これだけあって、普通にいられる人がいますかね?
まぁ、艦長のフランシスはシラフではいられず、一時は酒に逃げてしまいましたよね。
ただついに酒で体を壊し、断酒を余儀なくされます。
体を回復させるまでその責任をジェームズに託し治療に専念することに・・。
この状況にますます乗組員たちも追い詰められるかと思いきや、意外にも大方の表情は明るめで、絶望の末に自殺を図る人はこれまで出ませんでしたが、ついに6話で予想もしない人物のショッキングな事件が起きてしまいました!
スタンリー医師の絶望
お猿実験で確信を得たグッドサー医師から、「缶詰の鉛が原因で自分たちが鉛中毒の症状を起こしつつある」という衝撃の報告を受け、「この件はしばらく黙っていよう」とスタンリーは表情を固くしていました。
それほど動揺した様子も見受けられなかったのですが、突然、宴会の晩にテント全体に火をつけ、焼身自殺を図ってしまいました!
明らかに他の乗組員たち全員を道連れにしていく気があったようです。
その動機が「彼らの行く末に希望はない。これ以上苦しませる前に、ここで終わりにした方がよい」という医師としての判断なのか、スタンリー自身も狂気に蝕まれていたからなのか・・その辺は定かではありませんが、もしかしたら両方なのかもしれません。
ただ、スタンリーはイヌイットのお父さんがゴア副長に撃たれて船に運ばれて来た時に「この男には触れたくない」と言い切っていましたので、もともと冷酷な側面があったのは伺えます。
とはいえ、医師をあそこまで絶望させる鉛中毒がどれほど恐ろしいのかちょっとググってみましたが、現在では有り得ない病気のようですね。
ただ昔はイギリスで多数いたそうで、「腹痛、貧血、神経炎等の症状を表わす。さらに大量の鉛化合物を取り入れれば最悪の脳変質症を起す」とのことでした。
缶詰の新しい製法が原因と言ってましたよね。
命綱の食料が毒に冒されてるなんて・・、なんとも不運としか言いようがない・・。
今後精神に異常をきたす乗組員たちが増えてくると、さらにどんな事態が引き起こされるのか??!
魔物(熊?)とブランキーの対決
話が前後しますが、5話のこの対決シーンもアクション満載で面白かったですね。
サーカスの曲芸なみの運動神経で船の上を逃げる逃げる!
もう絶対絶命か!と思ったらなんとか魔物を追いやって、ブランキーが生き延びた!
お~!全部が全部悲惨な結末じゃないのね。
ただ、脚は切断・・。もう、痛過ぎて見れないって・・!
でもしばらくすると、ブランキーは義足を付けて歩いてましたよね。
彼の回復が早いのか、ドラマの中の時間経過が早いのか・・。
この後船を放棄して氷上を歩いて行くのに、義足ではさらに苦しい旅になりそうで心配です・・。
ヒッキーはヒッキーじゃなかった!!
うわ~。出た衝撃の新事実!
始めから奴はどうも馴染んでないなぁ・・。規律と言うものがわかっていないらしい。
と完全に浮いた存在でしたけど、その理由が明らかになりました。
恐らく本物のヒッキーをころして、この船への乗船チケットを手に入れたのでしょう・・。(元々逃亡中の犯罪者とか?いずれにしても、あいにくの結果になったけどね。)
そんなヒッキーのムチ打ちの刑はまた怖かった~。
痛いよ、痛すぎ!
時間をたっぷりとったシーンがまた長い!ムチ打ちの刑があんなに怖い刑だとは・・。
フランシスの意外な側面も垣間見れて、かなり恐怖を感じる時間でした。
ありとあらゆる角度から恐怖心を煽り立ててきますね~・・。
そしていよいよヒッキーはこの危機を前に、自分だけは生き残ろうと独自の行動に移すことにしたらしく、水面下で仲間を募っているようでした。
やめて~!私のお気に入りイケメンが~!!!
実は一番のお気に入りでした、このジョン・アーヴィングさん。
この小熊顔が可愛いですよね。
目立った活躍はないものの、行進の時の掛け声が最高にキュート!
そんな彼が、狩猟隊の一員として獲物を捜索中に、なんとイヌイットと出会った!!
すごい!ここでようやく希望が見えた?!嬉しそうにアザラシの生肉をほおばるアーヴィングさんがまた可愛い・・。
と思っていたら・・。え・・?え・・?ええ???!!!!
ヒッキー何してやがる??!!!うっそ~~~!!!
ショック・・。。
あのハエの飛んでるような神経を逆撫でする効果音がまた怖くて、ヒッキーがついに狂気の世界への扉を開けてしまったのが分かりました。
裸なのも怖いし。
ちょっとこうなってくると、もう怖すぎて見れないかも。夜見たら絶対悪夢見るでしょ。
残りあと3話。結末がわかっているだけに見るのが辛いけど、まぁホラーですからね。
その辺は割り切って最後まで見届けたいと思います!
