「オザークへようこそ」を「ブレイキング・バッド」と比較考察!!最終話まで見た感想

オザークへようこそ

*アニスです。前半はNetflixの海外ドラマ「オザークへようこそ」をネタバレなしでお勧め+キャラ紹介、後半はネタバレを含みながら「ブレイキング・バッド」との比較考察してます。

いや~!面白かった!!!

久しぶりのNetflixの掘り出しドラマで、ワクワクしながら最終10話まで一気見してしまいました。

確かに、あちこちで言われてるようにこのワクワク感が「ブレイキング・バッド」の世界にかなり近い!

初めて予告編を見た時は、「麻薬カルテル」や「資金洗浄」と言ったワードと、激しい暴力で人がどんどんころされる映像に「うわぁダメだぁ、ヤクザ、マフィア関係は苦手なのよね・・」と敬遠しちゃってたんですけど、実際ちょっと見てみたら、描かれるのはその世界のことじゃなく、その世界に巻き込まれて行く普通のおじさんと、その家族の話でした。

そして、この普通の家族がまた凄まじいほど知恵が回り、キレキレで腹が座っているのです!

すごい!メキシコカルテルを相手に一歩も引かない度胸と逞しさに感動さえしてしまう。

このユニークな設定と、飽きさせない意外性のある展開、周囲のキャラ達の絶妙な魅力もストーリーを盛り上げ、ワクワク要素がぎっしりのドラマになってました。

オザーク全感想

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目次

【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。

また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)

「オザークへようこそ」登場人物とキャスト

主人公のマーティ・バード

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財務アドバイザーとして真面目に働き、普通にパパをしていたが、ある日、数字の才能と度胸があるところを見込まれ、メキシコの麻薬カルテルに資金洗浄をさせられることになる。

面白味はなく、感情の起伏も薄い。

妻と近しい人しか通じない微妙なシニカルユーモアがお得意だが、時にはそれが嫌味にも聞こえる。

この彼が極限の毎日をただ生き抜くことだけに集中して、知恵と型破りな発想で難関を次々切り抜けて行くんですけど、この葛藤が面白い!

演じるのは、この役でゴールデングローブの主演男優にノミネートのジェイソン・ベイトマン。上手いですねぇ・・。

このマーティを違う俳優さんが演じてたら、このドラマはそれほど面白くなかったかも。

どれだけ追い込まれても決して感情に溺れず、熱くはならないんですよね。

あの、どこか達観しきったように、常に俯瞰で物事を見ているような独特なキャラが新鮮で、見る者を惹きつけますね。

それでいて「こういうオジサンいそう」と思わせる説得力もあるのがニクいなぁ・・。

妻のウェンディ

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中年の危機と孤独から不倫に走ってしまった専業主婦だが、腹の座り方と行動力は半端なかった。

夫と家族のピンチを知るや否や、迷うことなく行動に移す!

感傷や後悔に浸るのは一瞬だけ!生き残るためには自分も戦う!とばかりに、全力で妻として母としてできることをし続けますよ。

演じるのは有名な映画女優のローラ・リニー。

若い頃は癒し系の笑顔が可愛いかったんですよね~。今はちょっとしゅわしゅわ気味だけど、それも気にならない大御所の貫禄でさらに好感度アップ。

クシュっとなる笑顔の可愛さは健在。

よく知った女優さんなので目新しさはないけど、堅実な演技でこのドラマの重石になってます。彼女目当てでこのドラマを見始める人も多いのでは。

娘のシャーロット

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貧乏所帯を支えるルース

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バカ叔父2人に、天然従弟2人を支える肝っ玉姉ちゃんとしてすごい存在感を放つ。

