「ザ・スパイ -エリ・コーエン-」実録スパイものが生々しい!最終話まで見たA感想

「ザ・スパイ -エリ・コーエン-

Netflixの海外ドラマ「ザスパイ -エリコーエン-」のアニスの感想です。

実在のスパイ、エリ・コーエンの物語を元に描いたNetflixオリジナルドラマ、全6話のミニシリーズです。

「実話に基づいた驚愕のストーリー!」と銘打たれています。

見終わりましたけど、ズシンと来ましたよ。なかなか面白かったです。

地味で、派手な盛り上がりはないのにず~~っとじわっと面白いというのは「ジ・アメリカンズ」に少し似てますね。

ただ、「ジ・アメリカンズ」はもっと大衆向けに面白い味付けや衝撃展開も時にありつつ、最終シーズンなんかは特に盛り上がりましたけど・・。

あれをさらにリアルに堅実にした感じかな。

アクションなんて全然なし!静かですよ~。静かながらスリル満点。

敵地に乗り込み、地道に政治的人脈を広げていく主人公の人間力がこのドラマの見どころなので、そこにどれほどの面白味を感じられるかが鍵でしょうか。

目次

【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。

また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)

「ザ・スパイ -エリ・コーエン-」あらすじ

1960年代、モールの会計事務をしていた平凡な男エリがモサドでトレーニングを受けスパイになるまでと、その後シリアに潜入し、政治中枢に入り込んでいくまでの6年間が描かれます。

実は冒頭でエリの運命は明かされる仕組みになってます。

シリアの監獄でボロボロになったエリは妻に遺書を書くよう言われますが、ペンを握る手には爪が一つも残っておらず・・。壮絶な拷問を受けたのがわかります。

そこに至るまで一体何があったのか・・。

物語は6年前に遡って幕を開けます・・。

「ザ・スパイ -エリ・コーエン-」登場人物とキャスト

エリ・コーエンを演じるのはイギリスのコメディアン、俳優、プロデューサー、脚本家というマルチタレントのサシャ・バロン・コーエン。

しかもほぼ全方面で高い評価を受けているという方みたいです。(英国アカデミー脚本賞やゴールデン・グローブ主演男優賞など)

いや、でも本当に凄かったです。

実際のエリ・コーエンほどの美形ではないのに、その存在感は確かに魅力的!

イスラエルにいる時は、普通にテレっとしたおっさんで「整いました!」のねづっちみたいな顔なんですけど、

(ん?違う?)

金持ち実業家に扮して潜入してる時のカリスマは「どっから来るんだろ?」と不思議に思うほど自信に溢れていてスラっと美しい。

人間やっぱり着る物と自信でしょうかね・・。

↑このおっちゃんが・・、

こうなります。↓

「ジ・アメリカンズ」のファンに嬉しいのがスタン役だったノア・エメリッヒが出てるところ!

モサドでエリのハンドラーを務めるダンという男です。

厳しい世界にいながら、非情になり切れないのが自身の弱点でもある優しい男。

・・という、これまたファン泣かせな設定で、このダンとエリの魅力だけでも充分画面を見続けられる感じです。

若干、スタン時代から髪型に変化がありますが、そこは見逃してください。

さらに、ここに美しいエリの妻ナディアとの愛の物語も切なさを醸し出し、胸が締め付けられる人間ドラマとしても一定のクオリティをキープしています。

「ザ・スパイ -エリ・コーエン-」のIMDb評価は高くないけど・・

ドラマ開始直後は8.5だったんですが、その後ガクンと7.3まで下がって約半日このままで安定。で、現在は7.6になってます。

ただ、現段階ではあんまりあてにならないかなぁ・・と。

というのは、こういう政治的なドラマって配信直後はアンチとシンパが両極端にレートし合うのか、昨日は10点満点と0点が極端に多かったんです。

その後、一般視聴者が普通にレーティングし出すと安定してくるのかなぁ・・というのが私の分析です。(「ブラック・アース・ライジング」もこんな感じでした。

ちなみに、私がレートするなら8.0点くらいかなぁ・・。

地味なんですけど、ちょっとした会話の妙だったり、絶妙なピンチの切り抜け方だったりがオツなんですよ~。

もちろん平凡な男が訓練を受け、スパイとしての才能を開花させていく過程も面白いし、スパイ物らしいスリルと緊張感もバリバリです。

また、Rotten Tomatoesの批評家の評価は83%とまずます。

地味な演出で情感的なものはすべて役者の演技に頼るような構成になってますので、それを物足りないと感じる人は低評価で、彼らのパフォーマンスの素晴らしさに重点を置く人は高評価という感じです。

でも、「ジ・アメリカンズ」が好きな方はかなり楽しめると思いますので、私はお勧めしたいです!

