Netflixの海外ドラマ「アンオーソドックス」のアニスの感想。前半はネタバレなしで、後半は有りになってます
少し前にNetflixで配信が始まった「オーソドックス」ですけど、想像以上に良かったです!
タイトルとは反対にオーソドックスな「自分探し」「再出発」などの王道テーマを描きながらもなぜか凄く新鮮でした。
演出や映像はリアルに徹してる分、派手さもないし・・、むしろ静かな語り口で一人の若い女性の人生の転換期を密着取材したかのような印象。(自分もその場にいるみたい)
なぜこんなに新鮮かというと、恐らくは製作陣がドイツ勢、俳優陣がイスラエル勢という見慣れない布陣のせいかもしれません。
あとはなんと言ってもこの主演のShira Haasという女優さん!
イスラエルでは賞をいくつも獲ってる若手実力派だそうですが、いい意味で突然宇宙から舞い降りたかのような不思議な存在感を醸してます。
いや、この俗世を感じさせない雰囲気はまさに主役エスティの背景そのものなので、そりゃそうなんですが、メイキング動画で役柄について語ってる彼女もやっぱり同じ印象なんですよね。
素朴で、ハリウッド女優にはない無垢さ。
予告編だけでも、一人力強いパワーを放ってます!
普通に髪があると、ちょっとナタリー・ポートマンぽい。
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「アンオーソドックス」予告編
「アンオーソドックス」あらすじ
ニューヨークの超正統派ユダヤ人コミュニティで生まれ育ったエスティは空しい結婚生活を1年送った後、新たな居場所を求めてベルリンに旅立つ。
この超正統派ユダヤ人の方々の生活ぶりがまた興味深い!
ドラマを見て理解できた彼らの生活様式は以下の通り。
- 女性はカツラやスカーフで地毛を隠す(なぜまたカツラ?!)
- 男性はもみあげクルクルローング!(カーラーで巻く)
- 結婚は親が決める(審査アリ)
- インターネットはご法度(外界を遮断)
- NYでもイディッシュ語が基本(英語も話せる)
- 男性の格好は黒帽子、黒コート、黒ズボン
- 結婚後、性生活について個人レッスンがある(基礎の基礎!)
- 女性が生理中は男性に触ってはいけない
- 女性は音楽の演奏禁止
昔「刑事ジョン・ブック」という有名な映画でアーミッシュの生活が描かれ有名になりましたけど、またそのアーミッシュとはまた違う雰囲気でしたね。
NYの超正統派ハシディズムはイスラエルにいるユダヤ教徒とも少し系統が違うようで、劇中でもベルリンのホテルでイスラエル人と間違われた時には苛立つシーンがあったりしました。
いわゆる特殊な世界として描かれてますけど、この閉塞感は案外日本社会にも通じるところがあるのでは・・なんて思っちゃいます。
中にいると気付かない非常識や特殊な習慣、思い込みって結構ありますしね。
どんな人でも勇気をもって世界に飛び出したら、また違った自分と出会えそうな気もします。
「アンオーソドックス」ネタバレ無し感想・評価
ドラマでは、独特なコミュニティの中で幽閉同然に生きてきたエスティの過去(気の毒だけどメッチャ興味深い!)と、
ベルリンに旅立った後のエスティの現在(彼女の大冒険に身を乗り出してしまう!)とが何度も交差する形で進みます。
これが両方面白い!!
バランスも絶妙で山場が多く、どちらに切り替わっても目が離せないので全4話があっという間でした。
この流れに説得力を持たせる大きな要素として、「音楽で自分を表現したい」というエスティの情熱が歯車として上手く機能してました。
やっぱり何か目的がないと自分探しも難しい・・。
応援する私達にも自然に力が入ってしまいます!
