Netflixの海外ドラマ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」の紹介、あらすじ、キャスト紹介、感想です。3話まではネタバレなし。4話以降の感想はネタバレを含みます。(注意書きあり)
「2018年はホラー作品を多く作っていく」と言っていたNetflixですが、恐らくこのドラマ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」はその中でも大本命じゃないですかね?
凄いですよ。
3話まで見ましたが、かなりの見応えで質は極めて高いです!
予想を上回る完成度で、久々にワクワクしちゃう~。
IMDbはなんと8.7!
あのスティーブン・キングに「傑作」と絶賛されたことも後押ししました。
元になった小説「丘の屋敷」(1959年)では、超常現象を研究している学者が幽霊屋敷として有名な家で超常体験をした人たちと共にその屋敷で時を過ごすというオカルトものだったらしいのですが、ドラマにはオカルト的なB級感は一切なし。
むしろ様々なテーマを秘めていて、大きな謎もありつつ、死に対するトラウマだったり、恐怖体験をどう乗り越えるのか・・だったり、人間の強さを試すような仕掛けが興味深いです。
一筋縄では語れそうもないドラマですが、雰囲気的には「シックス・センス」に似てるかも。
グロテスクな映像でただゲンナリさせるだけのホラーや、おどろおどろしい意味不明なオカルトは苦手な私ですが、こういう志の高いホラーならばぜひ見せて頂きましょう!と意気込んでしまいます!
2作目はこちら↓
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」予告編とあらすじ
新作小説の為に怪奇現象を取材するスティーブン。幽霊の存在に懐疑的だった彼だったが、次第に兄妹たちを巻き込み、幼い頃に住んでいた家について振り返っていくことになる。
「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」登場人物とキャスト
基本的に屋敷で恐怖体験をして、その後大人になっていく主人公たちは5人の兄弟。
女の子3人に、男の子2人。
それぞれ子供時代、大人時代の2つの時系列で物語が進行します。
その内の長男スティーブンはお気楽な鈍感君で、ほとんど超常現象にも気が付かず幽霊屋敷を無事卒業。(おめでと~)
なのに、勝手にヒルハウスの本を出して兄弟たちから大ヒンシュクをあびている。
演じるのは「ゲーム・オブ・スローンズ」でデナーリスを射止めたもののその後拒絶されてしまうイケメン、ダーリオを演じたマイケル・ユイスマン。顔が濃い、優しいお兄ちゃん。
死へのトラウマからか、その後葬儀屋になった長女シャーリーはそれでも結婚して普通の家庭を築いている。
こちらは子役さんが今注目のルル・ウィルソンちゃん。
ホラー映画や今HBOで話題の「Kizu傷」なんかで注目されてます。
この年齢にして既に演技派。
そして、注目は次女のテオ。
彼女には人に言えない特殊能力があるのですが、その能力を使って人の気持ちや記憶などを感じることができたりします。
演じるのはケイト・シーゲルという女優さんで、このドラマの監督が以前撮った映画「サイレンス」で主役に抜擢された人なので監督さんが相当惚れ込んでそうです。
でも、確かに彼女はいいですね~。
3話まで見た印象だと、彼女が一番の「鍵」となる人物ではないかと・・。
この恐怖体験に真っ向から戦いを挑めるのはこのテオ以外ないでしょう!
そして、残念ながら後々までこの恐怖にとり憑りつかれしまうのが、一番小さな妹と弟。双子のネルちゃんとルーク君。
やっぱり小さい子の方が感受性が豊かなのか、トラウマが大きくなりやすいのか・・。
可愛い!子役のこの二人はめっちゃ癒し系で可愛くてたまらない!
なのに、これでもか、これでもか、と恐怖体験に見舞われ、もう気の毒で見ていて辛いです・・。
せめて、大人になってから幸せを掴んで欲しいのだけど・・。
さて、両親の方ですが、妖艶で美しい母オリヴィアを演じるのはカーラ・グギーノ(「ウェイワード・パインズ」)。
うわ~、妖艶過ぎてお化け屋敷にはもってこいの美貌でしょう。
彼女、上品な薄幸感も漂うのがいいんですよね。
そしてこんな美女と結婚できたラッキーさんがこの方。
うーん、冴えない・・。
優しい父ヒューを演じるのは、奇跡の映画ETでエリオット少年だったヘンリー・トーマス。
「レジェンド・オブ・フォール」とか、「メンタリスト」とか結構出てるんですけど、いつまでたってもエリオット少年なんですよね、代表作。
それから、同じくヒューの爺版を演じるのがこの方ティモシー・ハットン。
最近ドラマ頑張ってますね~!