賢さと肝っ玉の座り具合はマーティ並みで、このドラマの裏主役と言ってもいいかも。

いや~、本当にすごい光る演技しますよ。何か賞がもらってもいいんじゃないかってくらい。

冷酷で切れ者な部分だけじゃなく、「愛されたい少女」の脆さと健気さも切なく演じているところが人気の秘密。

大好きなパパに会いに刑務所行くときだけはしっかりお洒落したりして、可愛いわぁ。

FBI捜査官のロイ

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ゲイでサイコ要素もかなり入ってる謎の捜査官。

潜入捜査での体の張り方が半端ない・・。捜査官側なのに危険な匂いがし過ぎでしょ。

その他にも興味深いキャラがいっぱいいますけど、この辺にしておきます。

「オザークへようこそ」ネタバレ無の感想

各々のキャラが本当に素晴らしくって、要所要所でしっかりいい仕事していますね。

無駄なエピソードもなく、常に緊張感を持って見ていられるような工夫がしっかりされてます。

あ、ダラけるかな・・?あ、そっちの退屈な方に持ってく・・?と思わせた後に、しっかり面白い展開で引き寄せるのが上手い。

平和な日常が、突然あんな危険な世界に巻き込まれたら絶対嫌だわぁ・・。あの人達もよくやるね。本当、頑張ってるわ。

もし自分が妻のウェンディだったら、耐えられずにすぐ離婚は確実だけど、もし頑張るならこんな風にできるかしら・・。

もし自分に「一生金に困らない生活が待っている」と言われ、同じようなチャンスが来たら、犯罪とわかっていても手を付けちゃうかな・・? とか・・。

なんとなく身近な問題として感じられる雰囲気も臨場感があっていいです。

という訳で、このドラマはNetflix入ってる方なら絶対見ないと損だと思います。

1話の冒頭からすぐ持っていかれるので、あとは身を任せてのめり込むだけ。一気に10話まで見切ってしまいます!

*後半の「ブレイキング・バッド」との比較考察は内容に触れた内容になってますのでご注意ください。

「オザークへようこそ」ネタバレ感想

「麻薬」絡みの闇の世界が出てくることと、そのカルテルを相手に一人奮闘する賢いオジサン、という共通点はあるものの、やっぱり違う点も多かったです。

一番の違いは主人公(ネタバレ)

「ブレイキング・バッド」のウォルターは物語の中で大きな変化を遂げますよね。

真面目な教師として、優しい家庭人として、自分を小さな型にハメたまま平凡に生きて来たウォルターが、ある日突然「死」に直面することで、内に眠っていた「生きたいように面白く生きてみる」という欲望が目覚め、自身の才能をフル活用しながら、人生を面白おかしく、思うがままに生き始めますよね。

初めて感じる人生の醍醐味。悪も金も運も、使えるものならなんでも使ってがむしゃらに突き進む!

その中で、徐々に剥がれ落ちる倫理観・・。もはや「いい人」でなくてもいい、己の欲望と、「金を家族に残すのだ!」という執念だけを支えに最後まで自分を貫き通していました。

その変化こそがこのドラマの醍醐味であって、一番人を惹きつける部分だと思います。

俳優のブライアン・クランストンが凄みを感じさせる演技でウォルターの多面性と厚みをしっかり演じていました。

対して、このマーティンは初めから自分の完成形が出来上がっているし、既に己を知っているのです。

もはや新たに開拓できる部分も、化けて飛び出す意外な側面もなく、そのままのマーティンで物語が進行していきます。

このマーティンの淡泊ぶりが逆に面白いんですけどね。

当初から持っている財務の才能とプレゼン能力。これだけで次から次へと難関を切り抜けていきますけど、それも大して熱くなることなく、ただ淡々と、すべきことを生きるためにやり続けるだけ・・。

家族が危機に晒されたら焦るし、自分の身もできたら守りたい。

だけど、そんな時でも感情が欠落しているかのような淡々ぶりなのです。

でも、この冷静さこそが彼の魅力なので、まぁ紙一重ですけどね。

そういう意味では本当に平凡で普通のおじさん。

それから、このマーティンは他人にはあんまり興味ないみたいです。

ホテルの女主人のレイチェルも魅力的な人ですよね。「お、俺に気があるのかな・・?」程度は意識してたみたいですけど、資金洗浄に忙しくてそれどころじゃない。

最後レイチェルに魂胆がバレた時だって、自分の目的を達成させるのに必死で、長年希望を失っていた彼女に再び希望を与えた上に絶望させた事の大きさと残酷さに気が付いてない。

可哀そうなレイチェルは、大金を盗んでホテルを後にし、どこかへ行ってしまいました・・。

ルースにしても、そうですよ。

あんなに強烈で繊細で、可能性を秘めた少女がいても、大して興味を示さないんですよね。

ただ才能を見抜く能力はあるので、彼女を抜擢してストリップバーの責任者にしてましたけど、基本それだけ。

元々優しいので、「よくやってる。ありがとう」くらいは声をかけるけど、ルースにとって、それがどれだけ大きな意味を持つかまでは分かってない。

彼女が他人のマーティンを守るために、血のつながった叔父達をころしたことで、少しは分かったんでしょうかね?

それと、私が一番驚いたのが牧師に対しての無頓着さ

スネル達が説教中にドラッグを売っている事実を彼に知らせたら、彼と彼の家族を危険に晒すという事実を重々知りながら、サクっと話しちゃうんですよ。このオヤジは!

