ドラマ「ロング・ロード・ホーム」勇気と友情の物語!最終話まで見た感想(ネタバレ)

ロング・ロード・ホーム

途中までネタバレなし、注意書き以降はネタバレ感想です。

あ~ぁ・・。huluでまたこんな凄いのを見始めちゃって、ちょっと後悔してます・・。

見るのが辛い・・!でも止められない・・!

実は戦争ものは苦手なんです。

昔は結構見れたんですけどね(プライベートライアンとかは目をつむって見ましたけど)・・、子供が生まれてからは完全にアウトです。

もうね、子供や若者が犠牲になって死んでいくシーンなんて見ちゃった日には、寝る時に頭から離れず涙が出ちゃうんです・・。

それでも「ウォーキング・デッド」なんかはあれはもうコミックの世界、ドラマの世界、と割り切って見れるんですけど、戦争、特に実録物とあっては辛すぎてダメなんです。

そんな私が以前から気になっていた、ナショジオのこの戦争ドラマに手を出してしまいました。

でもやっぱりキツイ~!

1話でイラク人少年が足にやけどを負って裸足で歩いてきて、それをアメリカ兵がササっと手当するシーンがあるんですけど、それ見ただけでギブアップしそうになりました。

ダメダメ、あんな子供にあんな火傷・・!

でも、またその翌日からチラッと続きを見始めると、もう手遅れ状態に・・。

迫力満点の戦闘シーンと、突然地獄に突き落とされた兵士達の極限状態から目が離せなくなり、あっという間に引き込まれて4話まで見てしまいました。

【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。

また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)

「ロングロードホーム」 舞台は2004年のイラク

ブラックサンデーと呼ばれる、バグダッド近くの貧民街で実際に起こった武力衝突事件を描いています。

これまで内地で家族と過ごしてきた軍人達が(ほとんどが実戦経験のない若者)、ある日イラク派遣の命令を受けて赴くことに。

本人もその家族たちもフセイン独裁政権崩壊後の治安維持活動を目的としているので、出発の時点では危険はないと思っています。

ただ、それでも拭えない不安や恐怖に推し潰れされそうな家族の気持ちもわかるし、そんな家族を残して行く兵士たちの気持ちたるや、想像するだけで胸が潰れそう。

そんな彼らが家族に別れを告げるシーンもそれぞれに描かれます。

安全な任務だったはずなのに・・。

ところがある日、いつも通りパトロールをしていると、ん?市街の様子がちょっと違う・・?

住民は・・?

というところで、突然始まるイラク民兵からの激しい襲撃!!

怖い!怖い!

短い間にも、米兵士の一人一人が魅力的に描かれているので、既にこちらは感情移入済み・・!

誰にも怪我して欲しくないし、死んでほしくない!

そのうえ、彼らの家族の描写も徐々にされていくので余計に気持ちがのめり込みます!

あの人にも死んでほしくないし、この人もダメ!

そんな気持ちとは裏腹に、激化していくイラク民兵たちの襲撃!機関銃に手りゅう弾、挙句にロケット砲まで飛び出して・・!

もう見ていられない!でも見ずにはいられない・・!

「ロングロードホーム」登場人物とキャスト

今回ナショジオは相当気合を入れているようで、製作陣も凄ければ、市街地の撮影セットも北米に建てられた物としては最大級らしく、リアルな迫力は本格的!

脚本も良く練られていて上手いし、もちろんキャストも素晴らしい!

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ゲイリー・ヴォレスキー陸軍中佐

部下を全員連れて帰る!と熱い決意で今回のミッションに臨んだものの、現実は悪夢に変わり・・。

マイケル・ケリーはいろんなドラマや映画で見かけますね。

最近ではやっぱり「ハウス・オブ・カード」での評価が高いようです。

まだ48歳なのに、おでこのせいで大分上に見えます。顔はつやつやだけど。

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リアン・ヴォレスキー。ゲイリーの妻で家族会のリーダー。

演じるのは「プリズン・ブレイク」や「ウォーキング・デッド」でお馴染みのサラ・ウェイン・キャリーズ。

あれれ、その髪形はどうしたの??変よ、それカツラでしょ?

せっかくの美人が変なメイクとカツラで台無しだけど、何のために?

実在の人物に寄せたのでしょうか?でも誰もその人物知らないので、そこまで厳密にしなくてもよかった気も・・。

でもいかにも家族会のリーダー、貫禄出てます。

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トロイ・デノミー大尉

「THE EVENT/イベント」で主演した時は本当にアイドル顔のキュート君でしたけど、優しそうなおじさんになりましたね。

え!でもまだ37歳か・・。若いなぁ。

両親がともに俳優のサラブレッドですけど、やっぱり華がありますね。力の抜けた自然な演技がいい感じなので、もっと出演作が増えて欲しい。

今回も誠実で頼りになるサラッと上官を演じてます。

魅力的なキャラはまだまだたくさん!

