「見せかけの日々」驚愕!だけど何かが足りない実録ドラマ ネタバレ有無感想・考察

STARZの海外ドラマ「見せかけの日々」、途中まではネタバレ無の軽い感想とキャスト紹介、注意書き以降はネタバレ有で書いてます。

はぁ、終わった~!

役者陣が濃くて強烈なので面白く見れちゃうんですけど、内容的には結構しんどかったですね・・。

異色だわ~。強烈~・・。

虐待ものだし、あんまり人におススメする感じでもないので感想書こうか迷ったんですけど、せっかく見たので書いちゃおうと思います。

(出典:hulu)

母親の「代理ミュンヒハウゼン症候群」の犠牲になってきた娘がどのように自分を解放し、その為に何を犠牲にしたのか・・という話しです。

代理ミュンヒハウゼン症候群とは・・

子供を虐待し病気や障害を装うことで、周囲からの同情を得たり、必死に介護する母親を演じながら自己満足を得る心の病気。

一応見どころとしてはこんな感じ?

  • 実話とは思えない突飛な内容にぶっ飛び~
  • 主演2人がエミー賞にノミネートされるほどの熱演でぶつかり合う!(パトリシア・アークエットは助演女優受賞)
  • 怖いもの見たさのホラー的要素

この辺かな~。

一応Huluオリジナルとしてはベスト10に入るような代表作で、IMDbも8.0と高め。

トマトもこの通りいい感じです。

なので、STARTZPLAYに加入したらまず皆が見るドラマだと思うんですが、私はまぁまぁだったかな。

なんでだろ。

期待してハードル上げ過ぎちゃったのかな。

でも面白くないわけじゃないですよ。

キャスト陣は脇役まで豪華だし、人気女優で歌手のジョーイ・キングが坊主頭と歯なしで演じ切った勇気には頭が下がるし、パトリシア・アークエットの怪演に至ってはもう迫力満点!

そしてこの実在の母子がどのように依存し合い、無意識の共謀によって、他人の善意をどう金に変えていたのか・・、などは非常に丁寧に分かりやすく描かれてます。

でも、やっぱり最後が惜しかったのかなぁ・・。

実は後半でもう少し盛り上がると思ってたんですけどね。

目次

【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。

また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)

「見せかけの日々」予告編とあらすじ

幼い頃から病気の子として育てられ、母親の監視下に置かれるジプシーは自由に憧れ、普通の生活を夢見ていた。

逃げようとしても逃げられない地獄の生活・・。

そんな中でもジプシーは少しずつ母の目を盗んでは外の世界と繋がろうとしていた。

「見せかけの日々」のキャスト

(出典:hulu)

主役のジプシーを演じるのはジョーイ・キング

元々子役から活躍していた若い女優さんですが、記憶のあるところだと「ファーゴ」S1の警官の娘ちゃんとして出てましたね。

実際のジョーイ・キングは本当に美しい~

ジョーイ・キング
(出典:hulu)

そして怪物ディーディーを演じるのは芸能一家アークエット家の次女パトリシア

「トゥルー・ロマンス」の頃はキャンディ・ボイスが可愛い女の子でしたが、すっかり酒焼けしたようなしわがれ声で「ザ・おばちゃん!」になり切ってます。

その説得力の凄さたるや!動作の一つ一つまで隙のない見事なおばちゃん像でした。

その他、脇役陣も有名どころがずらり・・。

『アメリカン・ホラー・ストーリー』のクロエ・セヴィニー、「ジ・アメリカンズ」のマーゴ・マーティンデイル、「ベター・コール・ソウル」のレイ・シーホーン

(出典:hulu)

そしてジュリエット・ルイスまで!

(出典:hulu)

これだけの布陣で作った作品ですから、内容的にどれほど異様で救いがなくてもやっぱり見れちゃうんですよね~。

前半はとにかく異様で強烈な母子の世界に釘付けです。下世話な好奇心だけで見れてしまいます。

でもやっぱり気が滅入るので、途中休憩は必要かも。

そして後半戦は彼女がどのように道を切り開いていったのか・・!その辺の痛烈展開を楽しみにしてたんですが、それは期待したものとはちょっと違っていたかな。

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*この先はネタバレを含みます。

「見せかけの日々」で、実際の出来事との相違点、同じ点(ネタバレ含む)

こちらは実際のお二人。

本当に歯がない・・!