ちなみに、他の俳優さんたちも皆お見掛けしたことがない人ばかりなんですけど、演技っぽくない自然派スタイル。
その辺もリアルというか、ドキュメンタリーっぽさにも繋がっていて良かったですね。
個人的にはベルリンに逃げてから出会う王子様の彼が可愛くって好みでした。
誰かに似てるんだけど、誰だろ。グリーのコリー・モンティス??
気付いた方コメントでお願いします。
脱いだら凄い!密林もアリ?!
でも一方で、NYからエスティを探しにベルリンに乗り込んで来た夫君も超カワイイんですよ~。
この2人の珍道中も見どころになってました。
(どっちもいいキャラで最終的に憎めない!)
評価もかなり良くてIMDbが8.2!今週、先週と「海外ドラマランキングのトップ10」にもランクイン。
さらにロッテン・トマトはこの高評価!!
とにかく4話で見やすくて一気見確実ですよ~。
絶対にお勧めの良作です。
エミー賞主演女優ノミネート行きそうな気がするけど、ドイツ製だから対象作品じゃないのかな・・。
*これから先はネタバレ有の感想です。
「アンオーソドックス」ネタバレ感想
ちょっと出来すぎだった?
はぁ、面白かった~。
始めから最後まで飽きさせる部分が一切なかったですね。
でも冷静に考えると結構都合のいい展開が多かったかなぁ・・と。
だって、ベルリンに着いた1日目にカフェで「運命の王子様」に出会って、その彼がたまたま音楽学校の生徒で、そこで一夜を明かしたらたまたま講師の先生に編入を勧められて・・ってとんとん拍子でしたからね。
まず、普通の人はその運命の王子様に出会うのに何年もかかるものなのよ・・。
音楽学校への切符もそんな簡単には手に入らないでしょう。
気が付けばあっという間に音楽学校の仲間たちと湖で泳いでるし、まぁ、その辺はドラマでしたね。
ただ、エスティが閉鎖的なあのコミュニティで長年耐え忍んできた分、それくらいの運に恵まれてもいいだろう・・!という妙な納得の仕方はできますけどね。
とはいえ、最後のオーディションでピアノから声楽に変えた展開は良かった!!
ピアノはもう仲間から「絶対無理!」宣言されちゃったし、一体どうするんだろ・・??と心配させておいてのドドーン!!でした。
あの機転こそがエスティの底力!
周囲を味方につけていく魅力も元来彼女が持ち合わせていたものなんでしょうね。
ちょっと渋い声もあの細い体から出てるとは思えない迫力で圧巻でした。
閉鎖された暮らしとは
あと、超正統派ユダヤ人の皆さんの生活ですけど、なんでまたカツラなんでしょうかね?
地毛の方が100倍綺麗なのに、わざわざ坊主にした後にカツラってところが不思議でした。
あと、あの新婚生活は両者にとって地獄だわ~!
ヤンキー君もよく耐えた!
普通の若者だったら、もうブチ切れてるか、おかしくなってるかしてそう。
結局優しいからエスティにも無理強いできず、結果的に1年もかかってしまったのでしょう。
それに、あんな暗い顔で不幸になっていく妻を毎日見てたら、追い詰められて「離婚」を切り出す気持ちもよく分かる・・。
ヤンキーにしてみたら、どうやって女の子を笑わせたり、喜ばせたりするかも知らなかったわけだし。
彼なりにエスティを好きだったのは最後の告白シーンを見ても痛い程伝わってきましたよね。
う~ん、残念。
やっぱり結婚に限らす、普通にもう少し情報居るよね。
ネットやテレビがないにしても、女の子の扱い方とか、男の子同士で話とかしないのかなぁ・・。
あの従妹の彼は名前モイシュでしたっけ?
彼も超正統派の生活に馴染めず外界へ飛び出したものの、結局そちらでも挫折して戻ってきたようですね。
染まり切れない違和感に苦しみ、そのはけ口としてギャンブルに依存し、破滅に向かってまっしぐら~でした・・。
ヤンキーのように完全に情報遮断してしまった方が幸せに生きられるんでしょうかね。
スマホを持ってあの場所で生きる生活は、さらに地獄のような気もします。
お婆ちゃんは応援してた!
