素晴らしかった~!!!
メチャメチャ面白かったですよ!!!
スローなヒューマンドラマかと思いきや、エンタメ要素をふんだんに盛り込み、テンポとキレのある展開で一瞬たりとも飽きさせない全10話!
あっという間に見終わっちゃった。
一人の女性が挑む人生ゲームという意味でも「クイーンズ・ギャンビット」に近かったですね。
ホント、あれ以来の面白さだったし、手に汗握るスリルとジェットコースター並みの興奮がありました。
まさにシングルマザー版「虐待&極貧ライフからの脱出サバイバル!」
己の英知と勇気と根性を24時間、7日体制でフル稼働!!
諦めたら試合は終了。光に向かって突破するか、暗い穴倉に留まるか‥。
クイーンズ・ギャンビットと一つ違うのは、娘の人生もかかってるってとこですね。だから余計にハラハラドキドキ~。
感動のヒューマンドラマとしても一級品で、問題だらけの母子間に見え隠れする家族愛や、偶発的な出会いから生まれる友情まで・・。
感情の機微をきめ細かく描写するエピソードには筆者が実体験から書き起こしたからこそ表現できる力強さと説得力がありました。
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「メイドの手帖」予告編とあらすじ
ある1人の母親が貧困と虐待に立ち向かい、逆境を乗り越えながら、自分の人生を取り戻していく姿を描く希望の物語。ステファニー・ランド著、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー自叙伝を、『シェイムレス 俺たちに恥はない』と『プロミシング・ヤング・ウーマン』の製作陣が映像化。
Netflix
原作はステファニー・ランドの「メイドの手帖」です。
「メイドの手帖」登場人物とキャスト
アレックス役のマーガレット・クアリーはアンディ・マクダウェルの次女。
一見似てないと思ってましたけど、表情を見てると時々お母さんにそっくりな瞬間があって、遺伝子って凄いな~と。
26歳ですが、透明感があってスラっと手足の長い少女体型も役柄にピッタリだし、自然体で力が抜けてるのもさすがです。
アレックスの母ポーラ。
双極性障害を抱えているニューエイジ世代のアーチスト。男運がない。
この役に実の母を起用するアイディアを思いついたのはマーガレット・クアリーだったそう。確かに親子を演じるには実の親子が最強よね。
アレックスの彼氏でマディの父親ショーン。
ニック・ロビンソンは子役時代から活躍していて「ジュラシック・ワールド」にも出演。
26歳ですけど、童顔キュート君ですよね。今回は髪をべったりさせてアル中感を出しました。
実はマーガレット・クアリーとは2020年の映画「ストレンジ・アフェア」で共演済み。2人とも今より若く見える!
友人のネイト
この長さでキープする髭はどういうコンセプトなんだろう?と気になって仕方なかったイケメンさんですが、こちらが髭なしのレイモンド・アブバック。(「ジニー&ジョージア」、「ナルコス」S2)
なるほど・・。いい男だけど、髭アリの方がさらに誠実さがでるかな。
アレックスの父ハンクを演じるのは海ドラお馴染みのビリー・バーク。渋い。
金持ちの弁護士レジーナを演じるのはアニカ・ノニ・ローズ。
メチャメチャいい女優さん!!たぶん、この方も助演女優ノミネートは確実。
こういう力量のあるキャストが脇を固めるてるのが良かったですよね。
アマゾンのゼムに出てたらしいです。(思い出せない‥涙)
他にも魅力的なキャスト陣が大勢で、物語に厚みを出してくれてます。
「メイドの手帖」ネタバレ無しの感想と評価
いやホント、原作物は強いな~。胸を打たれるポイントが一体いくつあっただろ。
押しつけがましくないコミカルなタッチも好印象で、軽い自虐ネタからふとした瞬間にホロっと来させるのは今時のコメディ「テッド・ラッソ」や「アフターライフ」のエスプリにちょっと通じるのかな?(そこまでコメディ感はないけど。)
さらには一つ一つのエピソードが格段に面白い上に、俳優陣たちの人間力も半端ない!
主演のマーガレット・クアリーは可愛いだけでなく、独特の知的オーラを発しててメッチャ魅力的だし、他の脇役陣もみんな素敵過ぎて涙がでるほど。
いや~、本当に良かったよ。泣いた泣いた。
もう絶対エミー獲って欲しい!っていうか、たぶん獲るでしょう。
少なくとも主演のマーガレット・クアリーはリミテッド部門の主演女優ノミネート確実だし、母役のアンディ・マクダウェルも助演女優行きそうですね。
(実の親子共演大正解!)
IMDbは2日後の今日の時点で1400件ついててなんと8.6!トマトの批評家レートも100%!(オーディエンスは90%)
女性ならば誰でも共感度マックスのエンタメ作品に仕上がってると思います!