視聴ページはこちら

*この先はネタバレ感想です。

「ザ・スパイ -エリ・コーエン-」ネタバレ感想

実際のエリ・コーエン氏と遺書全文

なかなかの美男子なんですよね。

この容姿で金持ちで、格段の人ったらしと来たらスパイとして優秀だったのも納得です。

そして、ナディアさんはこちら。

 ナディアとエリの母

ドラマ同様、美しいですね。

それから、エリが処刑される数分前に書いたという遺書の全文を見つけましたので貼っておきます。

(劇中ではなぜかフランス語で書かれてましたよね。どうしてだろ・・。)

To My Dear Wife Nadia, and My Dear Parent,

I am writing to you these last worlds, a few minutes before my end, and I would like to beg you to be in a good relationship forever.

I request you dear Nadia to pardon me and take care of yourself and our children. Look after them thoroughly, bring them up and give them a complete education, don’t deprive them or yourself of any thing.

Please be always in close communication with my dear Parent.

You can get remarried in order not to deprive the children of a father. You have the full liberty to do so. I am begging you my dear Nadia not to spend your time in weeping about some thing already passed.

Concentrate on yourself, looking forward for a better future!

I am sending my last kisses to you and to the children: Sophie. Irit, and Shaoul, also to all my family, especially to my mother, my sister, Odette and her family, Maurice and his family, Ezra and his family, Sara and her family, Zion and his family, Alfred (Efrayim) and his family and at the end to Bero (Abraham).

Don’t forget also your dear family; give them my best regards.

Don’t forget to pray for the soul of my late Father and of mine.

Receive all of you my last kisses and blessing.

Eli Cohen 15/5/1965

死を直前に控えた人が書いた文章とは思えないほど簡潔で、ナディアに対しての愛と思いやりに満ちてます。

「子供達に父親を与える為にも再婚して欲しい。君にはその権利があるのだから。

どうか、過ぎ去ったものの為に泣き暮らすのではなく、自分を大事に未来志向で生きて欲しい。」

という言葉がまたエリの人間性を感じさせます。

キスを届けたい人達もきっちり大勢書いてます。

それから、どうやら子供は3人いたみたいですね。

ドラマでは2人になってましたけど、最後にイスラエルに帰った時は3人目の子の出産に立ち会う為だったそうで、その頃、既に危険を感じ取っていたエリは当局にも「戻りたくない」と頼んでいたようです。(by wiki)

ところが、これが最後だから・・と無理に戻されてしまったそうで・・。

なんとも残念。

ドラマではダンがしきりに「やる気のある人間は危険過ぎる。」と憂いてましたけど、彼を死に追いやったのはエリのその部分ではなく、完全に当局の方の過ちでした。

その段階で、モサド幹部に「もうエリの命の問題じゃない!」と言われてしまったら、エリがどれだけ情勢を見極める目を持っていても意味ないですもんね。

そして、現在のナディアさんはこちら。

私が気になったのは最後にエリ本人の処刑後の画像が出たところ・・。

「処刑後、6時間晒された。」と出てましたけど、これじゃ半永久的に晒されることになってしまうのでは・・?と心配したんですけど、既にネットではこの写真が出回ってるのでいいのかな・・。

ナディアさんの承諾があってのことだといいんですけど。

あの画像の代わりに、生前のハンサムな画像で良かった気がします。

これが男の本能か・・

あれだけ美しい妻がいて、幸せな日々を送っていて、「それでもスパイとして命の危険を冒す任務に就くか?」、と問われたら、普通は「やめておく」と答えると思うんですけど、何が彼を突き動かしたんでしょうかね。

当然「愛国心」や「正義感」がその理由だとは思いますが、移民として虐げられ、貧しい生活の中で「男としてもっとできることがあるはず」と自問自答している時に、

「スパイになるか?君にはその才能がある。国は君を必要としている。」と求められたら、やはり男としてその才覚を存分に証明したいという欲求に負けてしまうのでしょうか。

だけど、ナディアさんも言ってましたけど、「私にはエリ・コーエンで充分なの。」というのが女側の率直な気持ちですよね。

ただひたすら「家にいて欲しい・・、そばにいて欲しい」と願い続けながら、ほんの少ししか一緒に過ごすことができなかったナディアさん・・。

50年後の今も待っているそうですけど、彼女の元に遺体が戻る日は来るのでしょうか。

彼を祖国に戻してあげたいという気持ちと、せめてお墓では仲良く横に並んで眠りたいという希望があるのでしょうね。

はぁ・・。なんだか切なくなりました。

まぁ、これはあくまでイスラエル側からの物語で、シリア側からの物語はまた別のものになるのだとは思いますが・・。

うちの仏人夫は元歴史教師で、こうした一方からの視点で描くドラマや映画を嫌うんですけど、まぁプロパガンダ云々はいいじゃないですか。

あくまでナディアとエリの物語という事で、私は充分感動しましたよ。

地味ですけど、こういうリミテッドシリーズは見やすくていいですよね。Netflix頑張れ~。

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