ニックとプリンセスになってるジプシー。

このドラマは実名も含め、事実をかなり忠実に映像化したドラマのようですが、それでも相違点がいくつかあるそうです。

と聞くと、ちょっと気になりますよね。

SCREENRANTというサイトでまとめてあったので、こちらでも短めにご紹介します。

ジプシーとニックが犯行後にモーテルでビデオ撮影していたのは本当。

ビデオにあった会話の内容もほぼ同じらしい。

ジプシー本人曰く、薬物依存の状態にあったのでラリっていたうえに解放された喜びでビデオを回してしまったらしい。

2人が映画館で初対面を装うとしていたのは本当。

実際に合ってトイレで○○したのもそう。

ただ違っていたのは、実際のニックは王子様の仮装をしていたので(コワ!)、余計にディーディーに怪しまれたらしい・・!(そりゃそうだ)

実際のニックが「よい性格を持つニック」と「500歳の狂暴な吸血鬼ビクター」の両方の人格を持つと言っているのは本当。

劇中のニックは善良で少し知恵の遅れた青年として描かれてますが、現実ではジプシーを棒量的に支配していたとブランチャード家側の人々は主張しているそうです。

ディーディーがジプシーをベッドに縛り付けたことは確かにあった。

ただし、現実には1度だけだった。

(出典:hulu)

とはいえ、この1回がジプシーにとっては、人生で最悪の出来事だったそうです。

(ん?もっと他に色々あった気がするけど・・)

隣人の友人レイシーについてはほぼ事実。

ニックが映画館での出来事の後に、ディーディーに電話し、自分達は2年間も恋愛関係にある云々について伝えたというのは実際にはなかった。

(出典:hulu)

こんな衝撃事実をこんな形で知らされていたら、ディーディーはジプシーをベッドに縛り付けた程度では終わらなかっただろう・・という記者の感想も書かれてます。

ドラマで描かれたニックは善良で無害な青年だったが、実際は彼の方が積極的に犯行を計画し、遂行していたらしい。(と、ジプシーの父とその妻が主張)

なるほど。

実際の判決でジプシーの刑期が10年、ニックが終身刑となったところから見ても現実はそっちだったと考える方が辻褄があいそう。

母親をレイプしない代わりに自分を好きにしていいという約束もしていたそうで、ドラマもりも危険な男だったのかな。

あれ・・、でもこのYoutube動画では「犯行は私のアイディアだし、私がニックに頼んだ。」って証言してますね。うーん、分からん・・。

ドラマでは幼いジプシーがトランポリンから落ちたのをきっかけに車椅子生活にさせられてしまいますが、現実ではディーディーの父親と乗っていたバイクの軽い事故が原因だったとか。

ドラマではディーディーは小切手詐欺により半年間服役する姿が描かれているが、実際には1日しかいなかった。

なるほど。確かに小切手詐欺で実刑って重いと思ったわ。

ドラマではディーディーとその母エマは完全に対立し、エマは死に瀕して「あなたを愛せなかった」というセリフまで言っていたが、実は現実は全くの正反対

むしろ、エマの子供達の中で最も愛され手間をかけられていたのがディーディーで、その扱い方にはミュンヒハウゼン症候群要素が見受けられたという人もいるそう。(ジプシーの虐待に比べれば微々たるものだったそうですが。)

へぇ、これは面白い相違点ですね~。

まぁね~、怪物ディーディーがどう出来上がったのかについて何かしらの説明がいると製作側も考えたのでしょうね。

でも、私はあの辺の描写にあんまり説得力を感じなかったんですよね・・。

母親に愛されなかったから自分の娘を利用し人の注目を浴びたい。承認欲求を満たしたい・・というのは理屈が通っているようで、なんか違うなぁ・・と。

むしろ母親に間違った愛され方で育った結果、自分もそれが正しいと信じ込み、行き過ぎて代理ミュンヒハウゼン症候群になってしまった・・という方が筋が通る気がします。(分かりませんが)

いずれにしても、こうした記事が言う「真実」もどこまで正しいものか分かりませんしね~・・。

ジプシーの父とその妻がHuluを相手に裁判を起こすとか、起こしたとかいう話もありましたが、その辺の詳細もよく分かりませんでした・・。

*次はネタバレ感想です。

「見せかけの日々」のネタバレ感想・勝手な考察

もう、歯のエピソードが嫌いだった~!