ただ、「クイーンズ・ギャンビット」が男性も楽しめるスポコン系のエンタメ感動ドラマだったのに対し、こちらは若干女性向きな側面もあるかもです。
社会格差をも乗り越えるユニバーサルな女性連合の組合員たちが互いに助け合い、励まし合って生き抜く姿が清々しくて美しいのですが、もしかしたら男性目線からだとちょっと違う印象を受けるのかな・・?
この若くて聡明な女性にどれだけ感情移入できるかが分かれ目となってきそうですが、メロ感はほぼなく、主役のアレックスの決断力と潔さはむしろアッパレ!男性が見ても充分楽しめるかと思います。
まず1話を試して頂きたいです。
だって、虐待から子供と自分の人生を守るために3歳の子を連れ、ほぼ身一つで家を飛びだすんですよ。
ガソリン代もままならない状態で頼れる人もおらず、食べ物も買えない、寝るところもない。
仕事しないとすぐ飢える!という中、空腹状態でハードなメイド(掃除)の仕事を始め・・って、どんだけスリリングなの?!
機関銃でドンパチのサバイバルゲームもいいですが、こちらは誰にでも起こり得る超リアルなサバイバル!
究極のド根性劇でもありますが、登場する癖のある家族や偶然出会う人が「いい人」なの??かどうかでも、その日以降の運命が決まります。
こんな厳しい状況が延々続くんですから、応援せずにはいられないでしょう!
(私としては第1話からガンガンに面白かったので、もしもこの1話がつまらなかったら、その後もつまらないと思います。)
今年一番のお勧め作品なのでぜひ~!!
*スミマセン、ネタバレ感想は明日追加します!
「メイドの手帖」のネタバレ感想
アメリカのレビューには「10話じゃなく全6話か8話にまとめてくれたらもっとよかった。」なんてコメントもありましたが、私は10話でも長さは感じなかったし、もっと見たかったくらいかな。
一番よかったのは、主役のアレックスの覚悟とサバサバ性格ですね。
こういうドラマの場合は往々にして「おっちょこちょいのうっかり屋さん。」とか「時々空回りしちゃうけど、明るくて元気いっぱい」みたいな余計な装飾がくっついたりするんですけど、アレックスは周囲に変に媚びることなく結構頑固。
ショーンを見切った後には一切同情しなかったですからねぇ。あの決意の固さは立派でした。
一度だけよりが戻っちゃったのは、母ポーラが錯乱してるのを目にしてショック状態に陥った時だけ・・。
それ以外は頑なにショーンを無視し続けてたので、断酒を孤独に頑張ってるショーンがちょっと気の毒になるほどでした。
(よりを戻さなくてもいいから、もう少し優しい言葉をかけてあげて~・・なんてね。)
ショーンは立ち直れるのかな?
アルコールの問題が大きいのと、あとは根本的にどうやって女性を尊重し、自立を受け入れたうえで愛し合っていくのか・・という理想のスタイルを見たことがないので関係の構築方法を知らないのでしょうね。
相手を抑圧し、自由をもぎ取り支配下に置くことでしか愛情表現ができないというのでは、誰と一緒になっても上手く行きそうにない‥。
その方法を教えてくれる人がいればいいんですけど、断酒のサポートをしてるアレックスの父ハンクも「自分の過ちを認め、改善点を見出す」という肝心の部分が欠落してるので微妙です。
「ヤツは大変なんだ。断酒は大変なんだ。」とアル中の言い訳みたいなことしか言わないので、正しい方向には導けそうにないですね。
今回の失敗を契機に本当に酒が断てればいいんですが、どうかな~。
ショーンにもいい部分がいっぱいあったので(ポーラの面倒見るのがやけに上手いし)、いつか家庭を持って幸せになって欲しいけど。
ちなみに、このショーンをドラマの中盤に魅力的に描くことについては、俳優のニック・ロビンソンが「敢えて意図的に表現したもの」と語ってます。
「アレックスがなぜショーンと恋に落ちたのかを理解して欲しかった」ということですが、確かにそうですよね。そこがないと物語に説得力を持たせることができず、アレックスへの共感もしずらくなっちゃう。
最後には娘マディに対してさえも我を失ってしまう自分に気づいた時、アレックスの単独親権を認め、彼女を手放すことができました。再び酒を断つ決意もしたようです。
別れの時にアレックスを「アラスカ」と呼んでたショーンにも愛情を感じましたね。
ネイトはミスター「いい人」で終了
本当にいい人かどうかは置いておいて、ジュースしかない誕生日会を一生懸命盛り上げようとしてる姿はポイント高かったですね。
でも、アレックスに惹かれてなかったら絶対してなかった行為ですからね~、結局のところ。
アレックスとそういう関係になっちゃってたら良かったんでしょうけど、それにはあの髭と押しつけがましい所がちょっと惜しかったかな。
デートに誘うのをもう少し待ってればチャンスはあったかも?いや、なかったかな。
後半にショーンが車を返してきた後に、「いや、アレックスも車は要るだろう」と、もう一度レジーナのように彼女を探して救出しようとしてくれたらワンチャンあったかも?いや、なかったかな。
いずれにしても、「どうしてショーンみたいなやつがいいんだ。ビルを作れるオレの方がいい。」っていうのは思ってても口に出したら台無しなのよ。
レジーナが最高だった
レジーナの役割は大きかったですね~。
なにしろ見てて最高に面白かったですから。特権階級意識を隠そうともしない態度とあの豹変ぶり!