次は最終10話まで見たネタバレ感想です。
「ザ・テラー」最終回まで見たネタバレ感想・考察
アマゾンプライムの「ザ・テラー」、これまで怖い、怖いと言いながら見てきましたけど、この感動はなんでしょう・・。
なんだかいい映画を見終わった後のような深い余韻・・。
イーサン・ホークの「生きてこそ」を見た時の感動に近かったですね。(こちらは飛行機墜落事故の犠牲者達が雪山で身動きが取れなくなりサバイバル。)
それに、あれほど凄惨な残酷描写を目にしながら、ほとんど下劣なものを感じなかったのも不思議です。
例えばエイリアンを見て「下世話だわ~」という人はいないじゃないですか。あんな気色悪いモンスターが腹から飛び出すというのに「美しい」「名作」と言われてますよね。
私はホラーに詳しくないのですが、やっぱりこうした名作ホラーを描くのには揺るぎない信念と深い人間描写、リアリティと美しい映像、そして本物の役者達、こうしたものが揃わないと成立しないのかなぁ・・と。
極限に置かれた人々が限られた物資、仲間たちとどのようにかかわり、尊厳を保っていくのか・・。
極限状態を残酷なまでに生生しく描きながらも、一方で人としての尊厳や友情などもキメ細やかに描かれていて、静かながら胸に迫る感動がありました。
人間描写が秀逸!
このドラマの素晴らしいのは、全体のストーリーやホラー要素だけでなく、それぞれのキャラの掘り下げ方が緻密で繊細。短い登場シーンの中ににもしっかり人間が描かれていることですよね。
フランシスを演じたジャレッド・ハリスがインタビューで、「一人一人のエピソードにリアリティと整合性があるのが素晴らしい」と話していましたけど納得です。
ただ、なにぶん登場人物が多い上に、帽子かぶってたり髭が生えてたりでキャラの見分けが付きにくい・・!
メロドラマ的な大袈裟な描写で語るのではなく、まるでドキュメンタリーを見ているかのような淡泊な描き方なので、一度見ただけでは誰が誰だかわかりにくい部分もありましたよね。(2回見たら結構分かりました。)
と言う訳で、印象深かった人物を少し振り返ってみたいと思います。
ジェームズとフランシスの友情に泣けた
何が感動的って、この2人の友情ですよ!
最初は全く反りが合わずにお互いを煙たがっていましたが、ジョン隊長が死に、事態がフランシスの懸念していた通りに悪化するとジェームズが彼に対しての考えを変えていきます。
その後、酒を断ち、艦長としての責務を果たそうと全力を尽くすフランシスに尊敬の念を抱くようになり、ジェームズも信頼のおける片腕として最後まで勇敢に戦い抜きます。
そして篤い友情で結ばれた2人は兄弟の契りを交わし、フランシスはジェームズの最期を見届けるのでした・・。
「俺は偽物だ・・全ては虚栄だった。」と、自身の出生の裏話や孤独な心の内をフランシスに告白するジェームズは、武勇伝を披露していた男とは別人のようで涙がでました。
そんな彼を包み込むフランシスの友情がまた温かい・・。
1話で、「清との戦争で撃たれた弾が腕を貫通し、胸まで届いたのを取り出して助かった」と話していましたが、その古傷がまた傷んでしまったようでした。
ブランキーがカッコよすぎる
最初から最後まで彼が一番クールでしたね。
彼は極地探検だけでなく、今回と同じように船を放棄し徒歩で生還を果たした経験のある貴重な水先人ですので、フランシスもブランキーを一番信頼しているようでした。
ただ最後はやはり切断した脚が化膿してしまい、フランキー達に逃げる時間を与えるために、自身を囮として犠牲になることに・・。
あのフォークは意味があったんですかね?あったと思いたいです。
そして、最後に死を決めた場所で念願だった北西航路を発見したようで、歓喜の雄たけびを上げていました。
よかった~!納得の死に際で、最後までクールに決めました!
ジョプソンの最期が悲し過ぎる・・。
フランシスの世話係として忠実に、誠意を持って尽くしてきたジョプソンでしたが、最後は力尽きフランシスに世話をされて心苦しそうでした。
常に温かい視線でジョプソンを可愛がってきたフランシスでしたが、その直後にヒッキー達に捕われ、彼の最期を見届けることができませんでした。
あれだけ「部下を決して置いて行かない・・!」と固く誓っていた艦長に裏切られた・・と悲しい勘違いをしたまま死んでしまったジョプソン・・。
うーん、悲しい!
彼の遺体を見つけた時のフランシスの無念を想うとさらに悲しいです。
フランシスの決断
最後は完全に彼の物語でしたね。
前半は失恋の痛手からか(家柄が原因というのが悔しい)酒に溺れ、投げやりな姿勢で現実逃避気味でしたけど、酒を断ってからのフランシスは本当に素晴らしかった!