でも、彼も子役上がりで私にとってはいつまでも「普通の人々」のコンラッド少年なんですよね・・。(知ってる人いないか・・)
この地味な有名どころ2人が同一人物を演じるのがまた面白いです。(確かに雰囲気と口元が似てる!!)
注目のキャストは以上でしょうか・・。
「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」3話までのネタバレなし感想
この5兄弟に関して、1話ずつ主人公を定めて語られるんですけど、その際に少しずつ屋敷で起きた真相が明かされていく仕組みになってます。
まず1話は一番能天気な長男君。
彼の場合は大したトラウマもないので、ある意味見る側としても気が楽な存在。
(それでも過去のエピソードは怖いけど。)
ところが2話の主役シャーリーの回からは、本格的にその人物の負った心の傷や現在の状況などを繊細に、大胆に掘り下げて行きます。
これが秀逸ですね。
誰しも多少なりとも身に覚えのある、幼少期の恐怖体験とトラウマ。そして現在まで続くその影響。
それを、ここまで鮮やかに残酷に描かれると思わずこの世界観にグッと入り込まずにはいられません。
そして3話で描かれるテオの謎と心の傷。
彼女は誰にも弱音を吐かず、幼いころから一人黙々と毎日を戦ってますからね。
その勇気たるや、もう感動ものでしょう。
このドラマは、ただの奇をてらう「どんでん返し」ものでも、怪奇現象ホラーでもない、トラウマと戦う彼らの勇気の物語だ!!
と、まだ3話までの段階ですけど、そこに期待ポイントを絞りました。
「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」は超絶怖い!
それと、恐怖レベルですが、ホラー初級の私にとってはもちろんしっかり怖いです。
特に子供が襲われるという部分で、恐怖が2倍になりますね。
「やめて~!あんな小さい子を怖がらせないで~!!」という怖さが上乗せされますので・・。
ただ、ドロドロ、ぐちゃぐちゃ、スプラッタ系はないので私でもなんとか見れますし、割と洗練された恐怖の煽り方ですね。
という訳で、全10話で残された家族がどんな戦いを見せてくれるのか・・。
5人だから2巡するのかな・・?
めっちゃ楽しみです!
*ここから先はネタバレ感想です。5話まで見た感想。
「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」5話まで見たネタバレ感想
ちょっとー!もう、なんなのあの残酷さは!!
エゲツないほどに残酷なネルの最期にはもうショックで心臓フリーズ・・。
これを寝る前に見てしまったら、もう私もアナタも悪夢は確実でしょう。
最終話まで感想書くつもりはなかったんですが、この拡大版の5話があまりに衝撃的だったので、ちょっとグダグダ書いて休憩します・・。(一気見がキツイ~・・。)
ネルの回が壮絶過ぎて心臓止まる!
可哀そうに・・。小さい頃から見ていて首折れ女が自分だったなんてね・・。
誰しも自分の死に際というのは考えたくもないし、いつ死ぬかも知りたくもない。
そんな恐怖の頂点とも言える「死」を最悪の形で迎えた自分と、6歳の幼い少女が対面するなんて・・酷い酷い・・、まぁよく考え付くものだわ。
私はもっと普通にあのヒルハウスに住んでいたヒル家のメンバーが何らかの形で凄惨な死を迎え、その怨念が兄弟達を悩ませているのかと思ってた。
ほら、ネルがダンスをしてるシーンで最後にちらっと映ってましたよね。ヒル家と思われる人々が・・。
アビゲイルちゃんはいなかったけど、ルークが見たハットの男とかがちゃっかり並んでましたよ。
なのになんで愛する母(の亡霊)が直接自分を死に追いやり、そのうえ自分の死と6歳の頃から対面しないといけなかったの?(まぁ、それも当然奴らの仕業なんでしょうが・・)
もうね、愛するアーサーと念願の再会を果たし、くるくる踊るシーンでは号泣でしたよ。
はぁ・・。気の毒なネルにもせめて幸せな2年があったことを慰めにしたいですね。
その内の結婚生活は8か月だけだったけど、安心して熟睡できた日々があっただけでも良かったと思いたい。
少しずつ見えてきたあの夜の真相!
そして、少しずつあの夜に何があったのかが分かってきました。
まず、父ヒューが一度屋敷に戻って再びモーテルに帰ってきた時には服は血だらけ、右の拳は何かで巻かれてましたよね。
心配で起きていたネルちゃんに「これはペンキだ」なんて言ってましたけど、よく言うわ~。6歳児の感受性を舐めてますね。
そうして不自然なまでに何もかも隠そうとしてきた父にも、そうした部分での責任は重そうですね。
(っていうか、幼い子供達があんなに苦しんでる時点で家引っ越せ~!!)