大勢の兵士に視点を当てているので、セリフのある役だけでも120人もいるそうです。

「ロングロードホーム」4話まで見た感想

大義と正義を求めて・・

このイラク派兵に関しての批判はこのドラマでも要所要所で描かれています。

このドラマを見ていて何が辛いって、そこに大義がないことですよ。

アメリカ兵が身を守るためにやむを得ずコロしていくイラク民兵達を、単純な「悪」とは見なせないことですね。

とてもじゃないけど、「やれ~やれ~!」という気にはなれないし、「コロされるのも辛ければコロすのも辛い・・」という地獄の構図。

そこへ武器を持って向かって来る子供がいたらどうしますか?

まさに、間違った場所に、間違った人たちが、間違った方法で介入したために起きた悲劇としかいいようがない・・。

戦争は全て悲劇ですけど、特にこのイラク戦争に関しては疑問が多すぎますもんね。

兵士達の中にも疑問を感じながら戦う若者がいたりして、見ていて余計につらいです。

2004年当時、私たちは普通に暮らしてましたけど、このアメリカ兵達も少し前までは普通に家族と平和な毎日を過ごしていたんですよね・。

産まれたばかりの子を残して行く者、身重の妻を残して行く者、自分を慕う子供たちを残して行く者・・。みんなが家に帰れると信じて赴いたのに。

それが一瞬で、死と隣り合わせの極限状態へ・・。

1話1話があまりに重くて、一気見できないので少しずつ見て行くつもりです。

次は最終8話まで見たネタバレ感想です。

「ロングロードホーム」最終話まで見たネタバレ感想

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hulu の海外ドラマ「ロングロードホーム」全8話と「ロングロードホーム 真実のヒーロー」(原作者が紹介するドキュメンタリー)を見ました。

はぁ、本当に辛かったですね、これは。

私なんぞに何も感想なんて書けませんて・・。と言いつつ長々書きましたが・・。

それぞれの人物について、その後の事なども絡めてまとめてみました。

「ロング・ロード・ホーム」ドキュメンタリーも必見!

ただ、このドラマを見た方はぜひドキュメンタリーの方もお勧めしたいです!

ドラマに描かれた兵士たちが実際に登場し、当時の物語と、その後の現在に至るまでの物語を語ってくれますが、これがまた重くて、重くて・・。ドラマ以上に号泣でした。

このドキュメンタリーを見ると、原作者のマーサ・ラダッツが10年以上に渡って兵士やその家族達を取材し、何度となくイラクを訪れ、少しずつ深めて行った絆があってこそ書くことができた物語なのだなぁ・・ということがわかります。

傷ついた兵士たちは簡単には口を開かないし、仲間を失った男たちは特に罪悪感とトラウマに長年苦しめられ、心を開いたマーサにさえ当時の様子を話すのが辛そうでした。

内容的にはかなりドラマと連動しているし、描かれた内容が細部まで事実に基づいていたというのが分かりますので、ドラマの第9話としてぜひ見ていただきたいです。

この感想ではそのドキュメンタリーの内容にもガッチリ触れてますのでご注意ください。

ミルテンバーガーの物語

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上官にも関わらず、安全な装甲車ではなく、危険なオープントラックに部下たちと乗り込んだミルテンバーガー。

以前からトラウマを引きずる彼は今回のイラク派遣が決まった段階から自らの死を覚悟し、妻に遺書を残していたが、皮肉にも部下を3名以上救った功績により銀星賞を授与されることに。

ただ、その後の人生はすごく辛そうでした。

早々に退役して家族と暮らしているようでしたが、マーサと話している様子を見ても覇気がなくて表情も乏しい・・。

そんな彼が、あの日トラックで撃たれて半身不随になったヤングと再会するのですが、その様子はもう見ているだけで胸が締め付けられます。

嘘をついたことで罪悪感に苦しみ、ヤングに撃たれると思っていた・・と言うミルテンバーガーの背負うものは想像を絶する苦痛のようでした。

こうした彼の人柄をドラマの方にも上手く取り込み、見事に描いていましたよね。

一見謎めいていて、「常に最悪を考える」という悲観的な死生観を持つミルテンバーガーが、ラストあの絶望的な場面で武器を持ったイラク人と出会い、死を覚悟した後に予想もしなかった結末に遭遇します。