「もうさ~、俺も隠そうと頑張ったけど、言うことを聞かない君が悪いんだろ。

俺も頑張ったんだから、あとはオタクに任せるよ。自分の身は自分で守ってね。」とばかりに、すぐ諦めて話しちゃうんです。悪びれた様子もなく。

無頓着でしょー。

いい人でも悪い人でもなく、ただ普通のオジサンなんですけどね。

結果、妻を失い、生まれたばかりの子供と残された牧師に「お前は悪魔だ」と言われることになります。

もしマーティンが悪魔ならば、その悪魔が顔を出した瞬間は、初めてデルに資金洗浄をオファーされた時に金に目がくらみ「直接犯罪を犯すわけじゃないし・・」と言い訳して、自分を過信し「危険なことにはならないさ・・」と悪に手を染めたあの瞬間ですよね。

あの瞬間以降は、自分と家族の身を守ることに精一杯で、他は目に入らない・・。他人の命間まで心配してはいられない・・というのが実情でしょうか。

ウェンディとスカイラーの違い

そして、あの瞬間、金に目がくらんで夫に同意したウェンディも同罪ですよね。

対等に同じ罪を犯した2人だからこそ、この夫婦は決して「そのきっかけ」となった部分には触れずに責め合うこともなく、ただ生き残るために今に集中します。

自分たちが蒔いた種ということは十分に分かっているので。

ウェンディは結構汚いことも平気でするし、上手に嘘をつく役者だし、不倫もしちゃうしで、倫理観はユルユルな女性ですよね。

自分の実力を社会で試したいという出世欲もあるし、金銭欲もある。

その辺で夫のマーティンとは近い部分も大きく、「チーム」としてしっかり機能していました。

一方で「ブレイキング・バッド」のスカイラーは清く正しい良妻賢母

一時的には悩んだ末に、ウォルターを支え金を稼ぐ道を選びましたけど、それでも基本的には潔癖な女性。

最後は完全に悪に染まったウォルターと、清く正しいスカイラーが対立するほどのハッキリした違いでした。

私はスカイラーがすごく好きでしたけど、弱く人間的な部分もあるウェンディの行動も理解できますねぇ・・。

基本的には寂しがり屋で、人に認めてもらいたい欲求が強い。

だけどピンチにはすこぶる強く、戦う時には徹底的に戦い、家族を守り抜く強い女性ですね。

ウォルターに代わるキャラはルース?

自分探しの旅に出て、とんでもない所まで行き着いてしまったウォルターに対し、マーティンは自分自身はずっと同じところにいるんですよね。

なので正直マーティンへの期待は今以上にはないんです。

充分面白い要素はあるし、あの淡々ぶりには結構笑っちゃうので好きなんですけどね。

(800万の洗浄がようやく終わった!と感激していた直後に、5000万が届いた時の反応の薄いことったら!最高!私だったらその場に泣き崩れるわ・・)

だけど、キャラとしての意外性や厚みはないかなぁ・・。

そういう部分では、ルースが悪にも善にもなれる複雑な少女としてポテンシャルを感じさせてくれますね。

まだまだ自分自身を開拓中だし、これからどんどん自我に目覚め、己の進むべき道を切り開いて行ってくれそうです。

幼いころから苦労を重ねここまで来て、刑務所の父には愛されていないことを知ってしまった・・。

そして、そんな中、ようやく出会った自分を認めてくれる人たち。

彼女がマーティンやウェンディとの出会いを通して、今後どう変化していくのかも楽しみなところです。

自分が父親をころしてしまったという罪悪感を抱えながらも、従弟たちの後見人となって面倒を見て行く覚悟を決めるルースの根性!

大人でもなかなかできることじゃないです。

その内面の強さと、もろさ、善と悪。

表裏一体の多面性を持ち合わせながら、自分の夢に向かって力を試し続けるルースはウォルターと相通じるところがありますよね。

あ、あと「比較」にはできなかったんですけど、どーしても突っ込みたいのがあのFBI捜査官のロイ!

何なの?アイツ!

潜入捜査って言いながら、あそこまで見を挺してガッチリ入り込むなんで、もう反則スレスレでしょう。

あの油ギトギトなラスを徹底的に傷つけ、さらには感電で無残な死を迎えるまでに追い込んでしまいました・・。

あれだけやっておきながら、結局何一つ成果を得れなかったロイは最後モーテルの部屋をメチャメチャにしてましたけど、あれってFBIが弁償するのかな・・?

あのヤク中の母親のことだけで、あんなにいい息子からサイコ捜査官が出来上がりますかね?

いまひとつ納得できなかったけど、まぁ面白いキャラではありました。

と言う訳で、長くなりましたがそんなところでしょうか?

シーズン2はいつ頃かな?楽しみです!

【追記】「オザークへようこそ」シーズン2はアメリカでは2018年8月31日配信!

ということは、日本でも同日配信してくれますかね?

先日エミー賞ではジェイソン・ベイトマンが主演男優でノミネートされたし、注目を浴びてる今、タイミング的にはいいですね~。

期待のさらに上をいく不思議な存在感でマーティを演じて欲しいです!

次はシーズン2の感想です。↓

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