警察を呼んで自首したような感じで、警察官が到着した時には連行されそうなところで「子供がいるから・・」みたいな身振りを一瞬してましたよね。
ということは、やはり母オリヴィアをコロしたのは父なのか・・。
(だって、叔母さんが子供達を育てんでしょ?)
もしくはそうとしか見えないので、幽霊の仕業と主張して子供達を不安にさせるより、自分がしたことにしようと思ったのか・・。
テオが目にしたフラッシュバックで父が母を壁に押し倒すシーンもありましたけど、あれはなんとなくミスリードの感じがします。
あの平凡夫は犯罪者タイプじゃないでしょ。
どうしても追い詰められて(例えば妻が子供達に手をかけようとしていたとか・・)コロした可能性はあるかもだけど、何にしても根本的にはヒル家の仕業なのは明らかだしね。
ルークはそれでもまだクリーン!!
双子のルークはあまりのショックで立ち直れそうにないでしょうけど、でもまだドラッグには手を出してませんからね。
いよいよ、本当に人生を取り戻すことができるのか。
彼だけはネルの分もこの亡霊たちと戦って、最後には恐怖に打ち勝ってほしい・・!
ネルの死をきっかけに今度こそ覚悟を決めて欲しい!
そしてルークはようやく平穏を手に入れ、その後は幸せに暮らしました、ちゃん、ちゃん。というラストを期待してます!!
でないと、これじゃ救いがないわ・・。
でも全10話のうち、この真ん中あたりに壮絶なネルの回来たということは、後半はいよいよ戦いの段階に入ってくると期待していいのでしょうか?
絶対負けて欲しくない!
ネルの分も兄弟、父が一丸となって真っ向から戦いを挑んでくれ~!
*次は最終話まで見たネタバレ感想です。
「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」最終話まで見たネタバレ感想
Netflixオリジナル海外ドラマ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」を最終話まで見たアニスのネタバレ感想です。
はぁ・・。見終わりましたけどスゴいパワーを持ったドラマでしたね。
色んな感情が押し寄せて、見ているだけで圧倒されそうでした。
面白かった!!!素晴らしい!!
2018年のベスト5に入るドラマだったと言っていいかと思います!
来年のエミー賞にも絡んでいけそうで楽しみですね。
お見事!!ネットフリックスがまたやったど~!!
「死」の2面性のコントラストが鮮やか
このドラマでは人間が本質的に感じる恐怖の神髄を正面から捉え、様々な形で突いてきましたけど、やはり一番恐ろしかったのは「死」の描写ですね。
首の折れたネルが「暗闇の中で孤独。誰も私に気付いてくれない」と訴えるのがあまりに残酷で辛かったし、彼女に触れたテオが感じた絶対的な「無」、そして「無感覚」という表現がまた恐ろしかった・・。
「寒い暗闇で何も感じないままに永遠に彷徨う・・」という死への究極の恐怖を見せつけておいて、一方で最後に待っているのはあの美しいラストですよ。
頑丈な壁に守られたヒルハウスの中で、永遠に愛する者たちと在り続ける魂。
ずっと安全に、美しいままの姿で一緒に歩む・・という、あの見せ方。あの余韻・・!
「死」の絶望的なまでに残酷な描写があったが故に、この美しい「死」の在り方には感動し、心が揺さぶられてしまう訳ですよね。
では、最終話で実際何が説明されたのかを振り返っていきましょう。
やめて~!アビゲイルは幽霊じゃなかった!!!
これですよね。一番衝撃的だったのは。
幽霊屋敷で末っ子が見る想像上の友達アビゲイルは、なんと森の先に住んでいたダドリー夫妻の娘でした!
生きてるように見えていた人物が実は死んでいた・・というどんでん返しはよくありますが、その反対は初めてかも。
ポピーの娘が喉に詰まらせて・・云々の話しがあったので、すっかりその子の事かと騙されてしまいましたよね。
なのでオリビアに毒を飲まされて死んでしまった時も、幽霊だからと大して心配してなかった訳ですが、これが全くの誤解で普通の女の子だったなんて・・!