そしてイラク人たちの協力を得て帰還したことを、「希望を感じる出来事だった」と語っているのがなんともすごいですね。

ドラマの山場の一つになっていました。

それからさらに数年後、ドキュメンタリーの最後の方で撮影用の野外セットでアドバイスをする彼の表情が別人のように生き生きしているのに驚きました。

マーサにも、「周りの助けを得て、話をしていくことで少しずつ荷が軽くなっている」と語っていましたね。よかった・・。

それにしても、あれだけ壮絶な戦場から生還して家族の元に戻ったというのに、ハリケーンで家が飛ばされる・・ってなんて不運なの・・。

ヤングの物語

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このドラマで一番見ていて辛かったのがヤングです。

撃たれて体の感覚を失い、生還した後にも想像を絶する戦いが待っていた彼は、新たに生きる目的を見つけ各地で反戦を訴え続けましたが、その後34歳の若さで亡くなりました。

ドラマで一緒だったブリーとは別れたようですが、クラウディアという新しい奥さんもいましたね。

ドキュメンタリーの最後にドラマにも出ていたお母さんが、息子がヒーローと呼んでいたミルテンバーガーと会うシーンがあるのですが、抱き合う2人を見ながら涙腺崩壊でした・・。

演じたノエル・フィッシャーはどこかで見たなぁ・・と思っていましたが、「ザ・パシフィック」(こちらも戦争もの)にも出ていたそう。

透明感のある儚い雰囲気が、絶望的な物語の中で何とも言えない切なさを感じさせますね。

デノミーの物語

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ドラマの中でもひたすらカッコよかったデノミー(いくつもの銃創を負いながらも最後まで救出を諦めなかった)は、その後の物語でもカッコよかったですね。

その後大尉にまでなり、現在はペンタゴンで武器開発に携わっているとのことで、そういう意味では一番順風満帆な軍人生活を送っているように見えました。

ドラマの中で妻のジーナが、イラクに旅立つトロイに関し「一番怖いのは彼が変わってしまうこと・・」と話していましたが、ドキュメンタリーでは「彼はトロイとして帰って来たわ」と話していたのが印象的でした。

本人は「ブラックサンデー以降は変わった」と話していましたが、息子2人もすくすく成長し、幸せな家庭を築いている様子。

原作者のマーサの言葉にもありましたが、「同じ経験をしても、あまり変わらない人もいれば、大きく変わって苦しむ人もいる。」というのがわかりますね。



アグエロの物語

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ドラマの中のアグエロはひたすら部下を守るために責任を果たしていく力強い上官でした。

それにしても、救出部隊が路地を見つけることができずに、ことごとく救出地点を通り過ぎてしまう中で、最後は懐中電灯片手に飛び出して戦車を追いかけるなんて・・想像以上に劇的な結末でしたね。

あれだけ座標を確認するために、ヘリを飛ばしたり、とっさの判断で火を焚いたりと手を尽くしていましたが、結局最後は彼一人の勇気がものを言いました。

正直、あのラストはドラマ用に加えた脚色かなぁ・・とも思いましたけど、ドキュメンタリーの方で、本当に「アグエロが懐中電灯持って追いかけた」という話があって驚きました。

しかも本当に手りゅう弾を浴びてるし、ヘルメットに撃ち込まれてるし、まさに奇跡の男!

いまだに海外を飛び回り従軍しているアグエロですが、ずっと退役を希望していながらまだ派遣されていると嘆いていましたね。

2018年に退役予定とのことですので、家族とゆっくり過ごして欲しいです。

それにしても、アグエロ本人とドラマの俳優さん雰囲気似てた!(メガネだけかな?)

ブールキンの物語

子供の頃から壮絶な人生を辿ってきた彼は、それ故に警戒心が強く、通訳のジャシムに対しても厳しい態度を取っていましたが、最後には信頼の絆で結ばれたようでした。

同室だったチャンを亡くしたことを一番悔やんでいるようにも見えましたが、今は家族と幸せに暮らしているそうです。

その他にも

まだ他にもたくさんの男たちの物語が描かれていましたが、書き入れないのでこの辺で。

とにかく辛かったのが親友同士で夢を語りながら亡くなってしまった ガルザとアルシアガ・・。ガルザに至っては夢で家族と再会するシーンを描きながら、結局は再会を果たすことなく逝ってしまいました。

なんて残酷な描写なの?!とも思いましたけど、妻ルピタに「もし死んでしまったら夢で会おう」と本人が出発前に語っていたので、彼の願いを再現した形になっていたようです。

それと一番びっくりしたのが、派遣5日目で想像を絶するブラックサンデーを生き延びた隊員たちが心身ともにボロボロになっているというのに、まだ帰国できないどころかさらなる戦闘があの後80日続いたという事実です!

犠牲者はなんと160人にも及んだそうで、その一人一人とその家族たちにこんな悲しい物語があるのかと思うとやり切れませんね。

この平和な世界(と少なくとも私たち日本人は思いがち)で米軍に入隊するということが、こうした可能性を意味するという事実に私はショックを受けました。

私たちが当たり前のように日本で平和を享受する一方で、世界の各地ではこれほどの危険に身をさらしながらも必死に守ろうする人たちがいる現実をこれからも心に留めておきたいと思います。

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