完全にホラーでしょ!

何がどうなったらあんな虫歯だらけになるのかの説明が足りなかった気もしますが、あんまり細かく説明されても嫌なので、もういいです。

それに胃ろうにしても、気の毒で気の毒で・・。

その辺は全部ディーディー案によるパフォーマンスだったわけでしょ?

例えば「シックスセンス」に出てくる代理ミュンヒハウゼン症候群の母親は毒を飲ませて子供を本当の病気にしてましたけど、ディーディーはそこまではやってなかったと思っていいのかしら。

でも、薬漬けにはしてたんですよね。

あの歯にしても、その辺の影響なんでしょうかね。だって、甘いものをこっそり食べたくらいで全部虫歯にならないでしょ?

まぁいいや。あんまり知りたくないので。

後半戦はちょっと物足りない

ふーむ。もう一つだったな~。

予告編では法廷シーンから始まるので、私はそこからジプシーが少しずつ自立した女性の姿を見せてくれるのかと思ってたんです。

なので、前半の洗脳されたジプシーから一転、新たなジプシーが誕生し自分の力で自由を勝ち取る法廷劇が見られるのかと勝手に期待してしまって・・。

結局のところ、ジプシーは最後まで幼いままのプリンセスジプシーでしたね。

なんとか自分だけ罪を逃れようとしていたし・・。

(出典:hulu)

どうせ現実と違う視点で描くのなら、もう少し脚本にヒネリがあってもよかった気がします。

例えば、隣人のレイシーが監獄のジプシーから電話を受けて、その後母親に言いますよね。

「私が知ってるジプシーじゃなかった。声が違った。」と。

ん?全然変わってないやんけ!って、思いませんでした?

その後刑務所を訪れたレイシー母のセリフにも「あなたが変わったかどうかわからない。」みたいなセリフがあったので、そういうことなら、ジプシーの方も少しジョーイ・キングが演じ方を変えてもよかったと思うんです。

例えば犯行後に逃亡中の2人の描写でジプシーが天然ニックに苛立つシーンがいくつかありましたが、あの辺から少しずつ声も変えて「大人の女」や「本性」を醸し出す感じで。

なのに裁判や刑務所で身の危険を感じると、無意識に子供の声に戻ってしまう・・みたいなのも面白かったかも。

裁判劇も退屈だった

腕利きの弁護士が登場するわけでもなく、例の虐待に気が付きつつあった医師が再登場するわけでもなく、なんとなくス~っと終わっちゃいましたね。

終盤の唯一の見どころは父親の登場シーンだけ。

(出典:hulu)

若い父親がカッコいい~!というのと、実は幼い頃にも会っていた、ずっと会おうとしていた・・という感動的なエピソードは救いになりましたけどね。

でも、何か物足りなかったな。

あの出会いが契機になって、彼女の内面に何か変化を起こすとか、客観的な見方を取り戻すとか、何かしらあったらよかったんですけど全然でしたからね。

裁判が進んでもジプシーがいつまでたっても子供のままで、おろおろ自己保身を続けるだけ。

目を覚ますような素振りが一切ないので終始イラっとしっぱなしでした。

実際のパパもなかなかハンサム。

最終話の犯行エピソードが肩透かし

あの最終話での犯行現場の描写ですけど、100%思い描いていた通りで、何一つ驚きの新事実はなかったですよね?

なんのために、わざわざ分かり切った説明を繰り返すの?