ルークに泊まりに来るよう言われ、一人で家を抜け出して来ていたんですね。
でも、彼女を発見した時のダドリー夫妻の理解の速さはすごかったですね。
この家の仕業と瞬時に受け入れ、オリビアを責める様子もありませんでした。
さらに、「この家を燃やさないで、娘に会えるのはここだけなのだから・・」とヒューを説得し、「このことは誰にも言わない。」と娘の死も永遠に隠していく覚悟のようでした。
悲しい・・。もう、最終回の中ではヒューの死が完全に薄れるほどに悲しかったですね。
でも振り返ればネルが屋敷で踊っているシーンで幽霊たちが並んでいる中にもアビゲイルちゃんいませんでしたもんね。
ルークはずっと本当のことを言ってたのに、両親が信じてくれなかったんですよね。
クララの娘が双子と同い年という話の中で、あれ?もしや・・と一瞬思いましたけど、彼女の髪がブロンドなのもダドリー夫妻に繋がりにくかったですね。
(その辺の絶妙な仕掛けにやられました。ちなみに子供の頃ブロンドで大人になると色が濃くなるというのはラテン系だと割と多いようで、うちの仏人夫も子供の頃ブロンドで今は完全に黒に白髪交じりです)
あの夜の真相は!?
幼い双子に殺鼠剤を飲ませようとしたオリビアは、たまたま居合わせたアビゲイルをコロしてしまいます。
そこへ慌ててやってきたヒューは妻のしようとしていたことを理解し、子供達を連れてモーテルに逃げます。そして、すぐ屋敷に引き返すヒュー。
でも時すでに遅し・・、彼が発見したのはポピーに惑わされて飛び降り自死をしたオリビアの姿でした。
そして、そこへ娘を探しにダドリー夫妻がやってくるわけですね。
その後、警察に事情聴取されている時、刑事に「オリビアを発見してから通報するまで、3時間も何していた?」と聞かれていましたが、こんなやり取りをダドリー夫妻として、幽霊たちのことを隠蔽し、子供達を守ろうと決断したりと、心の準備をする時間が必要だったのでしょうね。
死んだオリビアの体から彼女の魂が抜けだすのを見て、ヒューはその後もずっと自分の隣に彼女を感じ、会話さえしてきた訳ですけど、オリビア本人が言うには「それはあなた自身で、私じゃなかった」らしいです。
ヒューにとっても心のバランスを失わず生き抜く為には想像上の妻が必要だったのでしょう。
ただ、なんで子供達を育てずに彼らの叔母に預けたのが不思議ですよね。
だって「子供達がいなければ自分もその場で死んでいた」と言うくらいなら、自分が育てればいいのに。
別に警察に捕まったわけでもなさそうでしたよね。
ヒューも不思議君でよくわかりませんね。
(ただ、役者2人は控えめな演技で最後まで子供達を立てましたね!これ以上の平凡夫はいないでしょう。特殊メイクを使わず、2人で演じ分けたのも大正解でした!!)
閉じ込められた兄弟たちが見たものは?
結局クレイン一家は全員あのヒルハウスに呼び戻され、兄弟たちは赤の部屋に閉じ込められてしまいます。
殺鼠剤を打たれ瀕死のルークは幻想の中で、赤い部屋でティーパーティをしているネルや母親、アビゲイル達の所へ迷い込みます。
ルークを見て嬉しそうな母親に対し、ネルは「行って!」と追い返そうとします。
直感的に「死」を感じたルークはネルに後押しされる形で、「死にたくない!」と生の世界に戻ることができました。
この時同じように幻想を見せられていたシャーリーは過去に不倫した時の記憶がよみがえりますが、正直このエピソードに関してはちょっと拍子抜けでしたね。
テオが「しっかり者だと思い込んでる姉さんを、私が守ってきたのよ!」と言っていたので、彼女に関してはもっと衝撃的な過去があるのかと思ってました・・。
テオに関しても同様で、特に秘密の過去もなく、彼女の問題である「人と深く関われない」という部分を垣間見せた映像でしたね。
入れ墨女(彼女の顔が怖いのよ~)さんとの関係に大分心が揺れているようでした。
長男スティーブンが見たのは、妻と本の続編について語っている幻想。
妻は妊娠していて、自分は今回の事を本にしようとしているのですが、彼女から指摘される自分の弱さ、問題がかなり真相を突いていて衝撃を受けている様子でした。
そんな兄弟たちに、死んだネルが説明します。
この家の赤の部屋が実は自分達がそれぞれに幻想を見せられ、遊んできた場所であったこと。
この部屋はヒルハウスの心臓ではなく胃であって、自分達は形を変えて咀嚼されていたことを語ります。
息を吹き返したルークに寄り添う兄弟たち。
ただ、彼らは赤の部屋の固いドアに閉じ込められ、外にでることができません!そんな子供達を救ったのは、ようやく見せ場がやってきた父ヒューでした。
ヒューの命を懸けた交渉
オリビアは子供達を永遠に閉じ込めようと譲ろうとしません。
ここならば安全だし、悪いことは起こらない・・。
ヒューは「でもいいことも起こらない。どうか彼らを外の世界に解放してくれ。そうしてくれたら、自分がここに残る」と言い聞かせます。
そしてドアが開き、子供達は全員外へ・・。
でも、ヒューはスティーブンと一緒に少しここに残ると言います。
彼には最後に長男に語るべきことが残されていました。
全てを目撃するスティーブン
あの夜に何が起きたかを目撃したスティーブンは、ついに全てを理解します。
そして父ヒューの死体を発見し、今話している父が既に死んでいるということも。
(ヒューは心臓発作で死んだようでした。)
父は自分達を守るために、全てを孤独に背負って生きてきたことを知り、自分が何も分かっていなかったことを恥じるのでした。
その後の彼らは・・
最後にチラッと幸せそうな兄弟たちの姿が映ってましたね。
ルークが2年クリーンでいたことをお祝いしている様子です。
あ~よかった、ルーク!