エスティからかかってきた電話を一方的に切ったお婆ちゃんですが、彼女は旅立ってった孫を突き放すことで後押ししたかったのだと思います。
弱音を吐く彼女に自分達を断ち切らせ、さらなる覚悟を持てるように。
始めはあの態度に、あれれ?お婆ちゃんどうして?!怒ってるの??
なんて思ったわけですが、第3話で身内で話してる時のセリフを聞いて、全然違うと分かりました。
「エスティの母親にもっと優しくしてあげればよかった。」
とうにコミュニティを後にしたドイツ人の嫁に対してもこんな発言ができるほど懐の深いお婆ちゃんですから、エスティに対して怒ったりしてるはずがない。
結果的に孫と別れることになってしまった不幸は残念に思っているでしょうが、巣立っていった孫を思いやる気持ちは人一倍強かったでしょうね。
それにしても最後の余韻がヨーロッパ映画っぽくていいわぁ・・。
コンパスを持ってカフェに一人、仲間を待つエスティ。
お腹には赤ちゃん。
絆を結びなおした母が今後はサポートしてくれる。
そして、念願の音楽学校!(行けるはず!)
未来はどこまでも開け、不安はあっても視界は良好・・。
いいですね~・・。
これが本当の青春ドラマだな。
シーズン2はある?
ご質問をいただいたので追記します。
このドラマは「リミテッドシリーズ(1シーズンのみ)」となっているので続編はないかと思います。
とはいえ、いくらでも彼女の青春物語として波乱万丈に展開していけそうなので、作ろうと思ったら作れそうですけどね・・。
でも、このままがいいなぁ~。
期待と不安に胸膨らませ、ふわ~っとした未来を見据える・・。
そのワクワク感の余韻に浸り、それぞれの想像力に委ねるラストが素敵だったので。
はい、というわけで、ではまた~。
コメント
コメント一覧 (11件)
アニスさん初めまして!いつも楽しくブログを拝見しています。
突然で申し訳ないのですがお知恵をお借りしたくコメントさせていただきました。
実はある海外ドラマのタイトルが知りたいのですが、思い出せないのです。下手な説明ですがわかりましたら教えていただけないでしょうか?m(_ _)m
①男性主人公はFBIとかCIAみたいな機関で働いている。主人公のおじさん?が確かその機関の偉い人で主人公はデスクワークの仕事なのにめちゃくちゃ強い。
②主人公は何かを仕事で見つけて調べている。それが調べられたら困るのが実は主人公の親友だった。
③働いている建物に作業員のフリして殺し屋が来て働く仲間をみんな殺しちゃう。受付の女の子は差し入れのコーヒーを飲んで死んじゃう。
④主人公と女の子は運良く窓の外に出てこっそりタバコを吸っていた事から殺し屋から逃れる。
こんな感じなんですけど、何のドラマかわかりますか??Amazonプライムだったかなぁと探したんですけど、ジャックライアンじゃないんです。
普段はJ:COMやNetflix、Amazonプライム、たまにHuluで海外ドラマを観ているんですが、いくら考えても思い出せず、気持ち悪くて困っています( ; ; )
お時間ある時にでもお返事いただけたら嬉しいです!
よろしくお願いしますm(_ _)m
みんとショコラさん、はじめまして。
それは「コンドル~狙われたCIA分析官~」ですね!ちょうどこの前の記事でU-NEXTの海外ドラマをまとめたばかりだったので思い出しました。笑
WOWOWでやっていたので、その時に見られたのかもしれません。
でも「ジャックライアン」じゃないというのは、いい線行ってますね!
私も感想記事で「ジャックライアン」に近いって書いてました。
アニスさんお返事ありがとうございます♪
コンドル 狙われたCIA分析官だったのですね!