「メイドの顔なんてろくに見ない」とメイド会社のボスが言ってましたけど、あれ本当にそんな感じなんですよね。
私も昔パリで3年ほどウェイトレスをしてたんですけど、ウェイトレスなんてする人間は社会の低層で、学もなければ教養もないでしょ‥という潜在意識がお客さんからビンビン伝わってきましたから。
もちろんいい人もいるし、親切で礼儀正しい人も多いのですが、この辺はちょっと日本にはない感覚ですね。
日本てほら、夫がサラリーマンの中産階級の主婦がパートに出てレジ打ったり工場で働いたりするのも普通じゃないですか。(この辺は田舎なので特に多い)
ところがフランスとかの階級社会になってくるとあり得ないんですよね。学歴のある人がスーパーで働くなんて考えられないみたいです。
えっと話がズレましたが、レジーナはたぶんそんな単純な人ではなかったんでしょうね。恐らくアレックスに会った頃にはもう不妊治療で疲れ果て、夫との不仲もあり鬱状態だったのでしょう。
本人も言ってたとおり、強迫性の自己防衛意識も強かったのかな。
次第にアレックスを人間と認識し心を開いていく様子を、鬱から自分を取り戻し、母となっていく過程と重ねながらアニカ・ノニ・ローズ が見事に演じてくれました。
こういう「成長していくキャラ」をじっくり見られるのはシリーズものの醍醐味ですね。
母ポーラの愛のカタチ
ポーラも良かったわ~。
男を見る目のなさに関しては絶望的でしたけど、娘と孫のことはちゃんと分かってましたね。
最後に遠くの大学へ行くという娘を気持ちよく送り出してくれましたからね。
「光に向かって行くことを教えたのは私よ!」と誇らしげに語る姿にはジーンと来ちゃった‥。
もうあの一言でこれまでのたくさんの過ち(病気による部分も多い)が全部浄化されますよ。
自分も人生という冒険を続ける旅人だからこそ、この飛躍の意義を理解し、心から喜んであげることができました。
最後に娘達について行かない決断をしたのはポーラらしく自分の冒険を優先したのと、あとは迷惑をかける存在にはなりたくない‥という想いもどこかであったんでしょうかね。
だけど父ハンクは・・
ハンクはダメだったな~。
悪い人間というよりも、人の気持ちが分からない単純な人なんでしょうかね。
今はたまたま思いやりのある「できた妻」と形だけの宗教、断酒会グループの活動に支えられてますけど、結局表面的な部分で自分をごまかしてるだけで、双子の子供達とも繋がり切れてないようだったし、自分の過去に向き合うこともないようでした。
まぁ、そういう人もいるのが現実ですからね。
小説とは結構違うらしい
すみません、私自身がステファニー・ランドの小説を読んだことがないのでレビュー記事を読みかじった情報しかないのですが、意外と違うようですね。
例えば原作だと、アレックスの両親についてはあまりページを割かれてないらしいし(特に父親に関して)、レジーナをはじめとする顧客との関係もこれほど継続的なものではなかったらしいです。
当然ショーンもここまで良心的に掘り下げることもなかったでしょうね。
だってアレックス自身が回想録として書き残したものに、虐待者のショーンがよく描かれていたらそれも変ですしね。
そういう意味で、原作の繊細な描写を大事にしながらここまで面白く掘り下げ、肉厚に脚色したMolly Smith Metzlerの力量も素晴らしい!!
ちなみにこの方は今回クリエーターとしてもクレジッドされてますが、過去に手掛けたのは「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」、「カジュアル」、「シェイムレス」と評価の高いヒット作ばかりです。
というわけで、こんなところでしょうか。
あ、あと最後に触れたいのは素敵な脇役陣ですね。
こんな方や・・、
こんな方がドラマを彩ってくれました。
それと、マディちゃんも文句なしに可愛かったよ~!!!
ではまた~!
コメント
コメント一覧 (2件)
わたしも本当にこの作品は面白くて、感動して、今期一番でした。
素敵な作品や俳優さんに出会えると嬉しいですよね。
本当に、全部が良かったですね~。俳優さん達がピカイチでした。
またこんな作品が見れるといいですね。