ネルとの別れは辛かったけど、その分彼女にチャンスをもらって第二の人生をスタートすることができました!
スティーブンは妻と和解し、妻は妊娠してましたね。(ってことは、精子提供を受けて人工授精か体外受精をしたんでしょうね。)
シャーリーは夫に過去の過ちを告白し、「あなたを愛してる」としっかり自分の気持ちを伝えていました。
そして、テオは入れ墨女としっかり向き合い、一緒に暮らすことを選んだようでした。
もう、以前のように手を触れることで人の恐怖を感じることもないのか、手袋はゴミ箱へ・・。
身軽になった彼女の人生も再スタートです!
美しく悲しい余韻へ・・、衝撃のラスト
白髪で登場したのはあのダドリー夫妻。
瀕死の妻クララを運びながら森を抜けてきたようでした。娘たちのいるヒルハウスで死なせるために・・。
ここで死ねば永遠に魂は残り、愛するものと一緒に歩んでいける。
そしてクララが死ぬと、夫はそこに若き日の妻と永遠に年を取らない娘たちの姿を見ます。
幸せそうに身を寄せ合うシーンがなんとも美しく儚い・・。
きっと、彼もこの場所で死んで家族の元に帰るのでしょうね。
意外な方向で最高のラストを作り上げた
そっか~・・。
ホラー初心者の私は完全に家と戦って、破壊するものかと思ってましたけど、そんな単純なものじゃなかったですね。
「死」というのは、否定して破壊すれば消えてなくなるものではないし、ずっとそこに美しく佇む「死」があってもいいじゃないか・・という優しい終わり方でした。
特殊な力を持つテオが何かやってくれるかと期待してましたけど、彼女は絶望的な方の「死」を語るという役割を担っていただけでしたね。
でもそこで、圧倒されんばかりの恐怖を表現してくれたのが素晴らしかったです。
ヒルハウスの幽霊たちも大した見せ場はなく、はっきり説明されたのはポピーが狂った悪人で人間を餌食にしようとしてるってことくらいでしたね。
その他にも狂気に侵された人たちの説明がありましたけど、よく分からなかったかも。
どうやらそこは大事じゃないようでしたね。
むしろ、あの家という特殊な存在が全ての悲劇を招いたようですしね。
それに、家にガソリン撒いて火をつけても燃えないんじゃ、そもそも戦いようがないしなぁ・・。
永遠にあの場所にあり続けるのでしょうね。多くの魂を呑み込みながら。
という訳で、本当に怖かったけど、怖いだけじゃなくて感動もあり、弱さに向き合う勇気と、トラウマを乗り越えた兄弟たちの愛の物語でもありました。
はぁ、面白かった!
見る人によっては死生観を変えるほどの力を持つ、強烈で素晴らしいドラマでした。
「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」に続くアンソロジー!
【2021年追記】厳密にはシーズン2ではありませんでしたが、アンソロジーという形で2作目に「ホーンティング・オブ・ブライマナー」、3作目に「真夜中のミサ」がクリエーターのマイク・フラナガンによって作られました。
キャストは共通してる人もいれば、新しく加わった人もいるという感じで、そこはアメホラにちょっと似てますね。
感動できるホラーとしてのエスプリは引き継いでくれてるので、ファンとしても嬉しい限りです。
姉妹作↓