めちゃくちゃスッキリしました!ありがとうございます♪J:COMでWOWOWも契約してるので、その時に私は観たんですね!膨大な作品の中からどうやって探そうかと困っていました。アニスさんのお陰でスッキリです!本当にありがとうございました(≧∇≦)
海外ドラマ好きにとってはアニスさんのブログはとてもわかりやすく、参考になるので助かっています。 特に今の時期は海外ドラマを観る人も多いですし、友達に薦める時もこちらのブログを紹介したりしています。
アニスさんもお身体に気をつけてくださいね。これからも記事のUP楽しみにしています!!
ありがとうございました!
みんとショコラさん、うわ~、お友達にご紹介ありがとうございます。励みになります。^^
私は一話完結を見ないし、時間がないので見てる作品数も少ないんですがお役に立ててうれしいです。
これからもよろしくお願いします~
初めまして。
私も見応えがあって一気に一晩で見てしまいました!
実は私もブルックリン在住で、近所にもこういうジューイッシュのコミュニティがあります。近所でも、閉塞的なコミュニティなのでいつも興味深々でしたので、こうやってみられて本当に面白かった!
ウィリアムスバーグは北ブルックリンなんですが、中央から南ブルックリンのオーソドックっクス系はエスティの住んでいるようなアパートよりもっと一軒家でお金持ちな人達が多い気がします。
だからエスティの暮らしは質素な感じがしました。
結婚すると確か汚れを取る的な意味で頭を剃るって聞いたことがあります。
でも、カツラはかぶるんだよね?って疑問に思いますが。
ベルリンについてモッシュ?ヤンキーの従兄弟が食材をちゃんと持ってきたのをみて忠実さを感じました。
多分ベルリンにはkosherのお店があまりないんだと思います。
ニューヨークはこういうオーソドックスからモダン系までたくさんのジューイッシュがいるのでkosherのスーパーマーケットは多いので。
私的には、え?4話で終わり?
赤ちゃんどうなる?ベルリンの彼とはどうなる?
声楽の合否は!?と5話があるのかと思いました。続き是非ぜひ見たい作品です!
Maroiさん、はじめまして。
ブルックリンにお住まいなんて素敵ですね。^^
確かにユダヤ人の方は裕福というイメージがありますけど、彼らの暮らしは質素なのでしょうか。
結婚式場になった場所も、なんか公民館みたいでしたもんね。
文明やテクノロジーを否定していると、商売もあまり上手くできない気がしますね。
特別な食材をkosherというのですね。知りませんでした。
4話での終わり方はいかにもアート系という感じで、あれはあれで良かったかなぁ・・という気もします。
とはいえ、確かに続編は見たいですね!
リミテッドシリーズっぽいので、続編はない可能性が高いと思うのですが・・。
では、今後ともよろしくお願いします。^^
Anniceさん、コメントの返答ありがとうございます😊
面白い記事を見つけました。
https://heapsmag.com/pearl-perri-nude-model-artist-designer-who-left-hasidic-jewish-community-express-via-fashion-and-visionary-art
うわ!これまた凄いパンクですね!!恐れ入りました!笑
髪の毛はやはり男性を誘惑するから、ということなんですねぇ。
カツラの方が誘惑しずらいってことでしょうかね。
どこかのサイトに「ハンドメイズ・テイルを地で行くディストピア」なんて書かれてありましたけど(あそこまではない)現代の現実世界の話なんですよね、これ。たまらんな…。全く知らない世界の話で勉強になりました。
モイシュがベン・アフレックに見えて仕方がなかったです。
↑39kumicho でした
あ~、わたしもモイシュが誰かに似てるってずっと気になってましたが、ベン・アフレックでしたか。笑
確かにハンドメイズはちょっと言いすぎかもですね。
髪を切られても文句を言えないっていう辺りは近いですが・・。
最近Netflixで同じような感じのドキュメンタリーがでてましたね。(ワン オブ・アス)
今オーソドックスユダヤの方がフォーカスされてるんでしょうかね・・