艦長としての責任に目覚め、部下たちを思いやる姿勢と一人も後に残さないという覚悟と勇気に痺れました。
そうして結局のところ全力を尽くしたにも関わらず、部下を守り切れずに全員を失ってしまったことの無念さ、後悔、罪悪感、そして深い絶望・・。
それらを背負いながらは、やはり故郷イギリスには戻ることができませんでしたね。
イヌイットとして生きる覚悟を決め、ジェームズ・ロスが2年後に救助に来た時も、その気持ちは変わらなかったようです。
最後のあの静止画のようなシーンはなんとも不思議で趣がありました。
色々解釈がありそうですけど、私は彼がイヌイットとして生きる姿をそのまま表現したらあんな絵になった・・という感じなのかなぁ・・と。(想像ですが。)
彼に寄りかかり眠る少年の安心しきった表情から、フランシスを信頼しきっているのが分かるし、力の抜けたフランシスの顔もありのままに生きるイヌイットの男そのものに見えました。
そして氷に覆われた世界に日が昇る描写の美しいこと・・!
もちろん、こうしてイヌイットに受け入れられたのも、彼の人間性あってのものでしょう。
狂気に苦しんだコリンズ
1話で友人が海に放り出され、助けに飛び込もうとしたものの、止められた男気のある人物。
その後船の下にもぐってスクリューから氷を外すという危険な任務にも志願し、見事除去に成功。
ただ後半になると鉛中毒から精神に異常をきたし、最後は怪物の犠牲となってしまいました。
ヤングの指輪の謎
一度目は全く気が付かなかったんですが、この指輪はヒッキー達がヤングの遺体を埋葬した時に、上蓋が外れたのをヒッキーが直すフリをして下に降り、遺体から盗んでいたんですね。
その次のシーンでは、指輪をヤングの指から取り忘れたグッドサーが「ハッ、しまった」とする表情が映されています。
その後、肉体関係のあったギブソンに上官たちの情報を盗むよう、ヒッキーがこの指輪を使って買収。
終盤、衰弱したギブソンがヒッキーにころされ、解体を余儀なくされたグッドサーが彼が首から下げていたこの指輪を発見・・。という流れでした。
最後、フランシスにヤングの妹に届けるように頼もうとするグッドサーがヤングの名前を思い出せなかったのはどうしてでしょうかね・・。それだけ病に侵され状態が悪かったのか。
航路と閉じ込められた場所
こちらはWikipediaから拝借しました。
「1845年夏、グリーンランドのディスコ湾(5)からビーチー島に向かい、コーンウォリス島(1)を周回した。翌1846年夏、プリンスオブウェールズ島(2)とサマーセット島(3)の間のピール海峡を下ってブーシア半島(4)の西へ出て、キングウィリアム島(緑色)近くに至ったが氷に閉じ込められた。」
「ザ・テラー」wikiで見つけたへぇ~な 事実
- ビーチー島に埋めた3人の死体がその後発見され、解剖されているが、死因は肺炎、恐らくは結核であったと推測されている。
- 鉛中毒は缶詰の鉛のはんだ付けが雑だった為、食品に触れ溶け出したものと思われる。しかしその後、この鉛の出どころは缶詰の食料ではなく、遠征隊の船に取り付けられた水の蒸留装置だったことが示唆された
- 実際に船を放棄するまで、氷に閉じ込められたいた期間は1年7か月。
- キングウィリアム島で見つかった人骨の切断面からは、人肉食を行った痕跡がみられた。
こうして分かった事実と照らしてみても、ドラマがかなり忠実に再現されているのがわかりますね。
クリエーターたちが繰り返し「実在の人物がいるのだから、尊敬の念を持ってリアリティに徹しなければならない」とインタビューで話していましたので、その辺の検証も厳しくされているようです。
以上、思いつくまま感想を書いてみましたがどうでしたでしょうか?
2度目、3度目と見て行くと、一度目には気が付かなったエピソードやナイスな隠れキャラも見つかりそうですよね。
また気が付いたらコソッと書き足していきたいと思います。
久しぶりにズーンと重い作品を見せてもらいました。
なにより役者たちが素晴らしかったですね!本当に「ゲーム・オブ・スローンズ」もそうですけど、イギリスの役者さんたちのクオリティと層の厚さには驚かされます。
また、こんな面白いドラマが見れるといいなぁ・・。
と言う訳で、大満足の感動ホラー「ザ・テラー」でした!
【追記】「ザ・テラー」続編へ更新決定!
これは嬉しいニュース!
でも、やっぱり全く別の設定での物語になるそうで、なんと次回は戦時中の日系コミュニティ!うわ、メッチャ怖そう!!
史実だけでも恐ろしいところへ、架空のホラー要素を絡め、映画的な映像と緻密なキャスト陣の共演で壮大な世界を描くというコンセプトはしっかり引き継いでいくそう。
楽しみだわぁ・・。
こういう質の高いドラマが続いていくのはワクワクしますね!
シーズン2の感想はこちらです。↓