と、不思議でした。

だって、その前のエピソードで既にディーディーが「キャー!ジプシー助けて~!」と叫び声の聞こえる時があったし、ディーディーがどうなったかも既に見てるし、あの犯人2人組にしても、そのまんまでしたからね。

せめて、家を後にするジプシーの表情に何か物語るものがあったら別ですけど、それも特になかった・・。

(出典:hulu)

嬉しそうな笑みを一瞬浮かべていたけど、過去を清算した安堵感にも見えなかったし、利己的な悪女の部分を感じさせるほどの物でもなかった。

なので、ジョーイ・キングは素晴らしかったけど、母を失うという大きな犠牲を伴う究極の決断をし、一皮むけた(悪?)女に向かっていくジプシーに関しては少し物足りなかった気がします。

もしそこを演じ切れていたら、最後に刑務所で母の肩にそっと頭をのせるシーンも、失った代償の大きさを物語るものとして見る者の心に響いていたかも。

(出典:hulu)

このシーンは中途半端に感じてしまった・・。

あの状況でニック終身刑、ジプシー10年はおかしい気が

ドラマでは彼女の方が教唆して、多重人格障害と知恵遅れのあるニックを犯行に追い立てたという描き方でしたけど、それでニックが終身刑というのは変ですよね。

「15歳程度の知能」というニックの母親の言葉が正しいなら、それこそ責任能力が問われるところだと思うし、精神鑑定したら無罪にもなりそうだけど。

というわけで、なんとなく後半から終盤にかけて違和感を感じながら今一つ盛り上がりに欠けてしまったこのドラマ。

ディーディーママのモンスターぶりが全てだったのかもしれません・・。

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • 私もヨメも最終話に物申す、でした。
    私はラスト母親に寄り添う場面が好きじゃないんです。
    ようやくジプシーは母親から解放されたのに、早くも母親の愛情を悔いている、なんて納得できませんでした。失って気づく大切なもの、として母親の愛情を示したかったんでしょうけど、公判中、犯行に対する反省は微塵も見せなかった(ニックに罪を被せて自身は恩赦を求めていた)ので都合よくね?ってな印象でした。
    父親の登場が良かっただけにあの “旗” を以前のエピソードで登場するような伏線があれば、ジプシーの記憶混濁から真実の光が差し込んでくるくだりへと昇華したと思います。惜しい。
    結構毎話ゲストが豪華、「ブレイキングバッド」ファンとしてはハンクやキムの登場は嬉しかった。
    向かいの母親役のクロエ・セヴィニーは人気ありますね。来月日本でも配信されるルカ・グァダニーノ監督のドラマ「僕らのままで」の予告映像にも出てましたよ。このドラマのために我が家はスターチャンネル再加入する予定です。

    • あ、そういえばハンクも出てましたね!忘れてました。

      なるほど~。確かに私も父親の話からフラッシュバック行くかな~と一瞬期待しましたが、行きませんでしたね。
      もう少し何か思い出しても良さそうでしたけど、それもなかったし・・。

      結局のところ、逮捕されてからのジプシーの行動が全く理解できないんですよね。
      裁判では嘘ついて自分だけ助かろうとしたり、隣人のレイシーには理解と同情を求めたり・・。
      で、最後は母の肩にもたれて・・だと、はぁ・・?ですよね。

      父親に会った後も目を覚ます素振りがなかったし、おーい!どこまでプリンセスやってるんだ~と突っ込みたかったです。

      「僕らのままで」は話題になってますね。
      このためにスターチャンネル再加入は凄いですね!EXでやってくれたらいいんですけど、無理そうですね。涙

      • 「僕らのままで」はスターチャンネルEXで配信します!お楽しみに。

  • 実話が元なので最後にむにゃむにゃむにゃ…な終わり方になってしまうのは仕方がない部分もあるのかな。
    ジプシー死後のエピソードはあまり盛り上がらなかったですね。残念

      • 本当ですね~。むしろそっちを期待して、辛い前半を耐えたというのに、残念でした。
        おっしゃるとおり、実話ものの限界でしょうかね。
        ただ視点をズラして味付けすることもできたと思うので、その辺がもったいなかった気もします。

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